昨夜の某国営放送「ちこちゃんに叱られる」で2極コンセントについての説明があったのですが、ちょっとそれは不適切な説明ではと思ってしまいました。
「片方が出口で、もう片方が入口」との説明でした。
「片方だけが押し/引きしていて、もう片方は接地されている」と伝えるべきかと。
実際、接地されている方にドライバーを入れても感電しません。
接地されていない方にドライバーを入れたら派手に感電します。
1/2の確率です。
見た目でコンセントの穴は僅かに長めな方が接地されているルールなのですが、工事の手違いで必ずしもこうなっておらず。
電気工事に従事するプロの方は、実際に「検電ドライバー」という小さな道具を所有しています。それで事故を起こさないように極性を確かめています。
では「接地」とは何ぞや?と聞かれてしまいそうですが、電位を持たず電位差を生むための基準とでも申しますか。
古い自転車のライトで、ダイナモ(発電機)とライトが分かれている場合、配線は一本しか伸びていないパターンが多いです。この場合、もう一本は車体を配線として利用しています。
四輪や単車でもウインカーの配線は一本だけとかあるのは同様の処理をしていて。車体側の電位はゼロで、配線側が12Vの電位です。(古い車では6Vとか大型車は24Vもありますが)
ほとんどの四輪も単車も一般的には直流電源ですが、回路としての考え方は交流も基本的に同じで。(以前に載っていた古いVespaは交流6V仕様でしたが)
コンセントも同様に片側は接地されていて、電位差を持つ側にドライバーを突っ込むと、床に脚のついている人間が接地側となるため電位差を生んで通電というか感電する仕組みです。
まぁ、普通の人は知らなくてもよい知識ですし、下手に好奇心持たれたら怪我したりします。
なので、あのような不適切な説明をするよりは、こんな企画を放送しない方が良かったのでは?と思えたりで。
自分は強電も弱電も中途半端に知識を持っていて、仕事というかそれで食べさせてもらった類でして。
他の分野のことはそれほど詳しくないので、あの番組の企画に「そうなんだ」と素直に毎度感心していました。
しかし、今回の件で「案外いいかげんな説明をしている」とも思えてしまい。「諸説あります」とのテロップは無かったですが、そんな分野ではありませんし。
素人への説明は難しかったりで、何かに例えるのは大切だと思います。多くの場合は例えが効くのですが、そうでないことも中にはありそうです。
「厳密には違うけれど、だいたいこんなイメージ」という表現を自分はそんな場面で使いがちでした。
番組では大学の若い先生が概念らしきを語っていましたが、電気工事屋のおっちゃんに検電ドライバーで実演させた方が良かったのかもと。素人が代用品で真似されたら危険でしょうけれど。
追記というか、例外的な現象もあります。
何らかの原因で家電製品の金属筐体が電位を持ってしまう場合があります。この筐体に触れてしまうと感電します。なので、別途緑の線でアース(接地)を推奨する例も。水回りな洗濯機は漏電しやすく、この例が多いかと。
四輪でも冬場の乾燥時期にドアノブを握ったら静電気で痛い思いをしたりですが、四輪のボディが帯電して電位差を持ったからで。場合によっては人の方が帯電していることもあったりで、恋人と手を繋いだ瞬間に互いの電位差でビシっと痛みを感じることも。
過去にあった恐ろしい事故で、鹿避けの電気柵が川に接触してしまい、近くで水遊びをしていた人達が感電死してしまった例も。電気柵はけっこうな高電圧で、これが漏電したらしき原因で。この事故では助けようとした人まで感電してしまったそうで。
目の前で人が苦しんでいたら、咄嗟に助けてしまいたい気持ちも分かりますし、原因が謎ですと自分も助ける側に回ってしまうかと。
目に見えない電気の怖い部分というか。この電気柵を個人で設けたお年寄りはその後に自責の念で残念な終わり方をしています。
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