葬儀の期間、移動手段は身内の車と運転ばかりでした。
その移動中、カーステレオから流れていた音楽がちょっと印象的でした。
イトコの高級セダンで流れていた曲が、Gil EvansとMiles Davisの音そのもので。
そのコンビのアルバムは何枚か所有しているものの、今回は初耳の曲ばかりでした。
幾度か空港へ親族の出迎えに向かう中で流れ続けていて、勘違い前提でイトコに聴いてみました。「これ、マイルス?」と。
当たっていたそうです。
かなり古い録音なのに偉くクリアな音で、Gil EvansもMiles Davisもとっくにあっちの世界の人だし、最近似たようなことしている人でもいるのかなぁと。
しかし、自分より下の世代でこれがMilesだと気付ける人はほとんど居ないだろうなぁと。
親族と会える最後の日、その運転は江別で暮らす叔父の車でした。
この車内でもジャジーな曲が流れていました。
自分はギターが主体のJazzなアルバムをほとんど保有していません。ただ、Django Reinhardtだけは、ネット経由で時々聴いていまして。
70年代以降のクロスオーバーなギタリストが嘗て綴った記事に「ジャンゴの音楽は絶望的な古さを感じたものだが、久し振りに耳にしたら案外良かった。自分がグッドリスナーになれたのかも知れない」と残していて。
それがどんな音楽なのか気になり、たまーに聴いていました。
実際、80年代にラジオで聴いた時はピンときませんでした。確かに古く、何だかノリだけで。
しかし、これがちょっと古めな洋食屋さんで流れていたなら、ちょっと味わい深く頂けそうだなぁと。存在が邪魔にならず、料理やお酒を美味しくしてくれる音楽というか。
そして、自分も四十代を迎えた辺りから、これもありだなぁと。
叔父の車で流れた曲、これもたまたま一曲だけそうだったワケではなく、次の曲もジャンゴっぽく。
叔父に思わず聴いてしまいました。「これはジャンゴ・ラインハルトですか?」。
またしてもほぼ正解だったそうです。ジャンゴを愛するギタリスト達のトリビュート盤だったそうで。
自分がJazzが好きなのを事前に知っていたのかな?
ちょっと試されている様で、面白い出来事でした。
コメント