東京五輪で参加予定だったナイジェリアの選手団と連絡が数ヶ月取れていないそうです。
事前合宿先だった苫小牧市が受け入れを断念したとの報道。
不思議な話なのですが、まだ入国前で良かったのかも知れません。
過去のロンドン五輪ではアフリカの某国の選手が宿泊先から行方不明になってしまったそうで。
亡命希望とかなら分かるのですが、そうでは無かったらしく。簡単には来れない楽園、そこに逃げ込んだとしても、この先どうやって生活を続けるのだか。
その某国、十年近く前に自分は政府系の技術支援で十日間ほど伺っていました。
特殊な自然災害が過去に発生し、多くの人命が失われた事故があったのですが、その自然災害のメカニズムを解明するために必要だった分析装置を提供する仕事でした。
自分の役割は装置の据え付けと現地の研究者のトレーニング。
設置環境の問題は多く、突然半日停電とか暖水とか。他にも、既に設置されていたPCが半壊れ状況でそれの修理とか。
しかし、一番の問題は据え付けているそばから小物が無くなってしまうことでした。
そんなの盗んだところで他に使い道が無いし、換金も出来ないと思うのですが。
途中で分かったのですが、結果が上手く行くまで帰国出来ないそうで。
予備日は超えてしまいましたが、予定された帰国日の数日前にトレーニング含めて全て上手く持っていきました。
しかし、政府レベルの支援で助けに来ているのに、彼らは何故に盗んだり約束を守れなかったりなのか。
まして高等教育まで受けてきたらしき研究者達なのに。
文化の違いといったレベルでは無さそうにも思えます。
彼らの多くはお金が無いそうです。
なので、昼食を取らないのが普通で。だけど、おごってあげるという前提であれば頂くそうです。自分が煙草を吸い始めると、たかられてあっという間に本数が減ってしまい、出国前に多めに入手した煙草も早々と切れてしまい。
しかし、何方もプライドはとても高く、何事も自信満々で。
自分の帰国から数ヶ月経った頃に、その研究者達が日本へ研修に訪れました。当初は歳をとったお偉いさんばかりの選出だったものの、それでは後が育たないので若手をよこせと。
自分の会社でもトレーニングをしたのですが、やはり小物が無くなりました。欲しければプレゼントしてあげるのに。
その晩に東京観光に自分も付き合ってほしいとのお誘いがありました。
突然の話でしたし、自分も予定があったので断ってしまったのですが、あれに付き合っても面倒見切れなかったと思います。
出先で物を盗まれたら、何処までサポート出来るのやら。
何処までモラルを持っているのか、自分にはさっぱり分かりませんでしたから。
過去に出張で伺ったヨーロッパでは全くそんな場面がありませんでしたし、逆に日本に現地の技術者がやってきたときは何の心配も無かったので、時間を問わず世話してあげたものでいた。
民族とか人種差別のつもりは毛頭ありません。現にヨーロッパで一番お世話になった技術者はアフリカ系の人種でしたし、まともな教育というか道徳観を持っていて。
某国がどうしてこうなってしまったのか一時期考えたものでした。
恐らく、ここ十数年で急激な物質文化になってしまい、物は溢れたもののお金が無いのかと。そもそも所有という概念が薄い中で物が溢れてしまったのかと。
物質文明になる前に、モラルというか道徳教育みたいなのが普及していたら、違いがあったのかなぁと。
大昔に「ブッシュマン」(コイサンマン)という映画がありました。
上空を飛ぶ小型飛行機からポイ捨てされたコカ・コーラの瓶がアフリカの原住民に拾われて、展開するストーリーでした。
観たことも無い瓶は原住民の中で奪い合いになり、これは争いの元になるし持ち主に返そうと主人公が旅立ち。
ずいぶん前に観た映画で、ストーリーはちょっと違っているかも知れませんが、コミカルな場面が案外面白かったです。(あらすじを検索したところ、ちょっと違っていました)
まぁナンセンスな社会風刺的な作品くらいに思っていましたが、時代が多少変わってもアフリカの本質を突いているのかなぁと。
過去にも似たような記事を綴っていますが、今回のニュースで「あぁまたか」と思えた次第です。
五輪関係、地方の町が合宿先だったりで地元ボランティアのサポートもなかなか大変だろうなぁと思います。(会社で研修を実施した際は既婚の女性社員が最も真面目そうな研究者から口説かれたそうで)
よほど大きなトラブルでなければ、表に出てこないのでしょうし。
「郷に入れば郷に従え」なんて言葉、通用する国は限られていそうにも思えます。
日本人の海外渡航も昔はマナー違反が多かったそうなので、いつかは改善するのかな。
追記:
偶然ながら、現在の大河ドラマが面白く。幕末の徳川がフランスに派遣した使節団。
当初の珍道中とか、ストーリーの展開に目が釘付けです。
フィクションも当然含まれるのでしょうけれど、原作者の歴史検証が凄いというか。こんなことがあったんだなぁと。
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