向かいの部屋に空きが出た

このマンションに引っ越してから、あと半年で三年を迎えます。ローンはあと七年ほど。
住み始めてから色々と問題もありましたが、魅力の多い集合住宅です。

既に築三十年経ったマンションですが、自分の理想に近い雰囲気でした。
昨年放映されたドラマ「ひよっこ」で売れっ子女優さんが住んでいたマンションを小ぶりにした雰囲気です。
あんなに立派ではありませんが、レンガ風のタイル張りの風合いや、無駄に背の高くないシルエットがセコセコしていなくて。
このマンションは昭和の後半から平成の初め頃まではブランドマンションだったそうですが、今となっては部屋の間取りも狭さを隠せないものの、それまで暮らしていたマンションよりは快適です。
普段の快適さだけを求めるなら最新のタワーマンションに限りますが、大震災時とか大規模修繕時とか、あれは恐ろしいと思っています。まぁ、自分には手の出せない値段ですけれど。

「ローマの休日」でグレゴリーペックが暮らすアパートメントみたいなのがずっと理想でもありました。
あの建物も公開当時既に古臭いのですが、何だか独特なアジがあって。
古くなってもアジのあるのが素敵に思えて。日本ですと同潤会辺りでしょうか。
他にも、かなり独特ですが中銀のカプセルタワーなんかも。

雨が多い風土もありますし、修繕が滞っているのもありそうです。
自分の暮らすマンションは、その辺も最低限はしっかりしている様子です。何かの修繕や点検が年に幾度も入っています。
実際、この周辺で同時期に建てられた他のマンションはちと残念な見栄えなのも多く。
そして、ここを選んだ理由の決め手は庭に単車を置けること。あと、小さな畑もあること。
こんな物件は滅多にお目に掛かれませんし、未だ貴重に思っています。

自分がこの物件を購入してから、中古マンションの相場が上がっている様子です。
中古マンションの底値はリーマンショックのあった2008年頃だったと思います。
あの頃は凄かったです。都心の中古ワンルームクラスは捨て値でした。現在は当時の価格の三倍近いのもあったりです。
当時も買おうと思えば買えたのですが、この先も一人暮らしなのか見極めがつかずで、やり過ごしまして。
当時は兄の事業の連帯保証人でもありましたし、これは大きな借金と見なされるそうで。

いつも腰の低かった御向かいが今年の初旬に引越されてしまったのは残念でした。
いつもニコニコ笑顔の旦那さんは五十代の気取らぬオッサンでしたが、若い頃はきっとモテたんだろうなぁと。奥さんも綺麗な方でした。
引越し直後からリフォームが入り、内装は全て入れ替えた様子でした。
その物件が最近売りに出されました。これがけっこうな高額。
更に郊外でもう少しお金を積めば、新築のマンションが買えてしまいます。

この風合いある外観が好みという変わり者の目に留まったら、案外早く買い手が着くかもしれません。
そうでなければ、ジワジワと値下がりもあり得ます。
どっちに転ぶか、ちと気になります。
下手に高値で売れてしまうと、自分の固定資産税にも跳ね返ってきてしまいそうですし。
まぁ、余計な心配だとは思います。

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