礼服

先月の葬儀で久し振りに着た礼服について。
二十代の中盤に一生モノとして奮発した礼服。
ブルックスブラザーズのそれは購入当初に大活躍してくれました。
同期の多い会社に居たので、披露宴の機会も多く。
ただ、当時は大人ぶってダブルにしてしまったのは間違いだったと少し後悔。
それを着ると太って見えてしまうそうで。

思い出せない程多くの披露宴に招かれたのですが、祝儀も見栄を張り人並み以上を繰り返していました。
ボーナスの多くは、それで失われたものです。
そして、自分は一度も披露宴など開いておらず、あれはドブに捨てた様なものかなぁとも。
まぁ世の中こんなもんで。

九年前、久し振りに呼ばれた披露宴は幼少期お世話になった叔父さんの娘さんが主人公。
この時点で、あの礼服は既に危うかった感です。
ウエスト周りがかなりキツく、腹筋を意識しないと厳しいズボン。
久し振りに履いた高価な靴はガチガチに固まっていて、結果的にピカピカの靴の方が問題になりました。
二次会の中華街を歩く途中、靴擦れで集団に着いていけなくなりまして。
一緒に歩いていた母より歩調が悪くなり。先頭を進む新婦の母に我が母がスピードダウンを促す始末で。
未だに自分は母から子ども扱いだなぁと、ちょっと悲しくなったりで。

そして、先月の葬儀。
まだ何とか着れるだろうとクリーニングに出した礼服。
これが、もはや絶望的なウエスト周りでした。
ズボンはおろか、上着までお腹がビシビシに締め付けられ。

葬儀の最終日だけ着るのだから何とかなるだろうと。
しかし、これが想像以上にキツく。
何かの合間、実質的な喪主だった叔母に笑い話のつもりでウエストの厳しさを伝えたところ、叔母はすぐさま自分のズボンに指を通し。
「ケースケ君、これダメでしょ!」
ダメと言われても替わりが無く、耐えるのみ。
そして、またしても子供扱いされてしもうた。

そのとき、自分の脳内を横切ったフレーズは「マジックベルト!マジックベルト!」でした。

幼少期、あのアニメの真似をして、母からも怒られたなぁと。
今回は外から締め付けるワケでなく、内側が膨らんだだけでして。

無理なくお金も掛けずにウエストを縮める手段を検索する今宵でした。
次回は無理なく着れる様に身体を整えねば。どちらも一生モノ。

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