今夜の日本沈没

今夜のドラマ日本沈没がまた面白い展開でした。来週はいよいよ最終回らしいのですが。
これまで宿敵だった研究者や政治家が遂に味方に周り。どちらも能力はある方で、何と頼もしい展開に。
しかし、ここでまさかの首相の失態というか。
これを失態とは言い切れないものの、首相は米国との約束を単独で決めてしまい、並行して中国側と交渉していた主人公のチームは立場を失ってしまい。
沈没が近付く日本で、一人でも多くの国民を海外に脱出させる作戦は巨大企業を巻き込み政治と経済の世界。慎重派だった首相なのに、ここへきてどうして?といった気持ちで画面を眺めていました。

しかし、嫌らしい政治家役をここまで演じてきた石橋蓮司さんが味方になると、何とも心強く。メインストリームではなかった世界を誰よりも知り調整してきた立場で。
あのまま悪役で終わらせては気の毒だよなぁと思っていたもので。
自分の知る70年代からドラマや映画で癖のある役ばかり周ってきていた石橋さん、役の上ではありますが惚れ直した感です。
だいたい、学園ドラマで美女と美男ばかりが登場する作品みたいなのが以前に問題視されていました。現実的では無いと。

まぁその辺も含めて演出なのでしょうが、世の中の過半数は見た目も能力もパッとしない人かと自分は思っています。その中に自分も収まっていて。
これは学校でも仕事でも同様かと。引っ張っているのもチヤホヤされるのも一部の人かと。
しかし、その一見パッとしない人にもドラマがありまして、そっちの方が面白かったりです。
とてつもないシリーズとなった「ドラえもん」で「のび太」の両親の若かりし頃、その馴れ初めも結構感動的だった記憶です。パッとしない両親にも熱き想いと恋心と青春があったんだなぁと。
むしろ、目立たない同士が何かをキッカケに惹かれ合う状況に陥って。
作品中でそこまで説明していたのか覚えていませんが、待ち合わせか何かの状況がトラブった二人に、ドラえもんとのび太が何かの策を打った展開でした。

自分の場合は漱石の言葉を借りれば「親譲りの無鉄砲」系で、見た目も能力も凡人なのに目立ってばかりだったなぁと。
ウケを狙った訳でも無い所作が妙にウケてしまったり、ウケを狙ったら全く大失敗だったり。
平凡な日々にちょっと隠れていた面白さ。

来週には最終回を迎える「日本沈没」、どんな纏め方を迎えるのか興味深いです。
大河ドラマもあと数回でして、今年も終わるんだなぁと。
そして、このコロナ禍もあと何年続くのだかと。

漱石の言葉で「日のあたる所にはきっと影がさす」というのが「草枕」の序盤にあるのですが、自分より若く去った作者は文豪というより早くして何かを悟ったんだろうなぁとも。
自分はまだその極意にまで至っておらんので、もうちょっと頑張らねばと。

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