名前だけは知っていた

若かりし頃、セキュリティ企業の現場で走り回っていた自分でした。
24時間365日サービスを提供する会社で、緊急対処員でした。
自分が担当したエリアは日本の中心部で、とても忙しい支社でした。
もう四半世紀以上昔の話ですが、いまでも公に出来ない場面が残っていますので、問題の無い範囲で。
面白い話は幾つもあるものの。

今回は大して面白くない話です。
セキュリティのアラームが発報して現場へ対処する流れ、その多くはヒューマンエラーや小動物による誤感知でして。それも同じ契約先ばかり。
ただ、深夜の特定の時間帯の対処はちょっと怖いものがありました。
本当に泥棒に入られてしまう時は、複数のセンサーが次々に感知し、管制側もこれはヤバいと警察にも速攻で連絡をしたり。
短時間で多くの被害が出る明け方の貴金属店の対処は、特に恐ろしく。
また、重機を使ったりの手口は大胆で。

契約先がアラームをセットする20時前後からの時間帯は、操作ミスによる発報が多発し、それを片付けるまで零時過ぎくらいまでは走りっぱなしです。
到着しても操作ミスをしたお客さんは既に居なく、報告書に綴った注意書きをちゃんと読んでくれたらなぁと。
その時刻を過ぎてからも、対処は僅かに続いたりでした。

対処先の多くは国際的な金融企業でした。
為替や株の対応で、日本が眠っている時間帯でも誰かしら職場に残っている体制でした。
その方々が操作ミスを時々起していて。
既に倒産したリーマン・ブラザーズもその中の一つ。あのリーマンショックで世間に知られた大企業でした。
現地に到着すると、だいたいは似たような景色でした。真夜中のディーリングルームは室内照明が消されている中、多くの端末は電源が入ったままで、デスク上にずらっと並んだモニターがクールに何かの情報を伝えていました。
また、室内の内装も洗練されていた記憶です。映画に登場するような海外のお洒落な雰囲気で。
日本の金融企業は、ほとんどが役所内の様な雑然さが残っており。
ちょっとした海外旅行を味わえる様な外資大手の対応は、そんなこともあり少し楽しみでもありました。

ここ数日はスイスの大手銀行の経営危機が話題になっています。あの銀行にも自分は幾度か伺っていて。
上記の様な綺麗なオフィスの記憶でした。
リーマン・ブラザーズが倒れた時も、政府側は火消に大変だったのか、当初は大きな心配は要らない様な発表だった様です。
結果はけっこう大きな不景気を長く招いてしまい。
今回も同様に金融不安を誘発しないような情報発信に頑張っている様子ですが、どうなるのだか。
何か知っている不都合な事実があったとしても、後出しとか十分考えられそうで。
自分は名前を知っている程度の大手金融ですし、中身がどうなっているかなど知る術もなく。
色々と対応はされている様なのですが、支援するといってもその額は焼け石に水であったり、買収するといっても現在の株価より一桁安い交渉だそうで。
ただ、これがキッカケで更に再就職が難しくなる様な流れだけはあってほしくなく。
リーマンショックを思い出すと、他人事では無いというか。

あと、ここしばらく気になる話題です。
高市さん関連の問題です。
自分はどちらかというと高市さんを信頼していました。あくまでも雰囲気だけですが、悪いことはしていなそうなイメージで。
特に国防に関わる大きな体制作りを本腰で長年頑張られていて。左系とはまず意見が合わない領域なので、大変だろうなぁと。
大きな仕事を成し遂げるには、小さな問題は多少目をつむる必要が国会議員クラスですと多いとは思っています。
そうでなければ足の引っ張り合いだらけで、誰もが任期を全うできないでしょうし。
極端な話、プライベートがスキャンダルだらけでも国の舵取りとして仕事をしっかり進めてくれれば、それで良いくらいにも思っています。
現代の様に誰でも情報発信出来る時代は、ちょっとした問題への非難も大きく影響したりで。
昔に大きな仕事を成せた大物達は、プライベートなど出鱈目な人も少なく無かったかと思われます。足を引っ張る人もいまほど多くなかったでしょうし。

今回の高市さん関連はどっちが嘘をついているのだかサッパリ判らずです。
まして、問題があった場合は辞任すると発言してしまった高市さん。
安倍さんも生前は似たようなスタイルだったものの、問題を闇に入れたまま他界してしまい。
五輪関連の問題や新興宗教関連の問題がここへきて浮き彫りになったのは、抑える本人が居なくなったからといった理由もあったかと。
今回はどんな流れになるのか、ちょっと気になっています。
森友学園の対応の様に、曖昧に終わってしまうのか。あれも文書問題でしたし。
国政レベルの問題なので、この件は自分に直接関係無いのではありますが。