初めて購入したCD

自分はLPといったアナログ盤をほとんど所有していません。学生時代、どれも高価でしたし月のお小遣いで購入できるシロモノでは無くて。
ただ、高校に入学した頃にCDという新しいメディアが登場し、これなら購入しても良いかな?と。
というのも、アナログ盤は音飛びとかヒスノイズがどうしても気になってしまい。聴き込むほどに劣化する傾向もあり。
非接触なCDはそれが無いらしく、音はずっとクリアなまま。

CDの値段は当初3500円くらいでした。まぁ高校生にしたら高い買い物です。
これも、自分がアルバイトをし始めたら気になる作品が幾らでも購入できるようになり。
自分の身の回りでそれを再生する装置を持っているのは少なく、実際当時はCDプレーヤー単体で安くても五万円はして。
まぁこれもアルバイトでどうにかなりました。

そして初めて入手したCDがMilesのYou’re Under ArrestとWynton MarsalisのHot House Flowers。
どちらも当時は新譜でした。同じくジャズなジャンルのトランペット主体な演奏ですが、全く別物というか。デジタル録音で、恐ろしく音は良かったです。
Milesのアルバムは半分理解できませんでした。これがジャズなの?と。ほとんどロックみたいなものだよなぁと。
タイトル曲のフレーズから言って、強引過ぎるというか。しかし恐ろしく高速で、スピード違反レベル。

一発で理解できないアルバムだったですし、せっかく購入したCDだったので、何度も聴き返したものでした。
当時同世代で流行っていた音楽とは全く別次元で、俗に染まった方が自分も良かったのかなぁと。
それから三十五年以上経ち、現在では慣れた心境です。やっと耳が追い付いたというか、Milesはかなり先を歩んでいたんだなぁと。
当時のライブ映像で、色々考えさせられまして。

まずベースのDarryl Jones。
スタジオ録音でもクールな演奏でした。無機質でデジタルな演奏でありながらカッコよく。
自分もベースを弾いたりするのですが、あのスピードでは力みがちで。それを永遠と続けたら途中で必ずバテます。
どんな楽器にしても、力んだ演奏は駄目だと思います。すぐに壁にぶち当たります。自分も幾つかの楽器でその癖が抜けずにジレンマで。(なので、楽器の練習の初期程プロに教わるのが良いのかなぁと思っています。変な癖が付かず)
上記のライブ映像を観ると、ダリルさんも最初は余裕しゃくしゃくなクールさを醸し出しているのですが、ひたすら同じフレーズをあの速度で繰り返していると、やはり力む様でした。
ただ、あの速度ではやはり仕方ないのかも知れません。普通、あんなの弾けないでしょうし。

少し後になりますが、大学時代ののMilesのライブは楽器を扱う音楽仲間の間でも見物でした。
Miles自身の演奏は自由奔放だと思います。しかし、それをバランスよく成立させるのにはサイドメンのしっかりした演奏が必要そうで。
伴奏無しでMilesを聴いたら、何じゃこりゃ?となりかねないかと。
なので、特にLiveでのMilesはサイドメンへの虐めに近い場面も多く。ちょっとでも音を外すと睨みつけたり。当然、高速なリズムに乗り遅れるのも許さなかったかと。
Milesは大昔からライブほどスタジオ盤より高速になりがちで。モノによっては同じ曲と思えない程の速さで、リズム陣もオリジナルのフレーズから音を抜くのもありました。
大学時代の年末年始に転がり込んでいた友人の家では、そんな映像を楽しんでいました。友人の兄弟は青学の軽音でカシオペアのコピーバンドをやっていたり。お洒落な連中で。
その友人、現在が何をやっているかというといわゆる「大人の玩具」の製造に関わっています。設計から製造、デザインまで関わっているそうで。
奴の家はその辺とても自由でした。当時から。

人が将来どうなるのか何て分かりませんが、性風俗産業は古代の遺跡からも発掘されていて、恐らく潰れない分野の一つかと思われます。
ただ、そのジャンルの一部も今回の新型コロナではダメージあるんだろうなぁと。
音楽の仕事が無く、儲かるらしいと試しにアルバイトで参入してみたらボロ儲けだったそうで、本来持っていたデザインのセンスが買われてトントン拍子。現在は経営者らしく。
数十年前に自分も誘われたりしたのですが、恐らく身内が猛反対するだろうなぁでテキトーに逃げていて。
新型コロナが片付いた後は、仕事のやりかたとか大きく変わるんだろうなぁと思っています。それまでの価値観も変わりそうで。
妙な〆になってしまいました。

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