劣等感

自分も若い頃少しは劣等感もありました。
顔が大きかったり運動が苦手だったり。まぁ悩む程の問題でも無く、今となっては何ら問題無く健康でいれるだけ幸せで。
しかし、劣等感むき出しの人は何人も観てきました。

高校時代の通学のバスで絡んでくる他校生は中学で隣のクラス。毎度嫌味ばかりの気の毒な男で、よく言われたのは「お前が引っ越してきたせいで、俺はお前の高校に入れなかった」と。
ホンマかいな?でした。奴の成績など自分も知りませんが、ギリギリの成績で自分の高校に入学した連中は赤点だらけで苦しんでいて。むしろ身の丈にあった高校に進んで良かったのでは?とも言えず。
奴は自分の高校の同級生にも同じ嫌味を投げていたそうで、学業以外に何か足りない部分があった様子です。

以前の職場で「大学に行きたかったのに」を口癖にしていた若者もいました。家庭や金銭的事情で大学進学を断念したらしいのですが、やりようが全く無かったとは思えず。
他の同僚にも同じ愚痴を垂れていて「だったら行けば良かったじゃん」と。確かにその通りです。
勉強の出来る奴なのかは分かりませんが、大人になっても後悔するのであれば、今からでも遅く無く。自分の進んだ夜間の大学には三十五歳の同級生も居ましたし、奴はまだ二十代前半。

ここしばらく身近な存在だった組織にも四十代だというのに劣等感の塊みたいなのが何人か。
当時、地元の進学校の生徒には嫌な思いをしてきたから、あの高校は許せんとか。大卒は大嫌いだからそれだけで虐めたくなるとか。
随分と情け無いオッサンに育ったものである。としか言いよう無く。その部下達も気の毒で。口にしなけりゃバレない劣等感だったのに。
状況的には孫請けの組織で、ずっと無理を強いられてきたそうですし、上の組織もその上の組織も過去の学業優秀者が多かったに違い無く。
だったら、そこに行けば良かったじゃんとも言えず。

行かなかったのを決めたのも当時の本人ですし、歳を重ねても本人に変り無く。選択肢が全く無かったワケでは無かったでしょうに。少し時間が経った後だったとしても。
自分がその立場じゃ無かったから分からないのかも知れません。
しかし、学歴が低くても身の丈に合った暮らしで幸せな人も居るんですし。

その人達は知らないでしょうが、逆のパターンもありました。
過去の仕事で採用側に立った場面ででした。中途採用の募集でしたが、超高学歴でも氷河期世代で浮かばれない転職を強いられた方々です。一時期は非正規の研究職だったらしく。
紹介文が面白かったので、自分は面接の機会を推したりでしたが、周りは許してくれませんでした。
うちみたいな理不尽も強いられる環境ではプライド捨てて謝るしか無かったり、それが出来るとは思えないと。学歴の低い方の意見でした。
分からなくは無いですが、一緒に働いてみないとそれこそ分からんのになぁと。

そんなこともあり、自分は学歴的にも丁度良い具合だったかとも。
大学院にも進めるオツムはあったつもりですし憧れもありました。しかし、無理に進んでいたら社会人になるのが数年遅れて、最初の就職の機会も厳しかったと思えています。
自分はバブル組の最後の世代でしたから、苦もなく最初から正社員でいれたり、それを職歴に活かせた恩恵はその後も大きかったです。
これはけっこう幸せかも知れません。

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