年寄りの閃き

サザエさんに登場する波平さんの実年齢は自分より若いらしく、その比較で考えると自分は十分に年寄りで。
年寄りでも閃き(ひらめき)はあるのですが、その多くの場合は見当違いで。

そんな年寄りの自分が久し振りに閃きました。
間違いの可能性は十分にありそうですし、合っていたとしても既に誰かが研究していそうです。

自宅の無線のアンテナはHFでダイポールを利用しているのですが、土地や建物の制約上で東西方向に伸びています。電波の指向性としては南北方向になります。
以前に南北方向に伸びるモービルホイップをダイポールと同じポールに一時的に設置していたところ、ダイポールのアンテナは東西方向にも強くなった気がしました。
使っていないモービルホイップのお陰で、まさか指向性が変わったのかな?と。
ただ、物理的な比較を煮詰めたワケではないので、気のせいかもと思っていました。

数週間前に4エレのビームをタワーに載せたスーパーローカル局は、その調整で苦労していました。
FT8を基調にした運用ですと、標準的な設置ではSWR特性が高い周波数の方に寄りがちだったそうです。
FT8はバンド内でも低い周波数に寄っているため、短縮率の高い自分のダイポールもその周波数にターゲットを絞っています。短縮率が高いとSWR特性がクリティカルになりがちなので。

無線を知らない人には何のことを言っているのが解らないと思いますので、軽く説明します。
SWRの最良値は1.0です。これは送信機の出力が全て放出されている数値で、調整の取れていないアンテナほど数値は大きくなります。理想は1.5以下辺りで、2.0はボーダーライン。
数値が高くなると送信機の電波がアンテナから跳ね返ってきて、最悪の場合は送信機が壊れます。
ただ、ATU(アンテナチューナー)を送信機と受信機の間に挟めば、無理矢理でも反射は少なく出来ます。効能としては送信機を壊さない為だけで、アンテナから放出される電波の出力は変わらない(ハズ)です。
(個人的には)アンテナ単体の調整だけでSWRが低いことがとても重要で。イカサマ無しにアンテナから電波が放出されているので。
ダミーロードを使えばSWRは1.0になるのですが、そこまで話を広げると理屈の説明が広くなり過ぎそうですので、理屈はここまでで。

スーパーローカル局はアンテナの調整がほぼ完了したのですが、一点だけ問題は解決していないそうです。
新しいビームアンテナは3つのバンドで利用出来るそうなのですが、周波数の低いバンドな7MHzでは回転する角度によってSWRが大きく変化してしまうそうで。
話を聴く限り、同じタワー上に設置した他の固定アンテナが干渉している様子です。
それはあり得るなぁと。

日本が誇る八木アンテナは当初ほとんど評価されなかったそうです。
アナログ放送時代のテレビのアンテナは魚の骨の様に並行に矢印的な見た目なのですが、あれは受信する電波の指向性を顕著に表しています。
矢印の方向に送信所があり。
第二次世界大戦では、この八木アンテナが相当な戦力になったそうで、米軍は非常に役立てていたそうです。
逆に、日本軍はその効能を米軍から教わったそうで。敵の電波がどっち方角から飛んでくるのか、簡単にバレていたそうで。
海外の方が、その技術を評価して先に応用していたという皮肉なのですが。

八木アンテナの場合は、長さの異なるエレメントが並行に幾つも並んで電波の反射や導く先を上手く干渉させる技術でして。
回転するアンテナがその条件を満たした場合、干渉は良い意味でも悪い意味でもあるのがローカル局の場合なんだろうなぁと。

基本は並行に並んだエレメント上での話だと思うのですが、交差するエレメントでも干渉が全く無いワケでも無さそうで。(我が家のアンテナの場合は左右のエレメントに角度が入っていますし)
だとすると、うちのベランダに無意味そうなモービルホイップを設置しても良い意味で影響力はあるのかも?と。
明日はちょっと試してみようかと思っています。

あと、もう一つ気になることが。
50MHzもダイポールアンテナにしているのですが、左右の長さやその先のコイルの条件が異なるとディップが二つ登場してしまい。(我が家のダイポールは3つのエレメントにトラップコイルを挟んで5バンド仕様)
これを応用すれば、近い周波数のバンドを同じエレメント上に乗せられそうだなぁと。例えば18と21MHzといった。
完全に同調させたらディップは一つで低い値になるのですが、そこまで至らなくとも歪な二つのディップは使い道が十分にありそうで。
失敗から学んだことなのですが。
既にその辺の研究をされている方は居るのかな?

この辺の具体例はNanoVNAで可視化出来たので気付いた点です。
調整不良で「なんじゃこりゃ?」な場面でしかなかったのですが。
上手く再現性が取れたなら、世界中のアパマンハムの役にも立てそうで。

コメント

  1. […] 数日前の記事に綴った閃きの件、本日試してみました。 ダイポールアンテナの給電部付近にモービルホイップを置いたら飛びが変わるか?な件です。 結論から申しますと、何となく変わった気がします。 […]