新しい職場で一ヵ月少々色々と経験しました。
80歳の会長を含めてこの会社の年齢層は高めです。社長は78歳くらい。
自分の上司は二人居て、それぞれ73歳と60代後半。
普段、仕事で多くの時間を一緒に過ごすのは60代後半のKさんです。
Kさんはこの会社に入って4年目くらいだそうですが、この業界には長く、製品の様々な問題を解決してきた功労者でもあります。
ここには綴れないような製品の大きな問題も過去にはあり、そんな場面でも何とか対応してきたそうです。
現在も幾つかの製品で問題を抱えていたりするのですが、誰もが頼りにするのはKさんです。
表向きは穏やかなKさんなのですが、誰よりも不満を抱えている様子です。実際、自分と実験室にて二人で居る時は愚痴が多く。
それも、何十回も聴いた同じ話が多く。それを聴いてあげるのも自分の役割かなぁと。
他に捌け口が無いだろうし。
Kさん曰く、うちの会社は経験を積む高齢者を安く雇ってこき使っているそうです。実際その通りです。51歳の自分は社内で若手の部類で。
しかし、Kさんの話はコロコロと変わる部分がありました。昨日言っていた事と内容が変わっていたり。
過去の話とか世間話であれば別に問題ないのですが、現在進行形の仕事の指示で内容がコロコロ変わっては色々と問題が生じてしまい。
結果的に、技術の応援で修理の手伝いにやってきた方も二度手間どころか三度手間を強いられたりしていて、途中で怒りを露わにしたり。
自分の方はそんなKさんの性質に気付いていたので、地雷を踏む前にもう一度質問して確認するようにしていました。
しかし、Kさんは本人のそんな性質に全く気付いていない様子です。「この前も言ったけど」と怒り出すようになってきてしまい。
自分からすると「この前と言っていることが違う」から一々確認しているのですが、Kさんからするとそれが不愉快な様子で、最近は怒り出すようになってきました。
怒り出す機会は増える一方。普段穏やかな人ほど、怒ると切れがちだったりで。
自分も、どうして何度も確認するのか説明すべきなのかなぁと毎度迷えています。
ただ、それを言ったところで火に油を注ぐだけだよなぁと。もうこの歳なのだから無理もないくらいに思っていて。
そもそも、Kさんが怒れる相手というのは自分しか居ないのだから。
あと、加齢が原因なのか分かりませんが、Kさんはマルチタスクな処理が苦手な様にも観えました。臨機応変に複数の作業を進行させるのが苦手というか。
結果的に主力商品の修理対応を怠って、関連会社に迷惑を掛けたり、その修理に必要な部品の在庫管理が滅茶苦茶だったり。
絶対に止めてはならない作業の流れを止めてしまい会長が激怒した場面もありました。自分がここ数週間手伝っていた修理は特に誰からの依頼でも無く、観るに観かねてでもあって。
三週間ほど前にこちらの記事で綴ったAさんとは、その後本音で話せる場面が増えました。上記の修理の応援で当初しばらく困った存在ではあったものの、助け合いの場面も増えてきたり。
特にKさんからのコロコロ変わる指示ではAさんと自分で「そうでしたっけ?」と確認し合ったり。
Aさんの方は本業が最近忙しい様子で、自分と一緒に修理する場面が減っています。本業の忙しさよりも、二度手間三度手間になりがちな修理作業に嫌気がさしてきた様子にも思えて。
そして、昨日の午後のことKさんは突然キレました。他の同僚と技術の何てことない話題を出していたところ割って入ってきたKさんの怒りは凄まじく。
何に怒っているのかよく分からず同僚とポカンと。とりあえずなだめるのみ。
自分が普段居る実験室は関連会社の方々が製品を納めに訪れたりする機会が多いのですが、その日の午後は関連会社の方と長々と会社の不満をあらわにするKさんでした。
その話題も何度も何度も聴かされている内容で、進歩も何もあったものではなく。
自分の方も先程の件で不愉快な思いが続いていたし、そんな話題は聞き流して目の前の修理に励み。
いつもなら話に加わったり相槌を打ったりなのですが、何だかこれはもう駄目だなぁと。
医療業界上で会社が守らなければいけないルールがあるのですが、この会社は多くの部分でルールを逸脱しています。バレたら大問題です。
離職率も激しい会社なので、年中採用を繰り返しているのですが、この業界に精通した人の採用を最近は控えている様子です。
というのも、実情を知られて直ぐに辞められたら危ないからです。それを漏らされたらかなり不味いからです。
また、年中大怒りの会長が怖くて、不都合な事実を誰も会長に報告出来ない環境にもなっていて。
特に会長が期待した製品は会長の個人資産で開発費が投入されていたりなのですが、そんな製品ほどなかなか売れず。
「どうして売れないのか?」と会長は激を飛ばしたりなのですが、不具合が多くて売るのが怖い面もあったり、仮に売れたら技術側も後々の面倒が大変で。
その不具合の原因について会長は何も知らなかったり、知っていたとしても既に解決済みとでも思っているようです。
社長以下、主要な社員は知っていても会長だけ知らない問題は幾つもあるそうです。
会長が過去にクビにした社員は数知れず。怒鳴るのが趣味だと豪語する会長にほとんどの社員は萎縮して。
