一年前に入手したAmazonのFire TV Stickにお世話になるこの頃です。
Prime会員ですと、かなりの数の映画が無料で観れます。観たい映画の何割かは有料ですが、それでも無料の数が半端なく。
ただ、Stickモデルは熱暴走か何かの関係で時々妙なブザー音が出ます。出ないときは出ませんが、出だすと頻繁だったりです。
まぁ、自分は発売当初のセールで二千円での入手でしたし、無料のしか観ていないので、あまり気になりません。
ここのところ時間に余裕があるので、気になっていた作品を色々と物色していました。
欲しい作品はレンタルではなく、DVD等のメディアを購入する派でした。しかし、過去に観て良かったものばかりを選んでいました。(TV放映で途中から見て、気になっていた作品も多いです)
ともかく、ハズレを引くのが嫌だし、何度でも観たい作品であれば購入していました。
ただ、メディアの世代が変わったときが悲しいです。VHSやレーザーディスク等で揃えた方は、ソフトは残っていてもハードが壊れたらオシマイで。
自宅近くにレンタルビデオ店が無い環境が十数年続いていて、それも借りない理由の一つだったかも知れません。
数年前から月額性のネットサービスもありますが、映画を観ない期間が数ヶ月もあるので、自分には向かないかと。
そんな中、最近Fire TV Stickで観た作品を幾つか。
【仁義なき戦い】シリーズ。
Jazz系の雑誌のコラムで、昔の学生がハマった映画の話題等で時々登場した作品でした(網走番外地だったかも)。自分の学生時代から興味ある作品でしたが、観る機会が無く、どんなストーリーなのか謎のままでした。
実際観たところ、なかなか面白かったです。しかし、登場人物が多いわりに脇役クラスは短時間で消されてしまう展開で、一度観ただけでは消化しきれない内容でもありました。
元々の事象を存じている方にはすんなり入る作品なのでしょうか。
【松田優作】系
「暴力教室」「蘇える金狼」「野獣死すべし」の三作品を順番に観ました。
「暴力教室」はGパン刑事を彷彿させる流れでした。先の読める単純なストーリーかと思っていたら、それなりのドンデン返しも待っていていたり。
舘ひろしさんの若かりし頃がなかなか新鮮でもありました。最近TV放映された夏目漱石さんのドラマではお爺さん役にまでなっていて。
「蘇える金狼」「野獣死すべし」は立て続けに観てしまい、どちらもハードボイルドでアバンギャルドな路線だったので、各場面がどっちの作品だったかごちゃ混ぜ気味です。
ティーンの頃に観ても理解できない場面が多かったと思います。まぁ、ぶっ飛んだ作品でした。
【東京物語】
学生時代からずっと気になっていた小津作品の代表格でした。町歩きでも時々話題になった古い東京な作品。
戦後数年経った東京の風景、ここは何処だろう?と思わせる場面が多く。
一般家庭には固定電話も普及しきっていなかったり、急な要件は電報を利用したり。
東海道新幹線の開通前なので、広島東京間の移動は二日間必要だったり。
寝床は煎餅布団が基本だったり。集合住宅のお隣さんから一升瓶を借りたり。
そんな社会の変化とは裏腹に、普遍的な家族の在り方が淡々と。
広島の尾道から上京してきた年老いた両親を東京で暮らす子供達がたらい回しにする展開、なかなか考えさせられました。
一番親切に対応したのは今は亡き息子のお嫁さん。要は赤の他人。
この未亡人がとても綺麗な原節子さん。
伝説の女優として気になっていた原節子さんの演技、ちゃんと観たのは初めてでした。
作品自体、大袈裟な演技を誰にも要求していない様子で、原節子さんも控えめな存在でした。
観ようによっては大根役者なのかも知れませんが、作品の中ではバランス取れていると思えました。
上っ面の良い綺麗ごとばかり並べる女性ではなく、たまには冗談も言えたり、従妹の不満に適切な答えを出せたり、いつも明るいのに本音の弱さを最後に出せたり。素敵な女性でした。
お爺さん役の笠智衆さんは終始穏やかで、こんな年寄りに自分もなりたいなぁと。
原節子さんは昨年、95歳で亡くなられるまで公の場から半世紀遠ざかっていたようです。
四十代前半での引退、誰もの記憶は綺麗な姿のままだったんだろうなぁと。
作品中の「私は歳を取らないから」といった冗談や、「私も歳を重ねたら身勝手な人になるハズ」のような台詞は、そうなる前の引退を暗示していたのかなぁと勝手な深読みが入ってしまいました。
他の作品も観てみたいです。
AmazonのPrime会員でしたら入手しておくべきとも思えるFire TV Stick、セールでまた安くなると良いですネ。
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