数日前の地磁気の乱れがようやく収まって来まして、アマチュア無線のHF帯も電波がまともに飛ぶようになってきました。
ただ、東日本大震災は地磁気の乱れから10日後に訪れていますので、あと一週間ほどは注意をしています。
バスタブに貯めた水は消毒剤を入れたままそれくらい放置する予定です。
あと電気周りです。
モバイルバッテリーを四つほど所有していますが、全てフル充電が完了しました。
数年前に北海道で発生した地震は数日間の停電が続いてしまい。実家の母と初日は電話連絡が取れたものの、その後しばらく音信不通でした。
最初はスマホのバッテリーが切れてしまったそうです。翌日にはボランティアの方が車で充電してくれたそうなのですが、基地局のバッテリーが切れてしまいアンテナが立たずで。
現在はどうなのか知りませんが、スマホが生きていても基地局が倒れていたらどうにもならないそうで。
余談ですが、実家の地域が復電したか否かの情報はTwitterでマメにチェックしていました。復電を確認し実家へ電話したところ、直ぐに繋がりました。
寝ぼけていたらしき母は携帯電話が繋がった意味や長い停電が解決した意味をしばし理解していなく。
ボランティアさんに落とされたブレーカーを戻すよう伝えたところ、母は現実に戻れていました。
「電気点いた」「母ちゃんもう大丈夫だよ」。
そういった場面では、基地局といった中継を必要としないアマチュア無線は無敵に思います。
なので、東日本大震災の後に数十年ぶりに無線機やアンテナを揃えだした自分でした。
しかし、当時暮らしていた秋葉原界隈はノイズが多過ぎて、HF帯は使い物にならなかった感です。
結果的に設備はオブジェと化してしまい。
引越し先の柴又のマンションは部屋が一階だったので、ロケーションが悪く、また使い物にならなく。
屋上にアンテナを置かせてもらえたらなぁと。まぁ管理組合は首を縦に振らないでしょうし。
そこで救いになったのがFT8のデジタル通信でした。
宇宙通信の技術を元にした諸々で、地球から遥かに離れた探査衛星の微弱信号を送受信出来る仕組みで。
しかし、アマチュア無線でその技術を採用するのは幾つか問題があったそうです。
探査衛星と管制は一対一での交信ですが、アマチュア無線ですと一対複数のパターンが多く。
受信した幾つもの局の信号を同時にデータ化するには、その信号を処理するPCのスペックが要求され。
それも近年のハイスペックなPCですと、可能になったそうで。
理論的には可能でも、コスト面で現実的では無い技術は他にも色々とありそうです。
数日前の地磁気の乱れで遠くの信号が届かなくなった中、色々と考えてしまいました。
話が少し逸れるのですが、DXCCのアワードが目標な100の3歩手前で足踏み状態でもありまして。
実際に交信した地域は既に100を余裕で越えているハズなのですが、相手局が交信証明を提出してくれず。待っていれば何とかなるのでしょうが、それがいつなのかは相手の気分次第。
だったら、デジタル以外の他のモードで頑張れば良いのでは?と。
しかし、音声通信では前途の通り無理があり。
残る一つはモールス(CW)で。
所謂トンツーな電鍵を用いた通信は、ノイズ等のコンディションが相当悪くても比較的聴き取りやすく。
人の会話も同じなのですが、酷い騒音の中の声や小さな声は聴き取り難いものの、それがブザーの音であれば鳴ったか鳴らないかは判断しやすく。
これをデコード(復調)というのですが、昨夜試してみました。CWを。
自分の所有する無線の免許ではCWの運用も可能なのですが、何年も使っていない技なので、自分の耳で文字を起せるか。そこが問題でした。人間によるデコードというか一種の翻訳。
僅かに聴こえた信号は意外に易々と解読できました。恐ろしく低速なトンツー。そのリズムはかなり揺れていたものの、その遅さが救いになり。
何だか考えさせられてしまいました。
無線人口の高齢化が問題になっています。古くからCWを愛する高齢者が頑張っているのかなぁと。
自動車の運転にしても高齢者の事故が人の命を奪ったりで。少なくとも無線の通信で命を奪う事故は少ないだろうなと思ったり。
そのCWの信号はそれほど遠くない国内の局から届いたのですが、自分の耳ではかなり小さな音で。
さっきから広げっ放しだったデジタル通信のソフト上では、その信号が可視化されていました。細い線だったものの、かなり強い信号を示す真っ赤な色で。
人間にはこんな小さな音でも、デジタル通信経由ですとかなり強力な信号だったんだなぁと。
これではデジタル通信に太刀打ちなど出来ないと。
恐れ入りました。
ノイズや弱い信号に強いCWは船舶通信で特に利用されていた経緯があり、大きな船舶には通信士も必要だったり。
しかし、十年以上前に淘汰されてしまった技術で。衛星通信が取って代わり。
いまやCWはアマチュア無線界でしか利用されていない古典芸能の様なモノで。
CWのメリットは当時と変っていないものの、デジタル通信は更に上を行っていました。
そのデジタル通信で流行っているFT8なのですが、利用者の人口が増えてしまい既に過密状態です。
利用可能な幅の中で信号は密集しており、空いたスペース探しさえ難しいタイミングも多く。
先ほど試してみたのですが、過密の隙間で自分の信号は遠くまで届いておらずでした。
試しに相手がデコード出来ないかも知れない隅っこより外側で送信したところ、かなり遠くまで届いていました。
これが何を示しているかというと、本来の車道は混み過ぎていて、僅かな隅っこを利用しないことには通過できないで。
無線の信号としては届いてはいるのでしょうが、周りにかき消されていたで。
送信で勝った局からすると、自分の弱い送信は迷惑なノイズでしかなかったかと。
FT8よりも新しいモードであるFT4への移行をそろそろ真剣に考えねばとも思えたりでした。
このモードはまだ過疎気味ですが、FT8が混みあっている状況ではそれなりに利用者も居て。
アマチュア無線やCB無線が流行っていた80年代も、限られた帯域やチャンネルでの潰し合いでした。
弱肉強食のサバンナというか。
あぁいった現象はもう訪れないだろと思えた衰退中のアマチュア無線で、またこうなるのは残念でもあるのですが、ちょっと嬉しくもあります。
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