昨夜から本日にかけて観た映画の一つが「スノーデン」でした。
合衆国の諜報機関の裏事情を暴いた男のストーリーでした。2013年に世間を騒がせたニュースを題材にした実話らしき作品です。
映画作品なので、多かれ少なかれ着色はあるのでしょうけれど、まぁまぁ見応えのある内容でした。自分もIT業界の端くれに居たりもしたので。
政府の裏事情を知る立場で、それを暴露してしまうのはどんな人格だったのか?と世間を騒がせた当時から気にはなっていました。
主人公のスノーデンは、IT系の知識や能力は卓越していましたが、映画で扱われる本人の生活は至って普通の青年でした。人並みの恋愛も同僚との信頼関係も築けていて。
むしろ、特殊な環境での仕事で同僚との信頼関係は良かったくらいです。
名目上はテロ対策の情報収集を担う組織でしたが、実際のところは一般人のプライバシーにも容易にアクセス出来たり、それらを収集していたりで主人公や同僚達の良識を問われる日々でもあったようです。
ファーウェイの製品はバックドアがあってセキュリティ上危険。とのニュースや話題が多いこの頃ですが、実際に噂だけで具体的な実害はまだ自分も聴いていません。
しかし、本作品では合衆国を代表する数々のIT企業が国の諜報機関にバックドアを提供していて。グーグル、フェイスブック、マイクロソフト、アップルもです。
情報の漏れた先が合衆国なら許されて、他国は許されないというのも妙な話に思えます。核の保有で許される国と許されない国に近いというか。
皮肉なことに、スノーデンは暴露後にロシアに亡命したような状況になっています。元々は合衆国の愛国心を持っていた主人公は、合衆国のお偉いさん相手に追われる立場となってしまい、結果的に敵国に守られた状況で。
まぁ合衆国を心から嫌いになったワケで無く、その国民に事実を知って頂いて判断してほしいという流れだったようです。同僚や上司の一部はその報道に喝采し、上司の一部は凍り付いた結果でもありました。
主人公は全てを捨てる覚悟があったのですが、恋人だけは失わずに済んだ様子でした。
自分も嘗ての仕事で社内の各種サーバーの管理もしていたので、時として見たくも無い情報に触れざろうえない場面がありました。中には酷い情報も含まれていました。
ただ、知らなかったフリが必要で。
情報系部門に限らず、事故処理的な仕事が含まれる部署では他言出来ない場面はあったりしますし。
そんな事を思い出したりの映画でした。主人公はこの後にどうやって食っていくのかなぁと思いつつ。
作家の景山民夫さんも暴露本を出版したりしていましたが、妙な終わり方をしていたよなぁと。
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