アパマンハムでアフリカ

アパマンハムでアフリカとの交信は実際難しかったです。
数日前の南アフリカとの交信はFT8といえども奇跡的としか言いようがなく。
この件について検索してみたところ、知恵袋で興味深い記事が。

ともかく、アフリカでアマチュア無線家は少ないようです。アフリカの局が登場しても、比較的近いヨーロッパや中東の局に持っていかれてしまうそうで。
また、電力事情が悪い土地柄なので、送信出力が大きな局も少ないそうで。

実際、自分がカメルーンへ出張した際も停電は頻繁でした。大雨のタイミングは必ずでしたし、どうでもよいタイミングでも突然停電が。
特殊な分析装置の据付と取説で伺った旅でしたが、UPSが無ければ装置もPCも異常終了で壊れてもおかしくなく。停電してUPSがブザーを鳴らし出したら、ともかく正常終了に持って行くのに必死で。
あの環境では100W未満の出力が精一杯なのかも知れません。ただ、出力ばかり大きくても受信が弱ければ結果的に交信など成立しないのですが。
勿論、立派なアンテナを備えていればリグよりもアドバンテージが上がるとは思います。しかし、アフリカの局を検索しても、立派と思えるアンテナは少なかったです。
アパマンハムでDXとの交信が成立する際、相手のアンテナの性能やロケーションに助けられた場面が自分は多く。

FT8やFT4といったデジタル通信で特にアパマンハムな方がアフリカと繋がる可能性は限りなく低いのですけれど、ゼロでは無いです。結果的に自分も繋がったので。
他の大陸とは幾度も繋がったのに、アフリカだけ繋がらない方へのアドバイスみたいなのを伝えるとしたら。

アフリカの局が一瞬でも聴こえたのなら、こちらの信号が届く可能性が高いので、ともかく呼んでみる。何度も呼んでみる。
pskreporterをチェックしてみると、聴こえる率より届いている率の方が高かったりですし。
pskreporterで届いているのが運良く確認出来たら、Tx1は省略して、ともかくシグナルレポートを送り続ける。
シグナルレポートの応答が一度でも届いたのなら、73系の信号を何度も送る。(一度だけでは届いていないかも知れず)
相手からの73系の信号が届かなくても、相手が送っていれば交信完了となっているので、ADFファイルは生成されている。
自分の場合はこのパターンでeQSLがちゃんと届きました。相手から届いた信号はシグナルレポートだけでしたが。
これはちょっとズルい手法かも知れません。しかし、FT8はシグナルレポートの交換が主で、位置情報など後から検索可能ですし、73などお別れの挨拶でしか無いとも思えますし。
また、最悪のシグナルレポートだったとしても、繋がったか否かの違いが重要で、むしろ-20dbで繋がった感動の方が大きかったりです。
特にDXの場合は送受信のタイミングによってコンディションに依る違いが大きく。

7~28MHzの主要なHF帯でアンテナチューナーを未使用でもSWRが1.5以下になるアンテナを自分は利用しています。7、18、21、28MHz帯です。
特にローバンドな7MHzは短縮率が高いのでSWRもやや高めでディップの幅も極端に狭いです。
しかし、他のバンドはほぼフルサイズです。
要はアンテナチューナーを用いなくてもSWRが低いことが重要で。少ないロスでアンテナからちゃんと出力されているかです。
短縮コイルが入っていればエレメント長も短くなった分、送受信の性能が落ちるとは思います。しかし、アンテナからちゃんと出力されていれば、相手に届く可能性は高く。
それなりの現代風なリグをご利用であれば、リグ内蔵のATUでSWRそのものは下がるのですが、ATUを使わない状況でのSWRはかなり意識すべきかと。
SWRが低ければ受信感度が上がるメリットも勿論ありますが、ATUで無理矢理下げたSWR下では、アンテナから電波がほとんど出ていなかったりです。

あとは、タイミングです。
季節や時間帯やバンドによって、繋がりやすいタイミングがあります。
例えばお日様の出始めた時刻の21MHzでは北米が繋がりやすかったり、7MHzはその逆であったり。
しかし、繋がりやすいタイミングでアフリカが聴こえたとしても、凄まじいパイルでアパマンが勝てる可能性は低く。
妙なタイミングの異常伝送でたまたま聴こえるタイミングが重要です。ライバルも少なく。
自分はそれで何とか繋がった次第です。
要は、どうせ無理だろうけれどな時間帯でも、マメにワッチし続けることでしょうか。
また、私が繋がったのは日本時間の深夜零時頃の18MHzででした。その日の太陽活動は低く、コンディションも悪いくらいでした。入感局も1度のデコードで3局未満だった記憶です。

