縁起物

ここ数年、大塚家具のニュースが時々登場しています。昨日もでした。
創業者の娘さんに対する批判記事が多いようです。その娘さんは自分とほぼ同い年で、見た目は綺麗だったので、気になるニュースでした。(見た目だけでなく教養もあり)
実際、綺麗だったという過去形です。加齢も手伝っていますが、表情がけわしくなっていて。何だか勿体ない歳の重ね方だなぁと。
経営が上手く行っていたら、容姿もこうならなかったのかもと思いつつです。

世の中、時代の流れで変わったのかも知れませんが、昔は「家具が縁起物」な一面があったと思います。
実家には手の込んだ家具が残っていて、幾度かの引越しでも手放さないでいました。年季が入ってしまった家具ですが、かなり拘った一品物のようでした。
それは母の嫁入り道具だったそうです。

子供の頃に新婚ホヤホヤのおじさんの家に遊びに行くと、家はかなり古い借家で年季が入っていたものの、家具だけはやたらと立派でした。
これも嫁入り道具だったと思うのですが、新しい畳とこの新しい家具は内装を引き立てていた記憶です。

自分の幼少期は母子家庭だったので、母方の親戚しか付き合いがありませんでした。
母方の家系は明治から昭和の初期まではけっこう裕福だった様で、地方の市史にもご先祖が登場していたりでした。しかし、母の時代にはごく一般的な生活だったそうです。
ただ、婚礼の際は奮発する仕来りが残っていたのかなぁと思われます。
一般人でも高級家具がもてはやされるのは、こういった目出度いタイミングなのかなぁと。

大塚家具については自分もラジオのCM等で昔から知っていましたし、高級家具のイメージそのものでした。富裕層以外にも「ここぞ」と奮発する庶民も居たんだろうなぁと。
現状は経営者の内紛と売り上げ減で、全く良いイメージが無く。とても縁起ものとは思えず、こんなのを頂いても家に災いを呼んでしまいそうで。
無宗教な自分でも、日本の文化面でそう思えてしまい。

ニュースでは経営面の度重なる失敗が報道されがちですが、先ずは仲直りと言ったイメージ回復が先決に思えて仕方ないです。
安いなりしもソコソコ使えて話題性も集客も衰えていないIKEAの家具の方が、よほど縁起が良さそうで。

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