昨日のお昼時、BSで「戦場のピアニスト」が放映されていました。直前に気付いて滑り込みセーフの録画。
この作品は過去にも一度観ていたのですが、毎度の途中からで。その際は隠れ蓑にしていた病院が火炎放射に遭い、危うくのところで脱出した辺りでした。乗り越えた塀の先は破壊され尽くした街。
作品のタイトルも知らずにそのまま見続けたところ、弱弱しく逃げる男の正体はピアニスト。ドイツ将校に見つかってしまった場面が印象的でした。
過去に途中から観て釘付けになった作品に「生きてこそ」というのがあったのですが、あれに匹敵するインパクトがありました。途中からですと、益々「どうしてこうなっちゃったの?」で。
今回はようやく最初から観れました。
やはり、ドイツ将校に見つかった場面での演奏が素敵でした。たどたどしいとも思えるピアノタッチから入るのですが、久し振りのピアノでちゃんと指が覚えてくれているのかな?なんて心配も入ったり。
演奏だけで色々と考えさせる音と映像、これは見事としか言いようが無く。
高校時代に自分はジャンルを問わず気になる音楽を聴き漁っていました。まぁ、当時流行っていたアイドルは全く興味なく。
高校二年くらいの時だったか、ショパンのノクターンをラジオの番組表で見つけてカセットテープに落としました。
演奏者は全く知らなかったアジア人。それもベトナムの若手らしく。
何の期待もせずに聴いた演奏が、なかなか衝撃的でした。美し過ぎまして。
この世代のベトナム人というと、ベトナム戦争を直に体験していそうですし、どうやってここに辿り着いたのか不思議だったり。何でも、ショパンコンクールで優勝もしていたそうで。
後から知ったのですが、このダン・タイ・ソンさんという演奏家は実際に相当な苦労をしていたそうです。(防空壕の中のダン・タイ・ソン)
若かりし頃の水谷豊さん主演のドラマで、獄中にて紙の鍵盤で練習するような場面があったのですが、防空壕の中で同じような経験をしていた人が実際に居たとは。
自分もピアノを過去にやっていたお陰で助かった場面や交友範囲が広がった場面があったりでした。
特にヨーロッパ出張時にお世話になった宿で、YAMAHAのグランドピアノが置かれていて。これをキッカケに宿のオーナーさんと交流が深まったり。
日本からやってきた搾乳ロボットのエンジニア、こんなのがショパンを弾くとは思わなかっただろうなぁと。
昨日のテレビ放映後、作品の感想をTwitterで検索したのですが、感動した系の意見がやはり多かったです。
しかし、中には「(奴は)運が良かっただけ」とのTweetも。なんじゃそりゃ。
ストーリー中には主人公をかくまってくれたり、瀬戸際で引きずり上げてくれた方が何人も登場しました。助けるのも相当なリスクで。
単に音楽家として優秀だっただけでなく、それまでの普段の人柄も救いようがあったのだと思います。
あの作品中で、主人公が何者かも知らずに助けたのはドイツ将校くらいだったかも知れません。あの場にピアノとあの演奏が無かったら、どうなっていたんだろう。
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