ダーティハリーに学ぶ

ここ二十年くらいの映画は、コンピューターグラフィックの進化もあるのか、自分の眼では追い付かない場面が多く。
画面からちょっとでも目を離した隙に、重要な場面があったり、ともかく展開が速すぎて瞬きさえ許されぬアクションシーンだったり。
そもそも自分がボーっとしているのが問題なのかも知れませんが。

それに比べて80年代以前の作品は良い意味でノロマで助かっています。
それぞれの場面で考えさせてくれる余裕があって。

どれもテレビ放映で観れた作品ばかりでしたが、当時観た映画は思い出深いのが多く。
自分が子供だったのもあり、そんな奴居るのかよ?と思えた場面も。
「ダーティハリー」もそうでした。

主人公の刑事はそれなりの能力があるものの、理不尽な上司の要求には一切従わず。
世間からは偏屈者扱いですが、僅かながらも信頼関係ある友人知人もいて。
結果的に、面倒臭い案件ばかり任されて。

知能犯の犯罪など捕まえたところで法の裁きさえかいくぐってしまうのは判っていて、その場で覚悟を決める辺りがカッコ良く。
結果的に謹慎処分とかしか待っていないのですが、そうでもしない限り同じ犯罪は繰り返されるだけで。

世の中を冷めた目で観ているからか、嫌な上司の圧力や脅しに対しても真に受けず。
印象的だった返しの言葉は「あんた口が臭いよ」とか「おっかねぇなぁ」とか。

新任の刑事とチームを組まされたりですが、これも何だかソリが合わず。
どれも優秀な人材なものの、理屈ばかりで何も解っちゃおらず。

四作目に登場した美女の新人も、面白い場面がありました。
新しい武器のお披露目会、バズーカ砲みたいなのの性能を何も知らないだろうハリーに得意げに解説する美女。
美女は話の途中でハリーに突き飛ばされます。
試射したバズーカの後ろには大きな反動が。さっきまで美女が立っていた場所でした。
経験の差が出たのでしょう。

近いうちに全作もう一度観ておきたいです。
あんなのが好きだから、こうなっちゃったんだろうなぁと。でも好き。

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