子供の頃から好きだったホンダのシビックについて、歴代モデルを思い出しつつ。
初代シビックは自分の幼少期から小学生くらいの頃まで販売されていたようです。
小さくて丸っこくて、子供ながら愛嬌を感じるフォルムが好きでした。
社会人になってから、初代シビックに乗っていた年配者のお話を聴いたところ「当時の車はどんどん高級志向になっていた中、シビックは最低限の装備しか無かったんだけど、これで十分じゃんみたいな割きりが良くて、クラウンを狙うようなユーザーも取り込んだんだよ」と。
ほんまかいな?と思える話でもあったのですが、ミニ(当時のオースチンやローバー)を意識した設計だったので、まんざら出鱈目な話でも無さそうです。
あんな小さなミニを買おうとする方は、車のクラス分けをそもそもそれほど意識していなそうで。自分もそのタチです。
Wikiで確認したところ、車重は600kg程度だったようです。パワーはソコソコでしたが軽量小さなボディだったので十分によく走ってくれたのかな。
あと、自動車レースにも参加していた方の意見では「CVCC」という排ガス対策されたエンジンはエンブレがあまり効かなかったとも。
二代目シビック(スーパーシビック)については初代を少し大きくした程度のイメージで、あまり思い出がありません。
オレンジ色の車体が印象的だったのと、ウッド調のサイドパネルなワゴンがアウトドアっぽかったくらいです。
あと、インパネの同心円状なメーターがちょっとカッコ良かったくらいかな。
三代目シビック(ワンダーシビック)は衝撃的でした。
まず、そのフォルムが他のどの車にも似ていなくて。当時は角張ったデザインが流行っていた中、このシビックも角角系だったものの、デザインされていてカッコイイなぁと。
特にリアデザインが未来的でもありました。あの頭上からスパッと切り落とされたデザインです。
空力的にどうなのか分かりませんが極端なファストバックにも伺えて。(リアをスパッと落とすファストバックなデザインの車は空力的に優れているそうです)
まぁ、カッコイイという基準も主観なのですが、中学生だった同世代の皆はスカイラインとかの方に興味があったようです。
自分が大人だったら、これに乗りたいなぁと思わせました。
サッチモの「What a wonderful world」を流したCMも印象的でした。
四代目シビック(グランドシビック)は三代目を少し丸くした程度のイメージでした。
セダンモデルが追加され、社会人になったばかりの頃に仕事で使っていました。
当時の自分はまだペーパードライバーで、乗り味等を語れるレベルではなかったものの、このセダンのエンジンは面白かったです。
緊急対処員の現場に配置された車は大衆車の一番低グレードなマニュアル車ばかりだったものの、このシビックはエンジンが良く回り運転していても楽しくて。
DOHCでも何でもない普通の1.3lエンジンなのに、天井知らずで回ってくれて。
これが上級グレードだったら、どれだけ凄いんだろう?と。
五代目シビック(スポーツシビック)は、デザインがまた大きく変わっています。
大学の卒業が近かった頃に発表されたモデルで、これまたカッコイイなぁと。
やはり、どの車にも似ていなく特にリアデザインが好きでした。絞り込まれたデザインは評論家の徳大寺さんも一時期絶賛していた記事を当時読んでいます。「セクシーな女性のヒップラインの様だ」とか綴っていたかな。
その後、ヨーロッパのホットハッチ系もこのシビックを意識したデザインが多かったとも思っています。
ただ気に入らない部分も一点だけありました。前期モデルの片持ちアームレストです。何故あんな妙なデザインにしたのか理解に苦しみました。それでもあの黄色い車体は特に印象的で。
しかし、後期型のSIR IIはそのアームレストも普通の形状になり、社会人二年目の自分は「これ買うしかない」で現金購入。
車体は170万円程度で、オプションだったエアコンを付けて総額200万円。今思うと良心的な価格だったと思います。ともかく速くて人も荷物も沢山詰めて、カッコ良くて。
パワー的にはもっと速い車がありましたが、これ以上の性能を使い切れるとは思えず。
当時、兄がレガシーのツーリングワゴンに乗っていて、280馬力の車体で成田空港からの帰り道に競争みたいなマネをしたのですが、兄のレガシーは5人家族満載だったのにアッサリとぶち抜かれています。この時はやはりパワーの差ってあるんだなぁと思いました。
海や山、北海道の帰省等々色々な思い出の詰まったシビックでしたが、直線以外でも飛ばすようになってきた自分は幾度か危ない思いをして手放しています。
運転の腕があるとは自分自身思っていなく、飛ばすのは分かり切った道の直線だけと決めていたものの、コーナーでの限界も試したくなっており。
首都高の皇居付近の出口を抜けた後、下り道のコーナーでお濠に飛び込みかけて「これは不味い」となりました。
事故は一度も無かったものの「どんどん回せ」的なエンジンフィールは自制心を試されて。
手放した後は、もう速い車は十分な感でした。
たぶん、ロクな死に方しないだろうで。
CMは「スローなブギにしてくれ」だったな。
六代目シビック(ミラクルシビック)は先代の延長的なデザインでした。
CVTを初搭載だったかで、変速ショックの無い加速がCMでも謳われていて。
自分が先代モデルに乗っていたので、次のモデルはやはり気になっていて。新車スクープ系の雑誌ではテールランプがランチャのインテグラ風になるとの噂でしたが、あそこまで存在感は無かったようです。
タイプRというモデルが設定され、エンジンは更に強化されたようですが、自分にはもう不要な感でした。
まぁ、デザインはシビックらしさを保っていたと思います。
七代目シビック。スマートシビックというサブネームがあったそうです。
発売間もない展示会で実車を確認したのですが「なんだこれは?」でした。
まずはデザインが好きになれず。色々な意見を合わせて平均値で出来上がったような見た目。カレーライスとチョコレートとクリームソーダはどれも美味しいものの、一緒に食べたらゲロの味的な。
車内についてはウオークスルーが可能な程広く、もはやミニバンクラスの快適性だったようです。しかし、シビックでそれを必要とするのか謎。
見慣れればカッコ良く思える時が来る前衛的なモノとも異なり。昔雑誌で読んだスバルのアルシオーネ SVXについての記事を思い出したり。前衛的過ぎるデザインは理解するのに時間が掛かるけれど「可哀想だから俺が買ってやろう」的な考えの人も世の中に居るそうで。
実際、ハッチバックモデルはこの世代から売れなくなったそうです。
「これはもうシビックぢゃないぢゃないか」
八代目シビック。このモデルに至ってはサブネームも確認できず。あったのかどうかも分からず。
起死回生のモデルチェンジを期待したのですが、ハッチバックは廃止され車体も更にデカくなり全車3ナンバー化。
もう、どうでも良い存在になってしまいました。
「シビックは死んだ」
その後のモデルはよく分かりません。思い出も無く。海外専用のモデルになっていた時期も長かったそうで。最新のホットハッチモデルは相当高額な様です。
初代のFitが発表されたとき「これをシビックと名乗ればいいのになぁ」と思った人は多かったようです。それでも初代シビックより全然大きく。
シビックに限らずですが、同じ名前でモデルチェンジを続けた車種は大きくなり過ぎた感です。カローラもそうです。シビックもサニーやファミリアのようにモデル名自体消えた方が良かったのかなぁ。
たまーに古い車を見掛けると、あんなに小さかったんだなぁと哀愁を感じます。
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