究極のカレー

かれこれ二十年近く前から自分は銀座のニューキャッスルのカレーが大好物で。
銀座のカレー屋さんというと高級なイメージがあるのですが、当時は古民家を店舗にしたような木造建てのお店で、値段も良心的でした。
あの界隈は安くて大盛なお店も少なくなく、それでいてかなり美味しかったりで。

しかし、ニューキャッスルは閉店してしまい。しばらく経ってから暖簾分けしたお店が近くで再開したのですが、当時とは別の味になってしまい。
近い味なものの、当時とは甘みや深みが変わってしまった感で。
だったら、自分で作ってみようかと。

レシピは公開されていて、そのままの材料全ては集められなかったのですが、結果的に近い味にはなりました。
材料は最初からほとんどみじん切りにして、圧力鍋で数回に分けて一時間ほど煮込み。途中で材料をかき混ぜつつ。
普段と違う材料はトマト缶を入れた程度です。他の材料に比べてトマト缶の量が多かったので、トマト風味が立ってしまったものの、味は結構満足出来ました。

ニューキャッスルのカレーは本来肉を使っていなかったのですが、肉が入っている様な深みがあり。まぁレシピ上はラードが入っているので、肉を全く使っていないと言い切れませんが。

カレーの味は何故か親子代々受け継がれる傾向に思えます。
母が作るカレーを叔父が食べた時、うちのカレーと同じ味だと驚いていて。
叔父の家で頂いたカレーも同じ味で、自分も驚いたりで。
自分が作るカレーも元々はかなり似た味でした。
しかし、一人暮らしでのカレー作りは一箱のルーを使い切ってしまうと数日間食べ続けるハメになり。
ルーを半分だけ使えば良いのですが、折角作るなら大量にと。自分の所有する鍋も丁度収まり切る容量でして。
作る途中で水以外に牛乳を入れると、特に二日目以降は深みのある味になって、自分はずっとそんなレシピです。牛乳といっても安い低脂肪乳で全然問題無しです。

あと、ニューキャッスルの味を再現するなら、ブレンダーやミキサーで具を全てペースト状にする必要があり。
しかし、ミキサー類を自分は所有しておらず。自分の幼少期には高価なジューサーミキサーを母が購入したのですが、結局数回しか使用しなかった記憶です。
片付けが面倒だったのか。
滅多に使わない調理器具は自分も購入しないようにしていて。特に嵩張るのは。

ミキサー類の中には電動ドリルの先に回転刃が付いたような製品もあり。これなら場所を取らなくて良いなぁと思ったものの、それなりの値段でした。
継続的に使うのであれば十分に元は取れる値段なのですが、そう出来るかはやってみないと判らずで。
他にも、天下一品のラーメンのスープみたいなドロドロ系を作る際には活躍の場があるのですが。
本来は野菜や果物のドリンク作り向けだと思われるものの、その本来の飲み物にあまり興味が無く。果物って、結構高価じゃないですか。
既に加工された果物の方が安かったりで。多分、見た目が不揃いな規格外も関係無しに大量納入しているから出来るのだとは思います。

だったら刃先だけ入手すれば何とかなるかな?と。
電動ドリルはIKEAの安いのを既に所有しているので、それに合う刃先を先日入手しまして。
数百円のをAmazonでポチりました。
しかし、これは本来一斗缶の塗料を混ぜる刃先で、研がれた刃とは別物でした。
確かに混ぜることは出来るものの、ペースト状にはならずで。
ちゃんと検索すれば、もっと妥当な製品はあったのかも知れません。
混ぜるだけなら効果あるものの、自分の期待した効果はほとんどなく。

何れにしても実店舗の大好物な天下一品もニューキャッスルも高価になり過ぎてしまったので、レシピを元に自分で再現したら数回で元は取れそうです。
やはり、ミキサー系は購入すべきかなぁ。

話が少し飛ぶのですが、自分は混ぜ物が好物な様です。何処を食べても同じ味というのが気楽で。
逆に煮物を何度も茹でて崩れて妙な味になってしまうのは苦手だったり。
専門店ではそうならないように具とルーは別々で調理していたりで。
一人暮らしが長いから、何度も食べ続ける系になってしまった問題だと思います。大所帯であれば、大量に作っても一度で食べ切れるレシピだろうかと。

かといって、様々な隠し味を色々と入れたカレーは絶望的な味だったりでした。ほぼゲロ。
珍しく牛肉まで使ったのに。
モノには程度があるのだなぁと。あまり冒険してはいけない。

自分の好きな小説「竜馬がゆく」の主人公も混ぜご飯が好みだったそうです。
あれは効率的な食べ物という理由だったかな。
自分の若かった頃の竜馬のイメージはオッサン。
しかし、50代になった自分からすると31歳で他界した青年で。
幕末の混乱期、明日がどうなるのかも判らぬ庶民の日々。その中で日本の方向性を決めてしまった浪人の日常は日々さぞや忙しかったかと。

コメント

  1. p より:

    黄色いTシャツの写真
    カッコいい!
    カレーっぽいし♪

    • SUKIYAKI より:

      当時、Vespaに乗っていて松田優作ごっこ状態でした。
      あのヅラ、夏場は本当に暑くて数分しか被れなかったです。