アクティブなハム

アンテナ環境がかなりマシになった自宅の無線環境、空のコンディションによってはそれなりに他局の交信も聴こえるようになりました。
アンテナを入れ替える前までは、よほどコンディションが良くないとほとんど聴こえなかったので、大きな進歩かと。
上記はHF帯の話ですが。

144や430MHzもアンテナをマシにして、筑波山レピーターも常時聴こえる様になりました。
しかし、交信している局がほとんど聴こえません。
自分が学生だった三十年以上前は、空いているチャンネルというか周波数の方が少ない日もあったのに。
それから二十年程ブランクがありましたが、十年前の再開局時は人が減ったものの、まだ更新している局はそれなりにありました。
一般人の方や、タクシーの運ちゃんや、トラックの運ちゃん等。
特に運ちゃんの会話は世相を反映している内容もあったりで、色々と勉強になったりでした。

更に六年前にこの家に引越してから、僅かながらも交信している局は常時一局くらいあったものでした。
それがほぼ消えてしまった様子です。

HamLifeさんの記事によると「アマチュア局は、1995年3月末に過去最高の136万4,316局を記録したピークから増減を繰り返し、ピーク後に最高となった2016年3月末の43万6,389局から、現在も“ピーク後最低局数”を更新し続けている。ピーク後に最高となった43万6,389局から57か月間で47,329局減少したことになる」とのこと。
ピーク時の1/3くらいまで局数が減ったらしいのですが、体感的には一桁以上減った感覚です。
設備や免許を持っていても、使っていない人が増えたのかなぁと。
コロナ禍で自宅で出来る趣味としてアマチュア無線が少し人気を取り戻してきたとのニュース記事も観たのですが、ほんまかいな?な状況です。

145MHzのホームチャンネルを一時間聴いていても、全く何も聴こえてこないですし。
430MHzは筑波山レピーターを聴いていればそれなりに交信が聴こえてくるのですが、これはかなり高域なレピーターです。逆にここくらいしか何も聴こえないというか。

漱石の三四郎では散歩の途中で見掛けた乞食の話題が登場していました。こんな賑やかな場所で乞食をしているより、人里離れた山奥で乞食をしていた方が少しは相手にしてもらえるかもといった。
例えとして合っていないかも知れませんが、ちょっと似たような状況というか。
ともかく人が減ってしまいましたし、聴こえている局があれば、そのまま耳を傾けてしまうというか。
まぁ、そういう自分もCQを出さなくなってから何年も経っていまして。耳を傾けている人はそれなりに残っているのかな?

HF帯については、ワッチしていると「ヒュイーン」とった音が時々聴こえてきます。音程が上がる方向だったり下がる方向だったり。
これはSWRの調整中で搬送波を乗せながら周波数を移動している作業だと思えます。自分も調整する際に使う技です。
人が全く居ないワケでもないんだなぁと。

まぁ、若者には人気が無くお年寄りだらけの趣味の一つではあります。
クラブ局の写真など観ても、御達者倶楽部に近い印象で。
自分が子供だった頃は、若者に人気な趣味の一つで「趣味の王様」とまで言われていたハズなのですが。
日本が技術立国として元気の良かった時代は、電気や電子以外のエンジニアでもアマチュア無線をやっていた方が多かった様子です。
自分の場合は子供の頃にアマチュア無線に触れられたお陰で、電気や電子、通信の知識が増えて、大学もその方面に進んだりで。

特に携帯電話やインターネットが普及してからは、若者の趣味というより通信手段はそっちに移ってしまった様子です。
そういえば、自分が無線機に一番触れていた時代は、仲の良い友人と無料で会話出来るというメリットも感じていました。
当時は定額制の通信手段など無かったですし。
通信の手段としても、他の方が魅力を増してしまったとも思えます。特にアマチュア無線の場合は初期投資が大きい傾向もありますし。

自分がアマチュア無線を再開した理由の一つは、非常時に使える通信手段でした。
東日本大震災で、携帯が全く使えない状況に陥った中、被害の大きかった地域では無線家が活躍されたそうで。
そんな理由で再開したものの、非常用のバッテリーを所有しておらず。これでは停電してしまったらどうにもならずで。

当初入手したリグはFT-817というポータブル機で、内蔵バッテリーで短時間の運用は可能だったものの、これが一時間も使えないシロモノでした。出力も自宅で使うには貧弱な5W程度。
小型の発電機か車のバッテリーでも使わないと、それなりの時間の運用は難しいだろうなぁと。しかし、外で使うには重すぎて。
持ち出せる外部電源の問題がここ十年の課題でもあったのですが、最近ちょっと閃きました。
モバイルバッテリーのモデルによっては12V出力出来るモノも増えてきたそうで。容量もソコソコあり、値段も手が届きやすく。
機会があれば、これを使ってみようかと思っています。六時間くらい連続運用できれば、十分実用的に思えます。

話が飛び過ぎてちょっと恥ずかしい記事になってしまいました。またしてもダラダラ綴ってしまい。
ハンディ機、十分な容量の外部バッテリー、簡易的なアンテナ、使いやすいSWR測定器、小型のアンテナチューナー。
これだけ揃っていればロケーションの良い環境での移動運用も面白そうです。バッテリーとアンテナ以外はほぼ揃っていますし。
次はこれで行ってみようかな。非常時も役立ちそうですし。

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