十数年前から、釣竿アンテナにATUの組合せが流行っていたのですが、色々試した結果としては「いま一つ」だった感です。
集合住宅等の限られた環境だったとしても、ちゃんと調整の取れたモービルホイップを利用した方がアンテナから電波はちゃんと送出されている感です。
勿論、エレメント長が十分にある場合は釣竿アンテナとATUの組合せでも良い結果が生まれるかも知れませんが、そもそもエレメントを伸ばせない環境では無理がありそうです。
SWRをATUが無理矢理下げているだけで、アンテナから出力される電波は変らずです。
受信性能は向上するものの、送信性能は変らずで。あとは送信機の保護ぐらいでしょうか。
送信機からの出力の多くがATU周りで熱に変換されているだけかと。
外付けのATU自体、国内メーカーの製品では四万円ほどした記憶です。
そこにお金を注ぎ込むよりは、短縮率が高くても同調の取れた短いアンテナを利用すべきかと思います。
ともかく、アンテナから電波がまともに出ていない事には、相手に信号が届きません。
自宅では21MHzのフルサイズのダイポールアンテナを利用しています。
同調は十分に取れていて、SWRもFT8の周波数では限りなく1.0に近く、地上高は低いものの十分な性能を発揮しています。
手動のアンテナチューナーを利用すれば7MHzでもSWRは限りなく1.0に下げられます。
しかし、受信はしっかり出来るものの、相手局にはほとんど届かない代物です。
これを調性の取れた7MHzのモービルホイップに入れ替えたところ、全く状況が変わりました。FT8では合衆国からもピックアップしてもらえる状況になりました。
新年早々、かなり驚いてしまい。
このモービルホイップは7、21、50、144、430Mhzに出られるマルチバンドで、モノバンドでしたら更に威力を発揮できそうです。
マルチバンドの短縮率が高いダイポールは使ったことが無いのですが、HF~430まで使える小さめなリグでしたら、けっこう重宝しそうです。
ともかく、アンテナチューナーに頼ってしまうと、残念な結果を生むだけかと思います。
個人的な意見になりますが、アンテナの性能は以下の様な順番でしょうか。
ビーム>短縮されたビーム>ダイポール>短縮されたダイポール>モービルホイップ>短縮されたモービルホップ
上記はHFについてです。V/UHFについてはGPもありますし、ハイバンド寄りのHFでもGPがあるのですが、横にするか縦にするかで性能がかなり異なりまして。
自宅で430MHzの筑波山レピーターを試したところ、横にしたモービルホイップと縦にしたモービルホイップでは送受信ともに全く性能が異なりました。当然、縦の方が強く。
ATUが万能で最強的な噂は何だったのかと思ったりです。
短縮率の高いマルチバンドアンテナの調整は厄介でもありますが、NanoVNAを持っていたらそんなに面倒ではありません。
短縮率が高いと、使える帯域は当然狭まってしまうのですが、自分の最近の運用はFT8ばかりなので、ほとんど無問題になってしまいました。
過去の経験も踏まえて、昨年の暮れ辺りから気付いた部分です。
ただ、屋外設置のATUの場合は同軸ケーブルに余計な信号が乗らないので、有利な部分はあるかと思います。
そのATU自体がアンテナ的な動作に少しはなっているのかもで。
まぁ、個人的な経験の範囲の感想ですので、勘違いはあるかも知れません。
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