文章力の無い人

自分のことを棚に上げた記事です。
多分、自分がBlogに綴ってきた記事も突っ込みどころ満載かと思っています。最近は読み直しもロクにせず投稿している傾向で、老眼も手伝い誤字脱字は増える一方かと。

インターネットやSNSが広まったお陰で、誰でも自分の文章を公の場に載せられる時代。
この場面でも中には酷い文章なのが見受けられたりです。内容が酷いのではなく、文章そのものが酷く。
以前に読んだ文章の書き方についての参考書では「美文の評価は人それぞれだけれど、悪文は一目瞭然」といった表現がありました。
悪文とは主語がどれなのか分かり難かったり、修飾語がどの部分に対してなのか分かり難かったり。ともかく、読んでいても不愉快になる作りというか、何を伝えたいのか分かり難いというか。
メッセンジャーなアプリ等の短文では粗が出難かったっりですが、それさえも何を言おうとしているのかよく分からない方も居て。

仕事上でも酷い文章に遭遇する場面がたまにあります。
比較的教養のある方はまず大丈夫なのですが、教養も低く文章を読む機会も書く機会も少なかった一部の方の文章はかなり残念で。
この残念な方の場合、会話の内容自体知性の欠片さえ無かったり、当たり前の見解しか無かったり。「砂糖は甘い」「塩はしょっぱい」的な話を永遠に聞かされて楽しいワケ無く。
話題そのものが新鮮だったり、あまり知られていない事象であったり、ありきたりの話題でも独自の見解だったりが面白いハズで。ちょっとズレてるくらいの方が個人的には好みです。

高学歴の人が面白い文章を書くのか?といったら、必ずしもそうでも無いですし。単なる暗記力だけでやり過ごしてきた方も実際に居て。
世間的な低学歴でも凄い人は居ました。池波正太郎さんは小学校しか卒業していなく。ただ、池波正太郎さんは若い頃に沢山の文学や演劇や文化に触れてきて、才能を開花させるキッカケやそれに対する興味はあったんだろうなぁと。

自分は学生時代の国語の評価が周りより低い方でした。平均以下で足を引っ張る科目の一つでした。
現代文を読む速度がともかく遅くて。興味の無い話題の作品とか、それが読んでいてつまらないと絶望的な速度です。(漱石の「こころ」については前半がかなり厳しかったですが、後半はどうして?で一気に読めたり)
漢字を覚えるのも苦手で、読めるけれど書けないのは未だ続いています。パソコンが普及したお陰で、助かった部分の一つが漢字変換だったりです。
ただ、何故か作文では評価頂けた機会が幾度かありました。なので、書くこと自体は嫌いでは無く。

しかし、社会人になってから要求された文章力は別物で、大きな金額の購入稟議を初めて綴った際は上司からの徹底的な指導が入りました。二十代前半のことでした。
最初はボロカスに言われました。「こんなの日本語じゃない」とか。ただ、自分はかなり信頼を置いていた上司でしたし、厳しい中にも愛情の伝わる上司でした。
あの矯正された経験で、その後の仕事で恥をかく機会も少なく。

身の回りであったことなのですが、三十代手前の社会人の文章力がかなり足りていない状況です。それでこの記事を綴っています。
前途の悪い条件が全て当て嵌まるパターンで、何とかしてあげたいなぁと思いつつも人柄にも難点があり、自分が何かしたところで恐らく余計なお世話になるだろうなぁと。
誰が読んでも面白い短めの名作でも紹介してあげられたらなぁくらいには思っているのですが、恐らく興味もないだろうな。
その方は書類の書き直しを何度も迫られている状況なのですが、文章力の足りなさに恥ずかしさを感じているのかも分からないです。上司の指導による伸びしろがあるのかも分からないです。
周りの方とその話題になった際は「あの歳であの文章力はちょっとなぁ」となってしまい。

まぁ、未経験だったのだから仕方がない部分というのは色々とあるかと思います。
それでも、社会人としての文章力は二十代前半くらいに鍛えておくべきでしょうか。

やはり気付く機会があったかどうかでしょうか。名文に感動した機会があったか。
自分の場合は、とくに高校時代に仲の良かった友人達と本の貸し借りが多く。「おまえこれ読んどけ!」と渡された作品に発見が多く。
五木寛之さんの「青年は荒野をめざす」を紹介されたのは学校祭のステージでラッパを吹いた後でした。
五木寛之さんの作品に初めて触れたのがソレで、自分にはなかなか斬新でした。当時の自分は高校二年生。作品に登場した主人公はプロを目指すラッパ吹きで高校を卒業したばかり。
しかし、その主人公は自分よりもよほどマセていて独立心があって、たまたまの出逢いのエロな場面に身を任せ。
当時、女性を知らなかった自分には未経験の世界、海外の旅も含めて未知なる世界。好奇心が掻き立てられ。
そんな作品の感想を語り合うのも楽しく、放課後の高校の図書館は憩いの場でした。
恵まれた環境だったと思います。

また面白そうな作品を探したり、感銘を受けた作品を読み返したりしたいと思いつつ、進む老眼が手元の文字を遠ざけて。
若いっていいよなぁ。

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