深夜のテレビでたまたま観て、案外面白かった作品は数知れず。
対して面白くなかったけれど、印象に残る場面のあった作品など星の数。
今回はタイトルも覚えていない佳作の羅列を。
合衆国の健全な若者が、国防省のアルバイトに。通信関連の単調な作業が仕事内容。しかし、つまらないハズの作業を工夫して楽しくしたり。
仕事にも慣れ、周りからの信頼も得られてきた頃に、謎の黒服から魔の誘いが。
接触に至る経緯を自分は忘れてしまったのですが、気付いた時にはロシア領事館の暗い地下室。
監禁されたワケで無く、黒服の男から質問攻め。「衛星の位置は?通信周波数は?」。
末端のアルバイトは通信部門での仕事とはいえ、技術面は何も知らず、流れてきたテレックス(通信機能を持ったタイプライター)の紙を扱うだけで、答えようも無く。
映画「卒業」に登場するようなボンボンで教養もありながら、ぷらぷらと過ごす青年だったのですが、気付いた時には危うい立場。
逃げた場面がそうだったのかも覚えていないのですが、誰も居ないハズの草原で一人。そこへ機銃を構えた沢山の兵士達に取り囲まれ。沢山の銃口は若者に真剣に向けられ。
国家反逆罪で、終身刑だったか重い罪。エンディングロールでは実話だったらしき記述も。
うろ覚えなストーリーなので、勘違いも多いかも知れません。
アナログな通信機器を相手に酒を交わしたり、地下室で謎の質問をされたり、兵隊に取り囲まれたり。何だか印象的な場面でした。
スパイ映画で検索しても、アクションものばかりがヒットしてしまい、タイトルが謎のままの作品です。
もう一つの作品は検索したところタイトルが直ぐに判りました。
「出張」という名の映画です。
平凡なサラリーマンが遠方の出張先で謎の集団に拉致されてしまい。謎の集団はサバゲ―を楽しむ様な大人達。そのトップは原田芳雄さんが扮していました。実にワイルド。
拉致されたサラリーマン、身代金の要求が奥さんに入るのですが、これがかなり冷めた返答で。
これまたうろ覚えですが「そんなお金は無いし、どうぞ夫を連れ去って」との趣旨。台所での平凡な風景で。
捕まっている夫は落胆したのですが、捕まえたトップも気の毒がる始末。
70年代の学生運動時代ならあり得た背景設定なのですが、バブルど真ん中な時代に製作された映画、ソコソコの生活レベルを落とさない様に何か大切なものを失っているなぁと。
主演のサラリーマンは自分も大好きな石橋蓮司さん。悪い奴じゃ無いんだけど、不条理の世界でやるせない日々をやり過ごす役には好適。醸し出す雰囲気はご本人の生き様にも表れている様で。
以前にも綴ったのですが、Wikiでのエピソード「夫人である緑魔子との出会いについても語り、当時アイドル女優だった緑が自分みたいな小物とプライベートで仲良くなってくれるとは思わなかった」が実に石橋さんらしく。
検索したところ、一部ではかなり人気のある作品だった様です。
オッサンになった自分だから解る部分もあったりです。
世の中の主婦は多くが「こんなもの」なのあなぁと観た当時は残念感もありました。自分の母もこんな感じでしたし。
ただ、実生活の石橋さんには昔きっと「熱い恋」があったんだろうなぁと。
脇役が長い立場ながらも主役を喰う存在、そんな石橋さんが主役を努めた作品、もう一度観てみたいです。
熱い恋の一つくらい思い出にあったのなら、まだ救いようがあるようにも思えます。
それさえも無く、世間体とか消去法で何となく繋がる二人。これでは世間の荒波を一緒に乗り越えられないだろうなぁとも。
そこまで深く空想してしまうと、更に面白い作品かも知れません。
さだまさしさんの「空蝉」に登場する老夫婦、あれは子供の頃からの理想でもありました。
「昔 ずっと昔 熱い恋あって 守り通した二人」。
またしても長文になってしまいそうで、最後に一作。「オレンジロード急行」です。
バブル時代までの東京12チャンネルは予算も限られていたのか、B級映画のオンパレードでした。
特にATG作品のお色気を含んで視聴率を稼ぐゲリラ的手法が少なくなく。「祭りの準備」や「遠雷」は、短期間で幾度も放映されていて、この前観たばかりなのにと。
オレンジロード急行はちょっとコミカルな作品でしたが、漫画の様な展開が無理あった感です。たまたま観たのですが、途中で寝てしまいました。
ただ、気になったのは若かりし頃の森本レオさん。自分の世代からしたら低く落ち着いた美声を持つ大人でして。
ドラマやナレーションの雰囲気は松任谷正隆さんにも通じていて。
牧歌的な雰囲気を醸し出しつつも、森本さんの私生活は案外ワイルドだったとの記事が少なくなく。
人は見た目でわからないものだなぁと。人相だけで判断してはいけないんだなぁと。
まぁ、だから役者として生き残っていられるのかもですけれど。
映画の記憶に残るのは、海賊放送局で使われたパネルバンっぽい車です。昔のシトロエンみたいで。
例に出した松任谷正隆さんについては、元々イメージ悪かったです。
クルマ番組ではどうにも軽薄なコメントが少なくなく、相方の田辺さんの重厚な意見と割れる場面もあり。単なる金持ちのボンボンくらいに思っていました。
しかし、70年代の音楽界では相当な実績を残していて。当時のユーミンの作品にクロスオーバーな雰囲気を醸し出したのは、大したもんで。
ユーミンのラジオ番組では旦那さんの馴れ初めもたまに語られたり。その話が、自信の無い男の振舞いそのものだったりで(自分と重なり)。
ユーミンのコンサートに幾度も伺った知人の話ですと、普段は裏方に徹している旦那さんが、ライブのピンチヒッターで鍵盤を弾く機会があったそうです。
これが自分の作った曲なのにミスタッチもあったりで、かなり必死な演奏だったそうで。
案外、人間味あったんだなぁと。
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