無線の初心者

数ヵ月前に某SNSでアマチュア無線の資格取得に向けて勉強中な書込みを観掛け。
「見知らぬ誰かと話す事に恐怖しか感じないのでやめようか」との書込みもあったので、FT8を紹介してみました。
マイクを握る必要の無いデジタル通信が現在人気な旨を。
ブランクの長い自分も、何だか恥かしくて音声でCQを出す機会が減っていて。

昨日のこと、アマチュア無線の国家試験に受かり、免許証が届いたとの何方かの書込みをSNSで観掛け、そういえばあの方はその後どうなったのかな?と確認してみたところ、あの方も数日前に免許証が届いていたそうで。
文章を観るだけで、自頭の良い方だと思ってはいたのですが、ともかく良かったよかった。

バブル期にスキーが流行り、映画の影響もあってアマチュア無線の免許を取得する若者も当時は多く。
文系の学生さんでも、自頭が良ければ丸暗記だけで合格する方は多かった記憶です。
数十年前にちょっと驚いた新聞記事がありました。自動車免許の学科試験に何度も落ち、替え玉受験で対応していたプロのドライバーが捕まったと。
替え玉をしたせいで、免許証の顔写真が別人だったそうで、それが原因でバレてしまったそうで。
普通の人なら三日間勉強すれば取得出来そうな試験内容なのですが、落ちる人は何度でも落ちるんだなぁと。
教科書で概要を掴んだ後は、試験問題を解き慣れるのが何事も重要かと思っています。
自分が原付の免許を取得した高校時代、試験場ではけっこう落ちている人が居て、驚いたりでした。
そういえば、試験を舐めて掛かっていた兄も、一度目は落ちていたそうで。早稲田の一文に通っていても、全く勉強しないと落ちるもんなんだなぁと。
しかし、何度も落ちるというのは、どうしてなのか謎でもあります。技能試験でなら分かるのですが。

免許も取得して、これから無線を始める人にアドバイスしてみようかと思ったのですが、現代は選択肢が多過ぎて、オススメがパッと思いつきません。
自分が免許を取得した80年代前半ですと、初心者には50MHzがオススメとされていました。
実際、自分も50MHzのFMから始めていまして。
当時のリグはHF帯、50MHzだけ、144MHzだけ、430MHzだけしか出られないモデルがほとんどで。そんな中で50MHzは運用している局も多く、アンテナが小さくて済むわりにコンディションが良ければかなり遠くへ飛んでくれて。
現在のリグはHF~430MHzまで一台で対応出来る機種が幾つもあり。まして、50MHzのFMは利用者も減った様子で、基本的にガラガラで。交信相手が居ないのではそれこそ話にならずで。

そんなワケで、リグについてはオールバンド・オールモード機の一択になりそうです。
後はアンテナです。これもオールバンド系が取り敢えずオススメでしょうか。
性能面はモノバンドのアンテナに劣るのですが、とりあえず様々なバンドの特徴を実感してみるには一本持っておいて損しません。
50、144、430MHzの電波も乗せられるのがほとんどですが、問題はHF帯です。
7、21、28MHzは是非とも押さえておきたいです。プラスアルファで18MHzも出れると良いのですが。
集合住宅で使われる場合はベランダ設置のアンテナが大前提となりそうです。個人的なオススメは多バンドなV型ダイポールです。最初の調整はけっこう面倒ですが、アースを気にしなくて良いのはかなりのメリットです。

電源やSWR計といった設備まで含めると、開局までに最低でも20万円くらいは掛かってしまいそうです。
V/UHFの安いハンディ機だけでも開局は可能ですが、電波の届く範囲が限られるので、直ぐに飽きてしまうと思います。勿論、一台くらいは持っていても損はしませんが、最初の一台としてはオススメ出来ずです。
あと、現在流行りのFT8を運用するにはSSBモードが使える無線機でないと対応出来無いので、その点も留意が必要です。V/UHFのFM専用機では使えません。

そして、どのモードを中心に運用するかです。
正直、現在の自分はFT8ばかり利用しています。しかし、ニューカマーの人には音声通信の楽しさも知ってほしく。
以前にも綴りましたが、FMやSSB、AMの特性も経験しておいてほしく。混信した時のFMは使い物にならないといった特性です。
AMやFMの音質の違いは市販のラジオでも経験出来ますが、SSBは趣味や業務で使っている人くらいしか聴いたことが無いでしょうし。

自分が利用しているFT-857DMはセール中の場面で七万円もしなかった記憶です。これでHF~430MHzまで出られて。後継機は50MHzまでしか出られず、ちょっと残念な仕様に。
857がまだ発売されていたら、価格も含めてオススメでした。
中古品も出回っているのですが、これが当時の新品の価格より高かったりで、そこまでしての購入はオススメしません。

アンテナの調整等、運用準備が整って初めての交信な場面は、清水の舞台な覚悟が必要そうです。
可能であれば、最初は音声通信をオススメします。基本の部分になると思いますので。
FT8は環境を整えるまでがちょっと面倒だったり、交信方法というかソフトの使い方も最初はワケが判らないと思います。
現代であれば、SNS等でOM(無線の先輩)さんと知り合いになって、1stQSOの相手をしてもらうのもアリかと思います。
自分もFT8で初めて交信した際は失敗が多く。ドジを繰り返して使い慣れた部分はありました。
FT8の場合はコールサインやシグナルレポートの定型文の交換でしかなく「ニューカマーだから解ってなくてすみません」といった言い訳も伝えられずでして。

選択肢が多いこの時代の第一歩は、ある面気の毒にも思えます。
無線に限った問題では無いのですが。
世の中がこんなに複雑になる前に生まれてきて助かったとも思えたりです。

コメント