勘違い

名前の隣に括弧でくくられた数字があると、それは本人の年齢に一瞬思えてしまいます。
『SUKIYAKI@三号さん(22)』はあたかも二十二歳の人の様で。
学生時代からの付き合いになるT夫婦とは、特に夏場の思い出が多かったです。
どの年の夏だったのか思い出せない出来事もあったりです。
自分にとってインパクトのあった思い出は伊豆半島の海水浴でした。
あのときは、二十二歳くらいだったと思います。
当時、まだ結婚していなかったTカップルと自分を含めた三人組は、海水浴の前夜から峰子ちゃん(現T嫁)の家に泊まりに行く予定でした。
まだ部屋が片付いていないということで、峰子ちゃんの家から車で五分ほどのドーナッツ屋さんで自分一人待たされることとなり、T君の車を降りると、ドーナッツ屋さんは見事に閉店時刻でした。
八王子郊外の全く土地勘の無い国道沿い。深夜二時くらいの外は雨。
T君は既に峰子ちゃんの家へ。
自分は仕方ないので、途中で記憶に残っていたファミリーレストランまで雨の中トボトボ歩きました。
携帯電話の普及していなかった時代です。
勘を働かしたカップルがファミリーレストランへ救出に訪れたのは二時間後くらいでした。
翌日の海水浴は、とにかく楽しかったです。
しかし、しっかり遊んだ帰り際、次の問題が発覚しました。
防波堤辺りを泳いで宙返りしていたT君は、海水パンツに車のキーを入れたままだったのです。
キーが無くなりました。
(以前のmixiの日記で綴った「出張アイヤー!サービスとは」のあの車です。)
JAFに電話しても、何時間後に来れるのか分からない状況。海水浴場は、かなりヒナビた場所で、最寄の駅も遥か彼方。
蚊に刺されながらも、針金等を駆使してどうにかドアをこじ開けました。
次の問題は、ハンドルのロック解除。
ハンドル周りを大胆に分解することとなりました。
その間、地元の農協の整備士の方が助けてくれたりしまして、深夜に車は走れる状態になりました。
鍵穴は濡れたティッシュを粘土状にして、ハンドルロックのかからない状態になりました。
エンジンは、アイスキャンディーの棒でスタートできます。
乗れることになった車ですが、大きなネジが四本ぐらい道端に転がっていました。
こんなのに乗って帰りたくない..。
ガァ
40km/h以上のスピードは絶対に出さないという約束の下、国道で自宅に戻ったのは明け方でした。
みんな疲れきっていました。
五万円のド中古車は、その後もちゃんと走りましたが、鍵穴は壊れたままでした。
あるとき、窓を開けるハンドルが妙に硬くなり、体重を乗せて回したら今度は妙に軽くなり。その直後、ドアの内張りに窓ガラスが落っこちました。
思い出の詰まったポンコツ車がいよいよダメになり、廃車にする際、峰子ちゃんはポロポロ泣いていたそうです。
五年くらい前、T夫婦と当時の武勇伝を笑っていたところ、「ドーナッツ屋さん事件とキー無くした事件は全然別の日!」と峰子ちゃんが訴えていました。
「そんな事件が立て続けに起こるわけ無い」という理由でした。
でも、当事者はトートバックを傘にした深夜や、防波堤の上でトートバックを乾かした真昼間も覚えているんです。
自分の勘違いかなぁ。
ガァ

コメント

  1. michi より:

    そう言われてみれば、括弧の中の数字って、どうしても条件反射的に年齢を想像しちゃいますね。
    それを見て、22歳の頃の自分にタイムスリップするなんて発想・・・私には少し羨ましかったりもします。
    携帯電話が普及してなかった時代って、人間はもっと勘が働いてたかも?待ち合わせ場所があやふやでも、付近でばったり出会ったり。
    それに、携帯電話持つようになって、ちょっとくらい遅れても平気だなんて、思いやりの欠けることも普通にしちゃうようにもなったかな・・なーんて少し反省?
    なんだかこれを読んでる間、私も22歳の頃に戻ってしまいました。
    エンジン・・・アイスキャンディーの棒でスタートできるなんてことは初耳!今度他人の車で試してみようかな?

  2. SUKIYAKI より:

    michiさんへ
    おぉ、こりゃまた古い記事の発掘を。
    携帯電話のお陰で、ドラマが減ったと思います。約束も軽くなったというか。
    エンジンのスタートキー、鍵穴を徹底的に破壊して、スイッチが見える状況にならないと、棒は入らないと思いますよ。
    たぶん、新しい車の場合、もっと高度な設計になっていそうな気もします。
    毎度出鱈目ながら、いい思い出なんですよ。
    ガァ

  3. michi より:

    みんなさぁ~、この記事にコメントしなきゃ!!って感じの素敵なエピソードですよ。これ。
    特に、峰子ちゃんが泣いちゃったあたりなんて・・・。
    実は、私15年以上、ペーパードライバーなんです。というわけでかぎ穴の構造も忘れちゃってます。
    でも、かぎ穴破壊しちゃうのって、なかなか勇気がでませんよね。
    >おぉ、こりゃまた古い記事の発掘を。
    偶然、SUKIYAKIさんブログを見つけて、はまってます。人生、どんな出来事にも素敵なハプニングがおまけでついてきますね。ちょっと違う視点でコメントしてしまうかもしれませんが、よろしくね!(とはいえ、活字コード(?)にひっかかるのは、どんどん消してください)