送信機の出力測定

数日前から気になっている話題です。既に似たような記事も綴っています。
FT-817という小型の無線機の定格出力は最大5W。これの測定で色々と迷えておりまして。
普段利用しているSWR計で送信出力は測れるものの、パワーレンジは小さい方でも30Wあり、5Wを測るにはアバウト過ぎまして。
予備で頂き物のSWR計でも送信出力が測れるのですが、その値がどうにも疑わしいというか校正が必要な状態らしく。
実際、ローカル局さんのまともなSWR計をリファレンスにして調整して頂いたのですが、自宅で他の無線機と繋いでみるとパワー計は低く表示される傾向で。
勿論、間に挟む同軸ケーブルでの損失や、送信機の劣化で出力が減る理屈は理解していますが、それでも(借り物の)まともなダミーロードと短い同軸を用いて四割減な結果は腑に落ちづで。

真値が実際のところどうなっているのか、調べようが無いものかとここまで検索を繰り返していたのですが、理論上はこちらの方程式を用いれば一般的なテスターの電圧計で測れまして。
しかし、周波数が高い程エネルギーも高まると何かで読んでいた記憶があり。計測工学だったか放射線工学だったか。
周波数とエネルギーの関係の根拠を検索したところ、そこそこ分かりやすい説明のPDFがありました。「波のエネルギーは振幅Aが大きい、周波数fが高い、波長λが短い、速度vが大きいほど2乗に比例して大きくなることがわかります」との解説で。
式など用いないこちらのPDFは客観的に分かりやすく。

ただ、これだけではちょっと混乱する要素もあり。
電力の測定には様々な方法があり、その単位はWなのですが、測定方法の中には出力される電力をもとに何かを温めて、そこから発生するジュール熱を元に電力に換算する方法もあったなぁと。
これでは、同じ10Wの出力であれば7MHzだろうと430MHzだろうと同じ結果になりそうです。しかし、上記の話に立ち戻るとエネルギー上は異なるハズで。

現実的には、SWR計もHF向けとV/UHF向けがあります。別の回路を用いなければ両者とも測れないのでしょう。
あと、HFからUHFまで送信できる無線機でも、430MHzといった高い周波数では最大出力が低めだったりします。終段回路まで一緒だとすると、高い方はカバーし切れなかったんだろうなぁと。
まぁこの場合は回路上の素子等がカバー出来る範囲の違いなのでしょうが。

エネルギー=電力な面と、そうでない面がありそうなのですが、これも検索したところハッキリした根拠が見当たらず。
単純に次元が異なるだけっぽいとは思います。

あと、過去の仕事で動力周りのトラブルがありました。
西日本と東日本で家庭用の交流には60Hzと50Hzの違いがあり。
交流モーターを利用する製品によってはどちらかを指定されている例もありまして。
試しに50Hz向けの交流モーターを60Hz地域で使用したところ、モーターはかなり発熱し筐体の塗料の香りがプーンと漂っていたそうです。恐らく、モーターの回転数も上がっていたのだと思います。
50Hzと60Hzは周波数上で20%の違いしか無いのですが、電力上は二乗で違いが出てくるので44%の増加。五割増しに近い違いで、こりゃ危ないです。
周波数によってエネルギーが変わる件は、動力ではあり得そうです。

ともかく、壊れても良いような無線機でテスターによる電圧測定を試してみたく。
候補としては古いRJX-601。5Wクラスのダミーロードを自作して、その両端で電圧を測ってみたく。
昨夜検索したところ、似たような実験をされている画像を見掛けたのですが、もう一度観ようとしたものの何故か辿り着けず。短時間であれば50Wかけても極端な発熱はしないらしく。
複素数の虚数分があまり含まれていなければ、SWR自体も低く済むのでダミーロードの参考例を探さねばです。
単純な抵抗だけのダミーロードなのですが、ちゃんとした既製品ほどいい値段するんですよネ。
こういったところにアマチュア無線家が試す面白味を感じたりです。

追記:
知恵袋さんにて本件を質問してみました。ちょっとややこしい話なので、回答頂けるまで時間が掛かってしまいそうですが。

更に追記:
知恵袋さんの回答では、一般的なテスターで測るには無理との回答でした。理由としてはそこまで高周波には対応していないからでした。
自分のメインで使用しているテスターはカード型の小型なものですが、60KHzまでの周波数カウンター機能があります。AC電圧の測定についてはスペック上で周波数の上限が特に指定されていないので、数十メガHzくらいまでは測れるのかな?と思っていました。
表皮効果とかが関係あるのかな。
一般的にはその周波数に対応したオシロスコープで観るそうなのですが、自分の所有する秋月のオシロキットは1MHz程度までしか観れず。
理由が判ったので、とりあえず納得しました。卓上論とはやはり別ですね。

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