元市議が中国で無期懲役

中国で麻薬密輸罪に問われた元市議、控訴審でも無期懲役判決」とのニュース記事。全然知らなかった事件でした。
中国広東省広州の空港から帰国する2013年に覚醒剤を密輸しようとし捕まったそうで、この間9年。
空港でスーツケースの中から覚醒剤約3.3kgが見つかり拘束され、スーツケースは前夜にアフリカ系の男から預かったものとの主張で。

現在79歳の元市議は貿易会社を経営しているそうで、捕まった際の渡航も仕事関連だったらしく。恐らく、海外の経験はそれなりにあったかと。
海外旅行で最も注意すべきなのは知らない人の荷物を預からない事で、この注意勧告は特にどの空港でも徹底されていて、現地語が読めなくてもイラストで判るくらいで。
アヘン戦争で過去に酷い思いをした中国は麻薬に対しての罰則はかなり厳しく。アジア諸国でもそれで無期懲役になった邦人は少なくないそうです。
また、刑務所の環境も酷いケースが多いらしく。衛生面も酷いらしいのですが、食事も同様に酷いそうで。
国によっては普通の日本人の舌に合わない料理が現地の庶民の普段だったりですが、刑務所の食事など洒落にならないかと。

記憶に残る映画「ミッドナイト・エクスプレス」はアメリカ人の主人公が麻薬所持でトルコの空港で捕まってしまう実話です(ストーリーは着色されていますが)。
日本とは良好な関係のトルコなのですが、アメリカとは色々と上手く行っておらず、政治的な理由もあり主人公は重罪になってしまいます。

話を戻しまして。
元市議の別の記事を観たところ、こんな解説がありました。
「中国で覚醒剤の密輸は50グラム以上で最高刑は死刑と定められているが、75歳以上は死刑を適用しない原則がある」とのことで。
今回の判決は捕まってから9年後の無期懲役で、捕まった時点の元市議は70歳。
3.3kgの覚せい剤の末端価格は相当な額になるかと。
捕まった直後に判決が出ていたら「死刑」の可能性も十分にあったかと思います。

まして渡航慣れしていたのでしょうし、仮に騙されていたとしても言い訳にならないよなぁと。
この9年、日本政府との交渉もあったのだろうと思います。判決までの期間を延ばして、死刑にしなかった流れなのかなぁと空想したりです。
中国については他にもスパイ容疑で捕まる邦人が時々居ますが、判決までそれほど時間が掛からなかった記憶ですし、結果的に釈放されるパターンも少なくなく。
これが日本人でなければ、雑な対応も十分に考えられたかと。
人権や文化面で日本とは異質な中国としても、色々と気を遣った流れだったのかなぁと。
生ぬるい前例など残したくなかったでしょうし。

海外で危ない思いは自分も幾度か経験しましたが、他人の荷物だけは預からないようにしていました。
もし、自分の荷物が全部盗まれても、命だけ助かったら御の字で。
現地の領事館に助けを求めたら、きっと帰国させてくれるでしょうし。
物理的に近い国だからと安易な構えでは危ないと思えた今回の事件でした。

追記:
Fridayでも同様の事件を扱っていました。

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