世の中には話の通じない人というのが居る感です。
これは言葉の壁の問題でなく、聴く耳を持たないとか根本的に何かがズレている問題だと思っています。
通じない相手であっても、通じる人が居たりするので、組合せとか相性の問題なのかも知れません。
海外の仕事で言葉の壁には何度もぶち当たっていますが、知ろうとする姿勢が壁を乗り越えた場面は少なくなかったです。
下町暮らしの頃に一風変わった老人が居ました。
町のイベントでスタッフとして色々とお手伝いしていた頃なのですが、自分は町のHomepage向けの記事に添える写真の撮影も兼務していて。
力作業の場面では個人所有の鞄を一箇所に纏めて置いていたりでした。
しかし、自分の所有していたカメラは精密機器でもあり、荷物置き場を移動された際に手荒な扱いは避けたく。
それが原因で壊れても、自分の管理方法の問題でしか無く。そんなトラブルは避けたくカメラだけは肌身離さずでした。
それに対して老人は「誰も盗んだりしないよ!」と突然怒り出し。
そういった問題では無いですし、モノを盗まれた経験など自分はほとんど無く、何故に突然そんなことでキレるのか不思議でした。
こんな場面が一度や二度で無く。
町のお手伝いに参加し始めた頃も意味不明の文句を言われ、頭にキテ自分は途中で帰ってしまったこともありました。
ボランティアでやっているんだし、理不尽な要求はちょっと受け入れられず。
後から知ったのですが、この老人はかなりマイペースで、本人優先のトラブルはこれまで幾度もあったそうです。
そして、ある二月の餅つき大会で妙な事件が発生しました。
自宅前で毎年開催される町会の餅つき大会は、地域の重要なイベントで。
突き立てのお餅はとても美味しく、町会にはお米屋さんもいらっしゃって、大きな鏡餅を毎度作られていて。
この手さばきが職人技で、観ているだけでも楽しく。
そして、餅つき大会の後に問題が発生しました。
地元の小さな神社に奉納する予定の、あの大きな鏡餅が行方不明になってしまい。
餅つき大会は昼からの呑み会みたいなものですが、後片付けの後も二次会があったりで、皆かなり酔っ払っている中、鏡餅捜査が始まり。
複数の目撃者の話によると、あの老人が最後に手にしていたそうです。
老人に聴くと「鏡餅はI君に渡した」との話で。
そしてIさんに確認すると「鏡餅など受け取っていない」と。
この間に何か問題がありそうでした。
そして、翌日犯人が自首しました。
鏡餅は老人がネコババしたそうです。反省文のメールも周ってきました。
こういったトラブルで、Iさんは罪を擦り付けやすかったそうで。
話によると、老人は他にも似たようなトラブルが昔あったそうです。
しかし、名誉を捨ててまで鏡餅を欲するのが不思議でした。
だって、数千円で購入可能ではないですか。
それに、あそこで持ち逃げしてバレないワケ無いのに。それほど目立つモノなのに。
全く前頭葉の足りないアホとしか。
鏡餅がそのまま残っていたのか記憶にないのですが、あれをまた作り直すとなるとモチ米を蒸したり突いたりカタチを整えたり、相当な労力でまして一人では無理で。
金額の問題だけではなく、人々の願いや感謝の念も含まれていたかと。
そして、やっと理解出来ました。
自分のカメラはあの老人に狙われていたんだと。
そんな発想、自分には思いつきませんでして。
過去には町会長でもあった老人なのですが、お金の問題が耐えなかったそうです。
個人事業主でご家族も子供さんもいらっしゃるそうなのですが、いったいどんな家庭なのだか。
ともかく、そんな人と意見が合う訳無く、カメラをあの時何処かに置いていたら、結果的に周りにも迷惑を掛けてしまったかと。
仕事や学校でこんな人と関わったことが無く。
入社前や入学前に何らかの選別はされていて、それが上手く作用しているのか。
地域コミュニティというのは、そんな点で想像を絶する人との関りもあったりで。
自分の場合「コイツは救いようの無い馬鹿だ」と悟ったら、無駄に関わらないようにしているのですが、あれを許してきた周りの大人達は大した包容力だなぁと。
コメント