それが何故か自分には少し気を遣っている会長です。周りもそれに気付いています。同郷であったり、上京して夜間大学に進学した経緯が似ているだけでしか無いのですが。
自分からすると、転職歴の多い51歳の履歴書を拾ってくれた有難い会長です。
ただ、その会長にゴマをすったら周りからの信頼もなくなるし、そんな真似はしませんでした。元々ゴマをするような性質では無いですし。
ここ数週間は会長から直接の指示が何故か自分に多く。短時間で結果を出せる内容から片付けてはいました。
勿論、その都度上司には報告していたものの、二人の上司はその流れも当初から気に入らない様子でした。
自分としては誰の顔も潰したくないので、なるべく根回しをするように心掛けてはいましたが、なかなか無理のある場面も多く。
ともかく、短期間で片付けられそうな会長からの依頼は翌日までには対応するようにしていました。恐らく、そのほとんどは会長も認めてくれていた様子です。
問題なのは中長期的に時間の掛かってしまう依頼内容です。この会社の社員は中長期的な対応に慣れていない様子ですし、だいたい入社したばかりの人の言う事など聴く耳も持たず。
悪く言ってしまうと、会長がこの会社を吸収してから場当たり的な対応しか出来てこなかった様子です。その場しのぎというか。
なので、整合性の取れていない部分が散見されて。本来あるべき書類や記録が残っていなく、「語り部」状態な部分も多く。
立場の弱い人物を攻撃対象にしたり、責任を擦り付ける流れみたいな暗黙のルール。尼崎事件のような組織が出来上がってしまったのかなぁと。
そして、もう一人の上司です。
実質技術部門のトップのSさんですが、入社当初からほとんど口を聴いてくれず。
面接段階でも入社段階でも会長は「お前ら二人にはもう任せられん!これからはこいつに任せる!」と。この二人の片方です。
入社三日目の時点で自分は社長とお酒を交わしたのですが、その席でも「会長からあんな紹介をされたら、二人とも警戒しちゃうよねぇ」と。
実際に全くその通りの流れになってしまい。
二人の上司とは昼食も数週間共にしたものの、そこでの世間話とか共通の話題で盛り上がりそうになった途端、ハッと何かに気付いて口を閉ざすSさん。
業務上でも途中からは嫌味しか言ってこないSさんでした。
元々は同業種の中堅企業で相当な立場まで上り詰めたSさん、技術力や知識も豊富で。
この会社に入社する二年前までは数年間小さな会社の社長だったそうですが、何かの理由で会社を畳み、社員三人を引き連れてうちの会社に来たそうです。
KさんはSさんに何故かゴマをするような接し方が多く。Kさんが修理作業で相当忙しくてもSさんは絶対に手伝わず。
主力商品の修理の流れが止まり、会長が激怒し、一時的には社長まで修理を手伝った場面でもSさんは手伝わず。
何故にここまで逃げているのか、理由は謎です。
ある日、Kさんにその件について質問してみたのですが、Kさんも謎だそうです。そして、実はKさんもそんなSさんに不信感を持っているとも。
Sさんはこの業種で必要な書類についての専門家でもあり、講師として招かれたり関連会社の指導にもあたったりしているのですが、何故かこの会社ではその必要な書類さえ作らず。
入社から二年も経っているのであれば、ある程度は整えられた部分だと思うのですが。
のらりくらりとやりすごすばかり。
SさんとKさんは「坊ちゃん」の「赤シャツ」と「野だいこ」のような関係というか。
ともかく、この二人にも信頼関係など無さそうです。
この二人、技術力も経験値も相当高い高齢者です。他でも十分食っていける能力があるハズなのに、何故に問題だらけでやりにくいこの会社で働いているのか不思議です。
どうして辞めないの?と。
余程の借金を抱えているワケでもなさそうですし。年金だって律義に納めてきた模範的市民だと思いますし。
コロナ禍でも無かったら、この二人とお酒の席でその辺の事情を聴いてみたかったです。
せめて、自分の周りの社員くらいは仲良く信頼関係を持ってやりたかったのですけれど、これさえも無理だと悟った昨日でした。
長々と綴ってしまいましたが、色々な管理体制もなっておらず、扱っている製品も危なく。要は将来性も乏しく。
社内では会長の負の側面ばかり話題になっていますが、会長が居なければ万年赤字体質で潰れた会社です。僅かなボーナスも支給されなかったでしょう。
売れそうな商材を持ち込んだのも会長のお陰ですし、強引な手法でも全てを決めてきたのは会長です。
会長が居なくなったとしたら、きっと何も決められなくなる組織だと思います。エゴのぶつかり合いでしょう。
何よりも、会長が居なくなったら次の商材が見つからないかと。
昨日は会社に持ち込んだ私物を全て持ち帰りました。定時でピタッと帰社でした。鞄に入りきらなかった荷物は手提げ袋に。
実験室に居るKさんに挨拶しない帰社も初めてでした。
なので、何かの異変に気付いたのはKさんくらいかも知れません。
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