妙な時刻に目が覚めて、そのままAppleの新製品発表イベントをリアルタイムで観ていました。
イベントの放送は案外短かったです。オリンピックの開会式も見習うべきくらいで。
そこでストンと眠れれば良かったものの、どうにも目が冴えてしまいニュース記事の斜め読み。
北方領土から泳いで渡ってきたロシア人の記事に目が留まりました。
しばらく前からこの事件がちょっと不思議でした。現時点の報道を観る限りは本当に泳いで標津の海岸まで辿り着いたらしく。
コメント欄の上位の文章は「亡命」という言葉への非難が多く。その言葉を使ってしまうと北方領土がロシアの土地だと認めてしまうからだと。
道東の沿岸部については、自分も学生時代から幾度か旅していました。
国後島は海岸から実際に目視出来たりで、妙な説得力もありました。
半世紀以上実効支配が続く島なのですが、あそこで暮らしているのは現時点でロシア人が多数で。
大陸で暮らす民族とかは別なのでしょうけれど、島国で暮らす平凡な日本人としては、国境とは何ぞや?な景色でした。
出張や旅行で九州から北海道まで旅した自分としても、道東のこの地域は特別な感覚でした。
友人の伝手で米軍キャンプのイベントに訪れたこともありました。柵の内側はモロに合衆国文化でしたが同盟国の安心感もあり。
対して、この海の眺めには領土問題が続いていて。それも目視可能な距離で。
その記事のコメント欄に「ロシアに送り返せ」系の文章も多く。
コメントの中にはスターリンの例も。
そういえば、スターリンが具体的に何者だったのか読んだことがないなぁとWikiを開き。
恐ろしい独裁者でとんでもない数の人を殺害したイメージしかなく。
明け方にそのWikiを読んだのは失敗でした。
一頁ながらとんでもない長文でした。最初にどれだけの行数があるのか下までスクロールすべきでした。
飛ばし飛ばしの斜め読みでしたが、まぁイメージ通りの恐ろしい人でした。
アルコール依存症だった親の虐待で幼少期のスターリンは片腕が不自由になったり、貧しい暮らしの中で家族愛にも恵まれず、彼を突き動かした原動力の一つは劣等感にあった様子でした。天然痘の跡が残る顔やロシア人としてはかなり小柄な体形や。
しかし、学生時代は相当優秀な成績だったそうです。途中で全くやる気を失い、反社会的な行動に走り出し。銀行強盗の黒幕で大金を掴んだりも。
実権を握るまでのライバルの蹴落としや、掌握後の粛清は更に凄まじく。いったい何人殺したのだか。
彼は幾度か家庭を築いたそうですが、家族愛のようなものは無かったそうです。やはり、幼少期に受けた虐待というのは繰り返されてしまうものなのか。
そして、第二次世界大戦終結直後にドサクサに紛れて領土拡大。北方領土もこの中に含まれるのですが、東欧方面も同時期に被害に遭っていたそうで。
スターリンの死はあっけなく、脳卒中が原因でした。
その頃のスターリンは被害妄想が激しく、何もかも疑っていたそうで。
暗殺されるのを恐れ、幾つもの寝室を準備し、今夜はどの部屋で寝ているのかは誰にも分からなかったそうで。
また、寝坊したスターリンを起こす係りは怒りを買うのが常だったらしく、ここら辺も脳卒中で半死状態だった彼の発見を遅らせたそうで。
敵を多く作り過ぎたり、大量虐殺を繰り返したりで、しっぺ返しを恐れた晩年。
社会主義と共産主義の違いを自分は今一つ理解していないのですが、スターリンによる改革は成功もあれば大失敗も多かったそうで。
特に農業分野の失敗は生産量を一桁減らしてしまったそうで。原因はやる気を失った農民による反逆的な対応で。
しかし、スターリンは生産性の高かった農家が搾取したものと勘違いしたらしく、勤勉で優秀だった農民達を粛清してしまったそうで。
巨大な国のトップとして、とんでもない見誤りです。
スターリンの評価については現在賛否両論あるそうです。
自分からすると恐ろしい人でしかないのですが、ソ連崩壊後の庶民の生活レベルはかなり落ちてしまったそうで、スターリンの様な強い指導者を望む声も少なく無いそう。
また、女性の教育や社会進出に力を入れていた面も評価されているそうです。政情が現在不安定なアフガニスタンとは全く別物というか。
特に敗戦後にアメリカナイズされた日本の庶民とは、根本的な部分で考え方が違うなぁと思えました。
北方領土を戦利品として頂いた感覚とか、国益に適うのなら一度手にしたものは返す必要が無い感覚なのかなぁと。
話し合いで解決など、とても無理そうな相手に思えます。
あと、宿敵であったドイツのヒトラーをスターリンは尊敬していた面もあったそうです。敵ながらも天晴という感覚だった様子で、ヒトラーの死をなかなか認めなかったとも。
そして、中国の毛沢東はスターリンを崇拝していたそうで。
独裁者というのは孤独な側面もありそうで、独裁者同志というのは憧れや信頼を生みやすかったのかな。
あの海を泳いで渡ってきた男は、今後どうなるのか。
スターリンの時代であれば、送り返されたら答えは一つなのですが。
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