フィルターを使うのも重要です。
特に他の作業をしながら(Blogを綴っている等)、横目でFT8の画面をチェックしている際など、ターゲットではないエリアの信号など除外したく。
便利ソフトな「JTAlert for WSJT-X」では、フィルター機能があり、大陸単位で表示するか否かの選択が大雑把に可能です。
近くて広大なAsiaのフィルターで除外するだけで、表示されるDXの精度は一気に高まります。
自分の場合は、これでたまたま見慣れないコールサインの表示に気付きました。
オマケ程度で立ち上げていたFT8なソフトの画面にアフリカの局が表示された時点で、主役が変わった感です。
何の期待も無い空き時間の片隅で始まりました。
結果的に狙って出来るものでは無かった感です。突然ポッと現れまして。

あと、eQSLの参加は必須です。
何を持って交信完了したかの目安になります。
相手がマメにQRZ.comのログを更新しているなど逆にレアでして。あれはあくまでも自局のProfileを公開している程度かもで。
自分の場合は交信か成立したかな?と思ったタイミングでeQSLが届いていました。
また、eQSLの情報ではリグがFT-857を利用されていて。自分と同じリグですし、HFに出られる最も安い機種で。
住所からGoogleのストリートビューでアンテナ環境を確認したところ、電柱程度の高さにノンビームなアンテナらしく。
やはり、大した設備では無かったです。逆にこれがまた嬉しく。
日本の安いリグがこんな遠くでも活躍しているんだなぁと。

余談です。
FT-857については、安さと万能度で相当売れた様子です。とても息の長いモデルでしたし。
また、カタログ上でもヘビーデューティーさを訴える写真が掲載されていて。トヨタのFJクルーザーに搭載されていた記憶です。
乗用車のダッシュボード周りなど、夏場はとんでもない温度になりますし、そんな劣悪な環境での使用を前提としているので、頑丈さというか丈夫さは実際高いと思っています。
自分のFT-857は自宅専用で使っていまして、十年間故障知らずです。運良く保証認定もまだ続いています。
既にオワコン(生産終了)な機種ですが、後継機に近いモデルはHFしか出れませんし、これが残念で。
実際、オークションでも当時の販売価格より高く取引されていたりです。
個人的には、FT-857の受信性能も問題は無く、一桁値段の違うモデルと極端な差は無さそうに思っています。
ローカル局が使用中のFT-991は多機能でUSBポートまで実装していたので、羨ましくもあったのですが、無線機として必要最低限の性能はFT-857も持っている感です。
ちなみに、アナログなVFOを搭載していたFT-707というHF機を中高生時代に利用していました。この機種はハズレだったのか使用開始から一年程度で壊れています。それも二度も。
精密機器だから、こんなモノかと諦めていました。
それを思い出すと、こんなにコンパクトで柔軟性のあるFT-857は、既にオワコンでも夢の様なリグです。下手な軍事用途の通信機より丈夫かも知れず。

話を戻しまして。
夏場の28MHzといったハイバンドのHF帯であれば、アフリカも繋がりやすいとOMさんから伺っていました。
自分がFT8を始めたのは昨年の12月初旬頃からで、まだ夏場のコンディションを知りません。
なので、ひょっとしたらあと数ヶ月でもっと簡単に交信可能になるかも知れません。ただ、パイルは避けられないだろうなぁと。
あと、上級資格でないと利用出来ない14MHzはコンディションに左右されず万能にDXが可能だとは思います。
しかし、コンディションの良いタイミングの他のバンドの方が飛びやすいとも思っています。

実際のところ、集合住宅で100W以上の出力は無理があると思っています。
3アマ50Wの自宅でも、障害が全く無いワケではありません。21MHzで50Wの送信時はPCのキーボードがフリーズしたり、VDSLの回線が遮断されたり。(VDSLが使用する周波数は無線のHF帯とモロに重なっています)
そのタイミングで飛ぶバンドは、むしろ偏った周波数だったりです。
4アマの10Wでは厳しいと思いますが、3アマの50Wというのは実用範囲でアパマンに十分な出力かと。

FT8は大人気で月刊誌でも特集が組まれると売れる傾向です。
結果的に新たな利用者も増えていて、休日の人気バンドは送信出来そうな隙間さえ無かったりです。
数ヶ月試した経験上ですと、パンクしかかっているFT8から空いているFT4の方に人がジワジワ流れている様子です。JT65が衰退したのと逆の現象というか。
混みを避けたい方が集まってくるのは目に見えているので、ガラガラなFT4のワッチがオススメかも知れません。

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