7MHzのアンテナ製作

昨日のことですが、7MHzのアンテナを作ってみました。
50MHzのダイポールアンテナの先にトラップコイルを付け、その先のエレメントを7MHzにするという仕様です。
他にも21MHzのエレメントが同じバランから伸びていて、これとだいたい同じくらいの長さになれば良いなと。
上手く行けば、3バンド仕様のダイポールになります。

7/50MHzのエレメントは片側でトータル4.4mとしました。内側は1.4mで外側は3m。
間に必要なトラップコイルは計算上20μHだそうです。便利なことに必要なインダクタンスを計算してくれるサイトがありまして。
更に、そのサイトでは空芯コイルの計算までしてくれます。
28mm径の筒に0.4mm径のエナメル線を24巻すればだいたい20μHになるそうで。
出来上がったコイルをNanoVNAで測ろうとしたのですが、ちょっと測り方が分からず。とりあえずZを測れる画面にし、ローカルさんからお借りしたループの中にコイルを入れたところ、33MHzにピークが出ました。
この33MHzが何を意味しているのか不明で。コンデンサーを並列に入れていれば共振周波数になるのでしょうが、この筒が持つ固有の静電容量と共振してしまったのかな?
ともかく、せっかくのNanoVNAを使い切れておらず。アンテナアナライザーとしては大活躍だったのですが。

ここから先は見切り発車で、同じコイルをもう一つ作ってみたところ、これも何故か33MHzにピークが。
とりあえず、同じ物が出来たのには間違い無さそうです。

そして、日暮れを過ぎた暗い庭で50MHzのエレメントの先に今回のトラップコイルと3mのエレメントを追加。
ダイポールなので2つの作業が必要でしたが、仮の姿なので15分ほどで完了。

部屋に戻り、NanoVNAでアンテナの同調具合を確認したところ、驚いたことに7.0MHzで見事に同調していました。
中心周波数のSWR自体は1.8程でやや高めでしたが、十分実用範囲です。
容量不明のコイルだったのですが、結果的にドンピシャでした。間の計算式を抜かして答えを出したようなもので。
ともかく、驚きました。

その後に中心周波数をFT8向けの僅かに上の周波数に合わせ、リグに接続。沢山の局が聴こえてきます。
試しに合衆国の局に応答を入れたところ、一発で取って頂けました。これにも驚きでした。
リグの簡易SWR計ではかなり低いSWRでしたので、十分に使い物になります。
7、21、50MHzに無調性で電波を出せる状態になったので、手動のアンテナチューナーはバイパスすることに。
このアンテナチューナーCAT300は立派なSWR計も付いているのですが、アンテナ側が十分に調整されていれば不要ですし電力ロスにしかなりません。

ともかく、切替や調整不要でいきなり電波が出せる環境はかなり楽です。
今回、エレメントを追加したことにより50MHzの中心周波数が下にズレてしまったのですが、それでもまだ使える範囲内ですし、後ほど調整予定です。

尚、小さな庭で目立たないアンテナを目標に制作したので、コイルの線材は0.4mmと細いのですが、50W未満の連続運用では問題無さそうでした。
連続送信後にコイルに触れたところ、特に熱を持っておらず。
また、強度的にはギリギリのプラスチックの筒を利用しています。百均で売っていた化粧品入れの容器を加工しました。サイズ的には昔の35mmフィルムのケースに近いです。

他にも小さなねじ類が必要でしたが、ローカル局さんにお裾分け頂き。
あと、プラスチック容器の両サイドをカットして下さったのもローカル局さん。中途半端に密閉されたままの容器では逆に水が溜ってしまい、ぶった切った方が軽くもなり。
更に、NanoVNAの測定で必要なSMAのループアンテナもローカル局さんからお借りしたものです。
今回の結果はローカル局さんも喜ばれていました。まさかここまで計算通りになるとは。

プラスチックの容器は3つ入って100円。4.2mほどしか使いませんでしたが、10mのエナメル線は150円くらい。
他の材料を買ったにしても1セットで400円程度で済んだトラップコイルです。
ともかく、ローカル局さんには今回もお世話になってしまいました。
追加した3mのエレメントは大昔に購入した電源ケーブルで、幾らしたのかも覚えていませんが、m辺り100円程度だったかと。

アマチュア無線で素人が手出し出来る領域は、もはやアンテナくらいしか無いのでは?と思っています。
リグを作るとかは、スプリアスの問題も厳しく相当な苦労がありそうですし。(それもやってみたいのですが)
今回も活躍してくれたNanoVNAですが、アンテナアナライザー以外の使い方もちゃんとマスターしておきたいです。

追記:
次の記事に綴ったのですが、0.4mmのエナメル線では細かった様です。他の方のBlogを参照したところ、50Wでも1.0mmは必要そうでした。
今朝の雨で7MHzの中心周波数が7.07から6.89MHzまで下がってしまい、試しにエレメントを短く調整し元の周波数に合わせました。
その後テストで50Wの送信を数十秒かけたところ、コイルは暖まったのか水分も飛び始めた様子でSWRはみるみる上がり出し。
NanoVNAでアンテナを測定してみると、中心周波数はかなり上がっていました。

危険なレベルの熱だったのかは不明ですが、熱を発していたことに違いは無く。
防水性をほとんど意識していなかった設計なので、この様な挙動になってしまい、結果的に熱の問題が判明して助かった感です。
極端な話、対電力性が悪いとコイルは電熱器になりかねず。また、送信電力の多くが熱になってしまいます。
FT8の様な15秒間隔の送信ではまだ使えるのかも知れませんが、1mmほどのエナメル線が必要そうです。
ずっと晴れていたら、気付かなかった問題でした。

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