遅い人にペースを合わせる

平昌の冬季五輪で、ちと思い出してしまった場面がありました。
女子団体パシュートの競技で韓国のチームが後ろの選手を置き去りにしたニュースででした。
まぁ酷い話なのですが、似たような場面は実生活でもありそうで。

二十代の終わり頃、大きな会社の社内バンドで自分はピンチヒッター的にベースを弾いていました。
自分の演奏はそんなに上手いワケではありませんでしたが、元のメンバーは仕事が忙しいという理由で練習にも来れなく。
譜面も渡されずに向かったスタジオでの初回練習はコード進行も分からず、ほとんど弾けず。
その後はインターネットに出回っているmidiのソースから譜面を起こし、課題曲を猛練習。

バンドメンバーの演奏レベルはマチマチでした。プロでも通用しそうな人が何人か居ましたが、全く話にならない方もチラチラと。
ドラムを担当していた方は定年も近そうな男性でした。Jazz上がりの方で4ビートはノリノリでしたが、8ビートはかなり厳しい感で。
練習中もドラムはテンポのキープが甘く、ベースの自分は合わせてあげるべきかベース側が引っ張るべきか幾度も迷えて。
スタジオでの練習は三回程度だったので、もう少し練習の機会があれば良かったのかも知れません。

本番は会社のパーティーででした。海外の支社から集まった連中のパーティーには会社のトップから役員まで揃っていて。
その本番で、アップテンポ気味の曲をとんでもない勢いでドラムが叩き始めて。
えっ?と思いつつ、こちらも必死に着いていったのですが、ドラムは16小節も持たずにどんどん減速。
自分は元のテンポをキープしようとしていて、他の奏者はドラムに着くかべきかベースに着くべきか困った様子。
「責任持ってあんたが始めた最初のテンポ貫いてくれよ」くらいに思っていました。
演奏は無事に終了したのですが、どうにもスッキリしない本番となってしまいました。

後から考えたのですが、ドラムはお年寄りでしたし自分は若造でしたし、自分が合わせてあげるべきだったのかなぁと。
少なくとも、ドラムは途中から自分のテンポに着いてこれない状況だったのですし、リズムが崩れたバンド演奏はみっともなく。

あれ以来、気付く範囲では遅い人にペースを合わせるようにしています。
町歩きの撮影係だったときは、ご高齢の方が後ろで離れてしまうと、だいたい一緒に歩いていたなぁと。
そんなワケで、今回のオリンピックのニュースは何だか色々と思い出させてくれました。

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