Bill Evansの番組

昨夜、テレビでEvansの特集が30分枠で放映されていました。
二人の若手ピアニストがEvansについて語ったり実際に弾いてみたり。
短い番組だったものの、内容はなかなか濃かったですし鋭い指摘もチラホラ。

個人的に何より嬉しかったのが、若い世代にもちゃんと聴かれていたり引き継がれていたりで。
Jazzはどうやっても圧倒的に売れるジャンルでは無いでしょうし、絶滅危惧種にも近い感なのですが、目立たないながらも埋没はしていないんだなぁと。

Evansの過去については様々な記事や本で読んでいたのですが、クラシックピアノについては案外長く続けていたんだなぁと。
せいぜい子供の頃くらいまでかと思っていました。
何の気なしに触れたジャジーなコードで人生変わったとの記載も何かで読んだような。

あと、笑顔を見せないEvansについても番組では紹介されていました。
これについては違和感ありました。麻薬で歯がボロボロだったので、見せたくなかった思いがけっこうあったかと。
実際にボロボロな歯があらわになった笑顔の写真も僅かながら残っています。

リバーサイド、ヴァーヴ、CBSとレーベルを変えていったEvansです。他にもあありますが。
自分はCBSでの録音をほとんど持っていません。晩年の演奏は何故かEvansらしさが失われていて。何となく勢いで弾いているだけにも感じ取れてしまうし、当時はEvansに影響を受けたピアニストも似たような奏法で。
らしさが際立っていたのはやはりリバーサイドの初期の頃かなぁと思っています。演奏そのものが控えめなのですが、そこに個性が感じられて。

ビバップ、モード、フリーといったモダンジャズのスタイルの変貌で、Evansはフリーに乗らなかった記憶です。
番組ではモードの説明を端的に示していました。一曲の譜面上では二つのコードしか使われていなかった点です。
やはり、この自由さは金魚鉢から湖に放たれた魚みたいなもんだよなぁと。

番組の締めくくりは二人のピアニストによる共演でした。勿論上手だったものの、ちょっと弾き過ぎかなぁと。
番組終了後、AmazonでEvansのCDを幾つかチェックしてみました。ほとんどの作品はいまでも入手しやすい様子でした。
しかし、ヴァーヴのコンプリート18枚組は売り切れでプレミア価格に。自分が入手した数年前は八千円程度だったんです。ほとんどタダみたいな値段でした。まぁあの値段の方が普通じゃなかったとも思えますが。
これからEvansを聴く人は、代表的なアルバムを数枚聴いたらリバーサイドやヴァーヴのコンプリートに手出ししちゃって構わないと思っています。どちらも破格の値段で販売されるときがあったので。

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