偶然にしても、葬儀の前後では不思議な場面が幾つかありました。
母が他界した直後にナースさん(介護士さん?)が早朝の実家へ急行した際、信号待ちの遠くに虹が掛かっていたそうです。
その虹は写真に残されて叔母にも届いたそうで。
叔母も、母が眠る居間に窓から光が入ったと眺めていたそうで。
帰省二日目の午後は空港まで親戚の出迎えが二度ありました。
同い年のイトコの車で空港へ向かったのですが、どの駐車場を利用するかもイトコに検索して頂いていて。C駐車場の評判が良かったそうで、そこを利用することに。
しかし、いざ車を降りてみると空港まで結構な距離。そもそも歩いて空港まで行く正式な通路も無く。駐車場から歩道へは獣道の様な足跡を渡るしかなく。
炎天下、二人してやっと空港の建物に辿り着いたものの、そこから国内線の到着ゲートまでがまた結構な距離。
二人して苦笑い。
飛行機の到着時刻には間に合いました。
次は、ゲートから出てくる奈良の二人を自分が見つけられるか。
同い年のイトコは先程助けを求めてきた謎のお婆ちゃんに親切な対応中。
預けた荷物がグルグル周る回転寿司の様なレーンの周りに、二人が居ないのか自分は注視していたのですが、ふと横を見たら懐かしの二人が。
「北の大地へようこそ!」。
LCCの利用では無かったので、預けること無く手荷物で全て収まっていたそうです。
駐車場まで結構歩くのですが、お許しを。
ショートカットなルートを探りつつ、結果的に遠回りだったかも知れず。
空港の建物内を四人で歩きつつ、窓から外を確認すると状況は大いに変っていました。
どんでもない雨が降っていた様子です。水溜まりが酷く。
まだ降っているのか?
屋内の終点から地上に出ると、雨はやんでいました。
ここからも更に歩きます。
不安定な天候、これから大雨にあたる危険性は十分にありました。
イトコは駐車場まで一人で行って、車をここまで持ってくるとの意見も。
大雨喰らっても構わないので、四人で行こうとなりました。
水溜まりを避けつつ、どうにか車に戻り。
良かった良かったと四人で笑顔。実家までの道中がどんな天候だったのか記憶から飛んでいます。とりあえず雨はしのげていて。
実家に着いたら母の出棺を手伝ってほしい旨を伝えました。喜んで引き受けて頂けました。
実家へ到着後、またしてもドタバタ。玄関に居た制服姿の宅配屋さんらしき男性にちょっと横へ移動してもらう様お願いしたり。(これが大失態)
棺を玄関から入れるには、あの長方形を斜めにしないと居間まで入れず。棺の中に母が収まった状態では居間の窓から送り出す以外に無く。
その窓の外は雑草が元気に伸びていたり、足元も悪かったり。その辺は事前に軽く自分も片付けていました。
葬儀屋さんと身内の男手で、巨大なリムジンの様な白い霊柩車に母の棺は収まりました。
途中で煙草をイップクさせてほしい旨叔母に伝えたところ、尻を一発引っ叩かれました。
素晴らしいリアクション。
実家を離れるリムジンの後席には、これまで散々世話になった叔母と自分。
向かいの歩道には御近所さんらしきオバチャン達が見送り。ありがたや。
葬儀の会場は中心街の反対側にあり、そのルートを走行中にまたしても大雨。
なんじゃこりゃ?
後席の叔母とは、さっきも大雨にあたらずに済んだ旨伝えたのですが、叔母の方もさっきの大雨を心配していたそうで。
後ろに続く息子さん(イトコ)の車でも、いま同じ話題出していそうですと。
ともかく、良かった良かったと。
あまりにもタイミングが良過ぎて、お天道様も見守っていてくれたのかな。
叔母とは大笑いしながら、昔自分が暮らしていた道中の景色をを説明しつつ。
二度目の空港もイトコの運転で。
今度は完璧な駐車場でした。ここなら大雨でも問題無く。そして、一時間近く早く到着してしまい。
何かホッとしてしまったのか、イトコは車内にお財布を忘れてしまった様子。
気になるでしょうし、それを取りに戻る時間も十分にあり。
イトコとは昨夜の近況報告の続きとなりました。
イトコが長く続けていた介護の仕事は自分になど務まらない過酷さ。母を介護していた叔母も身内にも見せられない過酷な現実があったと。
久し振りに帰省した実家、母は介護ベッドの上。自分も何か手伝いたかったものの、余計なお世話になるのは自分でも解っていて。
接種した解熱剤が効きすぎて、冷えた両手を握るくらいしか自分に出来ませんでした。
自分の幼少期は母の手も脚もいつも温かくて、布団に潜り込んでは温めてもらっていたのに。
大阪から訪れる親子は四半世紀以上ぶりの再会。自分はちゃんと見つけられるのか?
ゲートから登場した二人、直ぐに分かりました。
「テツヤおじさん?」。あっけに取られていたのか、リアクション無く。でも間違いなく。
「ケースケですよ!」。少し安堵した表情。
「北の大地へようこそ!」だいたい、自分も二十年帰らなかった大地なのですが、お迎えはこれに限る。
「さっきの雨は何だったんだ?」と会場へ向かう前席でニンマリ。
出棺のドタバタで玄関にて邪魔者扱いしてしまった男性は、ずっとお世話になっていたあの便利屋さんだったそうです。
二月の大雪では母を救助して頂いたり。またしても酷い事をしてしまった。(後日、メールでお詫びしました)
全ての式が終わり会場で普段着に着替えした身内八人が向かう実家。車は二台に分乗。母は既に骨。
江別からやってきた叔父の車の助手席に自分。中心街経由の実家までのルートは自分が何となく覚えていたので、先導することに。
中心街を離れた途中で、運転席の叔父がニンマリ。イトコの車が追い抜いて行きました。
この先のルートはイトコの方があてになる。
追記:
雨にあたらなかった件、全く逆パターンだったら、ほとんど「祟り」みたいなものだったんだろうなぁと。
コメント