今宵の事、気になっていた映画「万引き家族」をやっと観れました。
感想としては、記憶に刻まれる作品だったなぁと。素直に良い映画だったと。
誰しも起こりえる環境下でのストーリーだと思えました。あのボロ家とか、散らかった部屋とか、見捨てられた子犬を拾うように小さな子供を拾ってきてしまう家庭とか。
老若男女、家族全員が痛みを知っていて、いま一番困っている人を観掛けたら迷いつつも素通り出来ず。
リリー・フランキーさん。この方の名前は存じていたのですが、主演がこの方だったとは。
作品上は、もう何処にでも転がっていそうな小汚いオッサンでした。いつ風呂に入っているのかも分からないような体臭まで漂ってきそうな。
安藤サクラさん。名前も全く存じておりませんでした。飾りっけなんて二の次で生活臭漂うおばちゃんでしかないのは前半まで。少し化粧するだけでこんなに綺麗なのに。いつもやる気無さそうな雰囲気なのですが、土壇場では覚悟のセリフが。
樹木希林さんについては説明無用で、もうあのままです。完璧です。
二人の子役も頑張っていました。特にラストシーンの女の子が「また連れてってくれないかな」と。
あと、若手の女性。さめた目で世の中みているようですが、案外そうでも無く。
撮影のテクニックとかに疎いのですが、亡くなったお婆ちゃんの髪しか映さなかったり、夜逃げに失敗し捕まる場面が車のヘッドライトで照らされるだけとか、この間接的な表現がまた優しさあって。
十年位前に神保町の救世軍でシスターと少しお話する機会がありました。年末の社会鍋の季節でした。「エリートだった人ほど、上手く行かなくなったら大変なのよ」と。
人のぬくもりとか優しさとかを尊重できるこの作品の家庭の方が、よほど幸せなんだろうなぁと。
自分が若い頃にこの作品を観ていたら、ちょっと貧乏でも素敵な家庭を持つべきと思えたのかも知れず。
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