80年代のCM

ふと、渡辺貞夫さんのCMソングを思い出しました。フレーズがトロピカルな曲、タイトルを知らず。
検索してみたところ、あっけなく判明。
ランデブーという曲名でした。しかし、自分の記憶というのはどうにも妙なのばかりで、勉強や試験にほとんど活かせなかったのが残念です。

ランデブーというと以前にレイチェル・チャンさんの同名のラジオ番組が大好きでした。世界の土地にちなんだ曲を紹介される番組、初めて聴く曲も多く、時々自分にヒットしたり。
そのランデブー(RENDEZVOUS)というスペルがまた罪で。こんなの発音できないし書けないし。フランス語が語源らしく。

で、渡辺貞夫さんのランデブーをちゃんと聴いてみたく検索したところ、更に発見がありました。このライブ映像なのですが、サイドメンの皆さんが超一流で。
特に自分はDonald FagenさんのThe Night Flyというアルバムのラストに収まるWalk Between Raindropsが大好きで。ジャズ喫茶である吉祥寺のFunkyにも何故かこのアルバムが置いてあって、幾度かこの曲をリクエストしてみたものでした。
その曲のベースラインがまた素敵で自分はWill Leeさんを知った次第なのですが、上記の渡辺さんのライブにも参加されていて。演奏しながら嬉しそうにピョンピョン跳ねていたり。
Will Leeさんを検索したところ、音楽性以外にも人間性が素晴らしいらしく、世界から引っ張りだこの演奏家でもあるらしく。なんだか、このライブを観ているだけでも楽しくなってしまい。
ベーシストとして天才肌だったJaco Pastoriusのステージアクションも楽しかったですが、晩年はもう人として壊れてしまっていて、屋外ライブの途中で花壇にダイブしたり顔に泥をを塗ったりで滅茶苦茶だったそうで。

80年代当時のCMを思い出すと日野照正さんもよく登場していたよなぁと。当時のベスト盤は自分も高校生時代に入手して聴き込んでいました。
テレビ番組でも日本のジャズミュージシャンが登場する場面が多かった記憶です。
ただ、自分は日本のジャズをあまり聴いていなくて。日野照正さんも何かのトーク番組で漏らしていたのですが「どうせ聴くなら本場アメリカのジャズを聴きたくなっちゃいますよネ」というのが、非常に正直で自分も正しくでした。

大学時代に日本橋の三越でアルバイトしていた友人から松本英彦のコンサートに誘われたことがありました。何かのトラブルでチケットが大量に余ってしまったそうで。
松本英彦さんというと大昔の日本のジャズブームでアイドルだった方。まぁソレっぽい演奏をされるのかと大して期待せずに伺いました。客席もお年寄りばかり。
しかし、いざ演奏が始まると度肝抜かれました。上手過ぎです。サイドメンの演奏がまた素晴らしく。
途中の小休憩の間にピアノの紳士がソロでリクエストを募っていたのですが、試しに手を挙げてリクエストしたモリタートを演奏してくれて。曲名によっては怒られてしまった方もいたので、ちょっとシビアな場面でもありました。
そのピアノが前田憲男さん。以前にも記事にしましたが、大瀧詠一さんのアルバムにも参加していたり、天才的なピアニストです。音楽もピアノも独学だったらしく。
まぁ、ともかく食わず嫌いは良くないなぁとか、日本のジャズを甘く見てはいけないなぁとか色々と考えさせられました。
自分は人付き合いが悪いのも認識しているのですが、コイツは面白いと思ったらかなりドアホな誘いにも乗る場面があり。むしろ、そのドアホさを楽しんでいまして。
通っていた夜間大学も教科によっては出席点重視でしたが、突然誘われるコンサートやイベントでは天秤に掛けずに乗ったりでした。
Bob Jamesさんの渋谷公会堂でのコンサートとか、どれもただ乗りなのばかりで。あれは満席だったのにチケットが何故ただで手に入ったのか未だ謎です。
ともかく、そんなに多くなかった当時の友人達には感謝しています。皆利他的でした。色々とキッカケの多い東京に出てきた甲斐もありました。

そういえば、当時に比べると最近はジャズ系の番組が皆無かなぁと。バブルの頃まではCMにもディープな選曲が多かったのですが。
80年代に来日されたDavid Fosterさんの記事を新聞のコラムで当時読んでいたのですが、日本の文化に驚かされた一つにBill Evansの古い楽曲がCMに使われていた点にあったそうで。確かに、今思うとかなり拘りとかリッチな何かがあった感です。
現代は日本人に余裕が無くなった表れでもあるのかなぁと勝手に思ったりで。実際、大して美味しくない蕎麦屋でもBGMにジャズが流れているとちと高級な雰囲気になったりで。
80年代でもジャズなんて半分葬り去られたジャンルではありました。といいつつ、自分は高校時代からそればっかり聴いています。
特にアドリブで凄まじいフレーズを奏でる方は凄いなぁと。どうやってそのフレーズを思いついたのか気になったり。
ただ、ジャズ系の人は短命に終わるというか破滅型な方も多く。北大で軽音に所属していた兄の演奏を観に、自分はクラーク会館へ幾度か伺っていました。兄曰く、糞真面目な奴ほど案外ヘビーメタルが好きだったりと。
自分はヘビーメタルというジャンルに全然興味ないのですが、あれは普段余程フラストレーションが溜まっている方向けの音楽なのかなぁと。
自分でも相当な偏見が入っていると理解してはいるのですけれど。

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