都心の一等地でも稀に放置されたままの車両を見掛けたりします。
大学時代にインパクトを受けたのが初代のファミレス付近の駐車場に放置されていたアルファロメオでした。
丸目の古いタイプで外装は特に傷んでいなかったものの、何年分かの塵が積もっていて。
フロントウインドウの塵には指で落書きされていました。
「もったいないよ」と。
知人に話し掛けるような文言がちょっと可笑しくて、一緒に居た友人とシュールな笑いを頂いてしまい。
80年代終わり頃の場面でしたが、あのアルファは60年代初頭のデザインっぽく。
当時、20年前のネオクラシックなアルファの価値はどれくらいだったのか見当がつかず。
ただ、単車の月刊誌にエンスー寄りな記事を載せていた漫画家さんも古いアルファ乗りで、その維持に意地を張っていた様子でした。
何でも、真夏の渋滞路ではオーバーヒートでエンジンがやられやすいそうで。
短時間でこのオーバーヒートを片付けるには、室内でヒーターをオンにするのが手っ取り早いらしく。
嘘か本当が謎ですが、エンジンの熱さをヒーター経由で車内に開放した方がエンジン自体の冷却も早まるとの説で。
真夏の炎天下より熱い社内など地獄だそうで、外でじっと見守っていたらしく。
話が飛びます。
毎年夏の時期に谷中のギャラリーで個展を開催していた友人がいます。
クリエイター系の友人で、かれこれ四半世紀近い仲です。
独自路線の手法で描かれた作品はヘタウマなのですが、絵画に限らず手芸等もオリジナリティあって、凄い才能の持ち主で。
一方で、幾ら下ネタをメッセージで飛ばしても、へこたれずに一本取られてしまう自分だったりで。
一応女性の友人なのですが、吉本の学校にも通っていた経緯があるらしく、返しの言葉は絶妙で。
しかし、実際に会ってみるととても真面目でしっかりした女性で。
クリエイター活動を中心にしていた時代は、稼ぎも厳しかった様子で、ひもじそうにしていたら食事に誘って毎度奢ってあげたりで。
その友人の個展、ギャラリーに伺う時は柴又の土産を持参しつつで。
共同開催の個展だったので、みんなで頂けるように「くずもち」の塊を。包丁さえあれば、全員分適当に分配できるだろうと。
昼時はその友人繋がりで一緒に近くのお店で食事を取ったり。
谷中の一歩入った世界は独特で、まことに風流で。
しかし、その季節は蚊が凄くて刺されてなんぼ。
その谷中では毎度気になる光景があり。
廃墟となりかけた戸建ての空きスペースにポルシェらしき車がずっと放置されていて。
車体はカバーで包まれているのですが、そのシルエットは明らかに911系統。
シルエットだけを観ると、意外に小ぶりなんだなぁと。古いモデルだからなのかも知れませんが。
個展に伺う度に、あのポルシェはどうなったのか気になったものでした。
生憎、コロナ禍であの個展は何年も開催されておらず。
自分がこの車体を知ったのは2016年だったか。
ストリートビューで確認したところ、2009年には動いていた様子で、昨年はそのままだったらしく。
まだ残っているのかな?
もったいないよ。
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