三十年くらい前にテレビ放映された海外の映画が残念な結末で記憶に残ったままです。
ひょっとしたら海外のドラマだったのかもしれませんが、エミー賞だか何だかを受賞していました。
週末の夕刻に某国営放送でたまたま流れ始めた作品、ソファーで横になってぼんやり観ていました。
当時の東欧方面を走る寝台列車が舞台でした。
文学青年的な主人公が列車でたまたま知り合った老婆。
身なりはしっかりした老婆でしたが、何かの切っ掛けで関わったのが災いしてしまいました。
老婆は青年に色々と頼みごと。
親切な青年は、それくらいなら手伝えますと。
「寝台の小さな灯りが気になって眠れないから、この灯りを消してほしい」
老婆のこの依頼にも応えた青年。まさかの展開が待っていました。
消灯のスイッチでも反応しなかったので、電球ごと外すことに。
しばらく経ち、検問所(国境?)で停車した寝台列車には機銃を構えた兵隊達が。
何事か?と思った青年は兵隊に囲まれ。
列車の保安装置を壊したとの通報で、テロリスト扱いされた青年。
事情を説明しても連行される青年は途中下車どころでなく。
そこへ登場したあの老婆が一言。
「こんな人知らない」
遠くの街での大切な予定で乗車した列車は、青年を置いて走り去る結末でした。
最悪の結末、最初からちゃんと観ておけば良かったなぁといった感想でした。
しかし、こんな人世の中に居るんだろうか?
同じような流れでたまたま当時観た「ミッドナイトエクスプレス」という作品は、まだ救いようのある結末でした。
どちらも遠い異国の不条理でした。自分には関係無さそうで。
ただ、その後の人生で似たような人を幾度か観ました。
例えば過去の職場での出来事ですが、会社の裏事情が大きな問題に発展してしまった場面でした。
雇われていた経営者の問題が無視できなくなり、社外取締役を交えた会議が実施された中ででした。全社員参加で。
問題の経営者は都合の悪い指摘をすべて無視。そんな流れで太鼓持ちだったお局様の酷い実情が暴露され。
お局様は「そんなの知らない」「そんなことしていない」との回答。
静かにしている社員に取締役から「そんなことあったのか?」と。羊のような社員は「そんな場面もありました」と。
それでも否定し続けるお局様。都合の悪いことほど忘れてしまうものなのかな?
ハッキリとした結末が無いまま、会議自体は終わりました。
夜遅くまで続いた会議、会議室のドアを出たところでお局様は羊に吠えました。
「どうして言っちゃったの!」
忘れていたワケでは無かった様です。
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