「植物に学ぶ生存戦略」という教育番組の最新作が昨夜放映されました。
自分は再放映の一作しかまだ見たことが無かったのですが、昨夜の放映は期待以上の出来具合でした。
シュールな進行とシュールな演出には更に磨きがかかっていまして。
綺麗な人気女子アナは終始冷静、それをドサクサに紛れて口説き落とそうとする解説の男。
植物の成長を擬人化する謎の役者達は、人の醜さを大いに演じ。
これまでの作品を全て観てはいないものの、昨夜の最新作の放映では新たな演出も加わっていたらしく。
放送局の上層部が背後で立ち会う演出、女子アナに対する解説の男のセクハラを監視する役で。
更に役者が増えた流れ、毎度の口説き文句が始まると「放送事故」的な画面に切り替わり。
某国営放送の演出の滑稽さを上手く利用している作品に思えます。
80年代くらいまでだったと思うのですが、若者が登場するドラマではこんな場面もあったなぁと。
自販機で購入した缶ジュースはメーカー名を隠す目的でビニールテープでグルグル巻きにされていて。
広告を出してはいけない、放送で商品の宣伝にはなっちゃいけない苦肉の策な某国営放送。
あれは物心ついていない年代だった自分に、滑稽な演技でしか無く。
だいたい、自販機からビニールテープでグルグル巻きなドリンクの缶が吐き出されたら、それまでの流れが変わるほどショッキングだと思います。
人為的に加工され、見た目にもあまりに怪しい缶を誰が飲むものか?と。
それが何事も無かった様にスムーズに進む話が、寧ろ滑稽でもあり。
如何にも演技で。
そこまで行かないものの、昨夜の教育番組は某国営放送局の矛盾というかこれまでの放送姿勢をシュールなお笑いに役立たてた感でした。
管理する上で楽な演出は、むしろ滑稽であり、面白いところを持ってきたなぁと。
しかし、題材の植物よりも、擬人化された役者の演技がどれも面白く。
本気でその役に徹していて、実に醜く。
これが若手の役者だけでなく、色濃い化粧のオバチャンであったり、更に上を行く人生を醜く悟った薄毛のお婆ちゃんであったり、コツコツと生き抜くオッサンであったり。
表情に乏しく時々疑念な表情の美人なアナウンサーと対比した表情豊かな役者達。
植物の生態は理解出来たものの、その名を一つも覚えられない自分です。
あれは、製作側の皆さんも楽しんでいるに違いないと思います。
撮影のアングルもかなり拘りを感じたりです。
歴史的な絵画に匹敵する角度を感じたりです。(背後に映り込む謎の男)
奥の深さを感じる教育番組にさえ思えます。
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