自宅マンションでは、ここしばらく共用部の塗装が続いています。
パイプスペースや分電盤の扉等、錆防止の意味もある作業の様です。
しかし、室内にシンナー臭が漂ってきて、ちと困っています。
窓を開けて換気は逆効果ですし、逃げ道の無い状況です。
恐らく今週中に終わる作業だとは思いますが。
作業員の方はマスクも無しで、よくやるよなぁと。
塗装作業用の溶剤なので、危険性はまだ低いとは思いますが。
以前の仕事で化学分析系の前処理装置を扱っていた際、修理の場面でかなり危険な有機溶剤の臭いを感じていました。
あれに比べればマシなんだろうけれど、と思いつつ。
危険な有機溶剤の一つがジクロロメタンです。
数年前にニュース記事にもなった化学物質で、印刷所等で過去に立て続けに社員が癌で亡くなった件の原因だったそうで。
直ぐに癌になるワケではなく、年月をかけて人体を壊すそうで。当初は原因が分からず呪われた環境とも疑われたそうで。
原因が分からないと、これだけ文明化した社会でもそんな発想になるようです。
当時の印刷所では、設備のインク落としにジクロロメタンが多用されていたそうです。現在は勿論、規制が掛かっている様子。
しかし、化学系の分析屋さんでは現役で使われています。
化学の知識があるから、装備は万全だろうかと思われそうですが、無防備なのもあった感です。
本来、防毒マスク等の利用は必須でしょうに。
自分は物理系を学んできた人間なので、化学の知識は高校レベルで止まったままです。逆に良く分からない危険物質については、ちゃんと調べるようにしていました。
分析屋さんで利用されるジクロロメタンは、分析対象の物質を抽出する前作業で利用される場面が多いようです。
シンナーは塗料の組成を変えぬまま溶かして希釈するような役割ですが、ジクロロメタンは土壌や衣類に染み付いた分析対象を引っ張り出すイメージです。
個人差もありますが、出先の作業でこのジクロロメタンを嗅ぐと自分は呼吸が困難になったり、喉がつぶされて声が出なくなったり、帰りの運転で視界がぼやけたりでした。
流石に運転は危険なので、サボりと疑われるのを承知で数時間休んでからハンドルを握っていました。
年に数度しかない作業でしたが、若い人には気の毒でとてもやらせられない作業でもありました。
「被曝」という言葉は奥が深いようですので、ヒバクとしておきます。
その分析専門の仕事でも、現場で働く人は化学の知識が足りないのか諦めているのか謎ですが、対策をしていない場面が見受けられました。
中には、遺伝子まで破壊する物質もあるハズで。歴史上の分かりやすい例では「枯葉剤」あたりでしょうか。身近なところでは一部の農薬とか。
本人には大きな症状が出なくても、子供に先天性の障害が現れたりします。
ここ数年、原発事故の放射線ばかり騒がれていますが、もっと身近に危険なモノが潜んでいる可能性があるかと思っています。
ヒバクしたら直ぐに体調不良で症状の出る物質は、まだ親切な方なのかも知れません。
ごく僅かな量では安全範囲な物質の場合、それに接する時間が長いと影響あったりもします。時間と量は比例の関係だったりで。
以前にホームセンターで購入した安い木製のベッドは、特に五感に訴えてきて、目がチカチカしたりでした。溶剤がある程度抜けるまで数ヵ月換気ばかりで。
新築の家とかリフォームしたばかりの部屋で、同様の症状は社会問題にもなり既に対策済みかとは思います。しかし、大き目な家具類はまだ危険が残っているのかも知れません。
生態系の研究機関に仕事で訪問した際、その辺の話題に幾度かなりました。
お客さんのほとんどは博士課程を修了している専門家で、自分の質問にも単直に答えてくれて。(専門が化学系であっても、それが有機か無機かによってトンチンカンな答えがあったりですが)
精密検査を受けた方の中には、体内には本来無いハズの物質が抽出されてしまうこともあるそうです。
放っておけば抜けるのか?と思いきや、集まりやすい部位で濃縮されているようなパターンもあるとか。
恐ろしや。
今回の記事のオチをどうするか迷えますが、オチ無しとなりそうで、キーボード打っています。
個人的には、そういった物質の何割かはヒバクして直ぐに五感が訴えてくるかと思っています。自分は煙草もお酒もタシナミますが、体調不良の時はそれを受け入れられない症状が出やすい体質なので、結果案外健康です。
上記に綴った「呼吸が困難になったり、喉がつぶされて声が出なくなったり、運転で視界がぼやけたり」辺りです。
人によってはこれが快感に繋がる幸か不幸か分からない方もいらっしゃるようです。
コメント
今回の話は怖かった。コワイヨー。
俺は、自分の体内に入れるのはエタノールだけにしておこう、と固く誓ったのであった。
ルノワールさん
安全か危険か過去によく分からない物質はいっぱいあったと思いますが、今や危険としか言いようのないのは根本的な対策が必要かと思っています。
ただ、Web上では専門知識の乏しい方の妙な記事も時折見受けられたりです。たまに再浮上してくる「某食品会社さんの製品に危険物質が含まれている」系の記事とか、具体的な数値抜きに語られていたり。(水道水に含まれていても問題とされない量より少なかった記憶です)
身体に本来必要な塩であっても、多量に摂取すると危険ですし、最近も乳児が死亡した事件がありましたよネ。言葉が喋れたらなら「こんなにしょっぱいのこれ以上食べれないヨ!」と訴えるかと。
[…] しかし、あのような環境で働いている方々は辛くないのかなぁと。勿論体質による違いもあるのでしょうけれど。 現場寄りの方でしたら防塵マスクとか使うのに抵抗無いと思いますが、隣接する部屋の事務職の方とか、どうなんだろうかと。 印刷設備の洗浄に嘗て使われていた有機溶剤であるジクロロメタンも当時は発がん性が全く疑われていなかった様子ですが、数十年の間に何人も犠牲者が出て、今ではかなりの規制が入っている様子ですし。(過去に綴ったこの記事によります) 今日の臭いが金属によるものなのか、それに付加する化学物質によるものなのか分かりませんが、関係者の方はそれが原因で早死にしなければと願っていたりです。上記のジクロロメタンの被害の様にはなってほしくなくて。 こういった環境の臭気の除去対策とか今後は重要ではないかなぁと。でないと、担い手が減る一方に思えてしまい。 […]
[…] 自分は過去に化学系の分析装置や前処理装置を扱っていたので、時間が掛かる生体への影響に危惧しがちです。 そもそも自然界に存在しなかった類は、けっこう便利なものの後からとんでもない問題が見つかりがちなのかもと。 陰謀論ではないつもりの記事でしたが、ちょっと怖い話題を交え過ぎた感でもあります。 とりあえず、自分は既に子供を作らないだろう世代で、遺伝的な問題は避けられそうです。あっちはまだまだ元気ですけれど。 […]