大それたタイトルなのですが、個人的に思うことを。
既に戦争は始まってしまっていますし、まさか始まるとは思っていませんでした。
ロシアに強い政治学者廣瀬陽子さんがテレビで度々登場していますが、御本人も意外な展開だったらしく「自分の長年の研究は何だったのか」と恥かしさを語っていました。これが言えるのは偉いとも思えました。
それくらい予想も困難ですし、あり得ない事態なのかと思います。
ウクライナに侵攻したのはロシアで、罪無き庶民を殺害しているのは駄目なことだと思います。これはほとんどの人がそう思っているかと。
こうなる前に回避策は無かったのか。
世界の中には板挟みな国が幾つもあります。
例えばお隣の韓国は、中国と合衆国の板挟み状況で、どっちつかずな対応で双方から不審がられたり、圧力を掛けられたり。
悪く言ってしまうとノラリクラリな対応ですが、上手いこと戦争にならずに済んでいます。
ソ連崩壊後に分離独立したウクライナは西側諸国とロシアの板挟み状況で、西側寄りの政策を続けていたそうで。
更にNATOへの加入も希望していたのですが、ロシアにとっては首都モスクワから近い嘗ての同国が軍事面で敵になるのは避けたかったそうで。
ゼレンスキー氏はNATOへの加入を急ぎ過ぎた様子です。根回しも足りない状況、NATO側も受入れを躊躇う状況で。
司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」では「時運を待つ」という表現を使っていたのですが、この部分がちょっと足りなかったのかなと思っています。
開戦前のウクライナでは、ドイツの対応に不満を漏らしていました。
武器の提供を望んでいたそうですが、結果はヘルメット5000個の提供で、それに対して失望したそうです。
ドイツはロシアからエネルギー(ガスや石炭等)を多く輸入していて、出来ることは実際に限られています。相手の立場を考えたら批判出来無いかと思いますし、まだ助けてくれる望みがあるのにこの対応では。
そして、昨日のニュースではドイツがウクライナに対空洗車を提供するそうで。
また、ゼレンスキーさんは各国の国会等で見事な演説をしてきたのですが、中にはちょっと気になる内容も。
合衆国では真珠湾攻撃の話題を持ち出し。しかし、あれは無差別攻撃では無いのですし、敢えて持ち出す必要がある言葉だったのか。
そして、ウクライナ政府が製作した昭和天皇とヒトラーと並べた動画の件。意図は別にあったのだと思いますが、配慮に欠けるというか。
三国同盟に日本が居たのは確かですが、日本はファシズム志向では無かったハズですし、昭和天皇が独裁者だった訳でもなく。
逆にファシズムではなかったから、同盟国の一員でありながら少なくないユダヤ人を海外に脱出させられた面もあり。
別に、日本に支援を求めないのであれば問題は無かったのかも知れません。
しかし、それを求めながらでは無理があるというもので。アクセルとブレーキを同時に踏んでいる様なもので。
ウクライナ政府の外交は、ちゃんと統制が取れているのか心配になる程です。
昭和天皇の動画に対するウクライナ大使館の弁明は「当アカウントは2016年に開設されており、現在ではウクライナ政府と関係がありません。制作者の歴史認識不足と思われます」とのこと。
しかし、Twitter上では公式アカウント扱いでして、大使館も板挟み状況で苦し紛れの回答を強いられたのかと。
勿論、「だから支援はするな」とは思いません。
ただ、支援や同情がこれで増えるとは思えません。
思い出してしまったのが、第一次世界大戦での英国です。
所謂「三枚舌外交」で、矛盾した幾つかの約束により結果的に中東を大混乱に陥れた問題で。
今回の件はそこまで酷くないとは思いますが、各国に対して都合の良いことを言うにしても、整合性の取れない内容では、逆に不信感を買ってしまうだけかと。
信頼して良いのか?と。
戦時中に事実は隠されがちなのも解っています。
戦後数十年経ってから、関係者による証言がやっと表に出てくることも珍しくなく。
ゼレンスキーさんもレーガンさんと同じく元役者です。演説も上手く、国民のウケも良く。
ただ、調整力がどうなのか、ちょっと心配です。
時運を待つことは出来なかったのか。
ドイツが武器を遂に提供するとなると、第三次世界大戦に僅かでも近付いた感です。
それを避けたいが為、NATOへの参加を受け入れられなかった経緯もあり。
最初の話に戻りますが、著名な専門家でさえウクライナ侵攻は想定外だったのですし、第三次世界大戦もあり得ないという状況では無いのかも知れません。
歴史通の方の一部は「そんなことも知らないの?」と言いがちなのですが、これも偏った意見が多い傾向です。同じ文章を読んでも、解釈が全く異なったりで。
ちゃんと知っている人ほど、口にしない傾向があるくらいに思っています。
先進国でそれなりの教養がある人ほど、第二次世界大戦以前の話を持ち出さなかったりです。
当時とは考え方や価値観が相当変っているのですし。それを持ち出したら何も良い方向に進まないくらいに思っています。
特にヨーロッパ滞在中に気心知れた方とお酒の場でそんな話題になっても、ストレートな英語で「あの時代は狂っていた」の一言だったり「お互い様だ」で。
古い話を持ち出しても、話が複雑になるだけかと。
数日前に某SNSでそんな話題になり、何だかなぁと。
自分自身は左翼でも右翼でも無く、中立の立場です。
ただ、意見を求められたら上記の様な回答をします。
相手によっては、それを右だの左だの決めつけてしまうのですが。
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