煙草と女性の目

年末年始にかけて、元の職場で不幸が続いているらしく。
ナッツアレルギーで倒れた同僚は心肺停止になりかけたり、単車でコケた同僚は鎖骨が砕けたり、愛煙家で高血圧だった同僚は脳出血で他界したり。
自分も庭の剪定でノコギリが指に刺さったり脚立から落下したりでしたが、三週間で痛みもほぼ無くなりました。
脳出血で他界した同僚のことで、自分もそろそろ煙草をやめなければとは思っているのですが、あと一歩キッカケがほしいところ。

しばらく前に某所で常連客の女性と再会した際、いきなり指摘されました。
「えっわかばに替えたの?」

「わかば」とは安い煙草の銘柄で、自分も元々印象が良くなかったのです。それまでは十年以上マイルドセブン系のメビウス派でした。
昨年の煙草の値上げ頃、ゴールデンバッドが消滅するとのニュースで試しにソレを入手してみたところ、昔に比べて吸いやすくなっていました。
日本の煙草は海外に比べると割安で、やっと追いついてきたのかなぁとも。合衆国では20年前の時点で1箱5ドルはしていた記憶ですから。

ゴールデンバッドも安煙草の代名詞で、昔は両切りで味もキツく。でも、江戸川乱歩的なエキゾチックなパッケージは文学青年っぽくもあり。
久し振りのゴールデンバッドはフィルターも入り随分とマイルドな味わい。これで充分じゃんと、しばらく銘柄を替えていたのですが、あっという間に製造中止。
ゴールデンバッドが無くなる代わりにわかばがリニューアルとのことで頂いてみると、これがまた悪くなく、そのまま落ち着いてしまった流れでした。
わかばは労働者階級のイメージそのものでしたが、パッケージも随分とシックになっていました。

しかし、あの女性はよくそんな点に気付いたなぁと。
でも、思い返してみると女性は煙草に関して鋭い目を持っているようでもあり。

自分、煙草は少し味わえれば良い頂き方なので、根元まで吸うようなことがほとんど無く、もう吸い終わったの?とか勿体ないと指摘されることがしばしばで。
母からは「ケチ臭くない吸い方」と大昔に褒められたなぁと。母は接客商売の経験もあったので、そういった部分が気になるのかなぁと。

三十代の終わり頃まで、自分はセブンスター派でした。セブンスターはニコチンとかの濃度がかなり高めで、海外の滞在が長い場面では強めの煙草の方が持ちが良く、それ以来セブンスターで固まっていた感です。
しかし、下町の同世代から合コンの誘いがあった際、同席の女性から指摘されました。
「セブンスターは体臭がキツくなるから替えた方がいいよ」と。
確かに、自分でも加齢臭が気になっていた時期でもありました。その場面で実際に臭っていたのか分かりませんが、鋭い指摘ながらその言い回しに気配りを感じたり。
そんな流れで十年以上マイルドセブンだったのでした。

おかしなところでは、長い指がいやらしいとの指摘も頂いたり。これは持って生まれたものだから仕方なく。
現在頂いているわかばの写真も載せておきますが、見た目は悪くないと思うんですよ。まぁ印象は悪いんだろうなぁと。

以前に見掛けた文章でちとハッとするフレーズがありました。
とても綺麗な女性なのに、手書きの文字が相当な汚さ。それを指摘されてさらりと「そうかしら」と。
自分だと、こんな場面では多かれ少なかれ動揺してしまうと思うんです。自分もこうありたく。

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