どこで諦めるか

これは着いてゆけないという場面があると思います。
どんな場面にしても、一度や二度でそう思いつくワケではなく。
そろそろ潮時かなといった。

しばらく前の仕事でもそんな場面が幾度となく。
例えば、依頼元の近隣から署名を頂く作業でも、近隣同士が何らかの係争中の場合、なかなか上手くゆかず。
何度も何度も挨拶に伺っても居留守であったり、断られたり。それを頂けないと出来高報酬が頂けず。
中には嫌がらせ的に午前三時に来いといった前例もあったそうで(これが地域で立派とされる方だったり)。
近隣同士がそこに居住している場合は、お互い様な部分もあって了承を得やすい傾向の様ですが、所有しているだけで居住していない場合ですとこれが代理戦争の戦場のような場面もあったりするそうで。
諦めるまで数年掛かりというのもあるそうで。
ただ、その作業に労力を割いた時間を考えると、報酬を頂いたところで既に大赤字とも思えます。

他にも、もっと単純な場面で。
例えば、あるハズの埋設物を手で掘り出す際、1.5m掘っても何も出てこなかったとします。
その間、コンクリートや石が邪魔だったり水が湧いてきたり。作業スペースがほとんど無い無理な姿勢もあったり。
これがあと50cm掘ったら埋設物が必ず出てくるというのなら勿論続けるのですが、その保証も無く。
あまりにも深いとスコップの柄が届かないので、人が入れる大きさに穴を拡張する必要もあったりで。
じゃぁ何処まで掘って諦める?という基準が人それぞれでした。

しっかりした会社ですと、ある程度の判断基準があるハズなのですが、これが曖昧故に見切りがつけられないというか。
「常識的に考えて」といった表現も、人によって常識だったり非常識だったりですし。二人の上司がそれぞれ違う意見や考えで、板挟みに遭うような場面もしばしばでした。船頭が二人的な。
他にも色々な場面があったのですが、この人達本当に凄いよなぁと思える場面ばかりでした。逆説的に「自分には真似出来ん」という感覚でもあり。

「諦めが早い」と言われてしまったこともありました。
確かにそれを言われた方に比べれば早い諦めでした。しかし、その方が抱えている仕事は納期が延びたり、時間を掛け過ぎたりで多くの案件が赤字と思われて。
経営寄りの方はそれを気にされていましたし。自分も手を抜いていたワケでは勿論ないのですが、やはり何らかの線引きが無いと、前に進めない状況に陥りがちかと。
見積の内訳の多くは作業費が占めているのですし。

ともかく仕事が半人前なのは自分も理解していましたし、せめて明るく元気にをモットーにしていました。職場での新年の抱負にも掲げたくらいで。
「暗くてつまらない世界」と入社前の面接で言われてもいましたし。
最後の数週間は、その明るく元気にがほとんど出来ていなく、これは潮時なんだろうなぁと。

そういえば、こちらのblogについても新年の抱負は「愚痴を垂れない」でした。
読みようによっては単なる愚痴な記事が続くこの頃です。
単なる愚痴とならないよう、何らかの対策も綴るようにはしているのですが。

新卒で入った大手のセキュリティ企業は、当初は無期限の現場研修で昼夜関係ない緊急対処員でした。
これまで経験した仕事の中では一番キツい環境で、配属先の支社では毎月のように人が辞め、六人居た同期も一年後には自分を入れて二人だけ。
自分が一番先に辞めてしまうと周りは思っていたそうです。ただ、この企業でやりたかった目標がありましたし、ここで辞めてしまったら単なる警備員で終わってしまいます。
なので「ここで辞められるか!」な思いというか、後から考えても目標というのは大切に思います。

その現場で一年少々助け合って生き残った同期と今週再会予定です。
今年のお正月に二十年ぶりくらいで再会したばかりでした。
自分より何でも万能で、頭も良く人当たりも良く体力もあった同期、誰とでも上手く接する能力が卓越していました。
しかし、その同期は自分より数年早く上記の企業を去っています。転職回数は自分より少ないですが、世間的には多い方なのかも知れません。諦めの早い奴では無いのですが。
一年に二度も再会する旧友、無精者の自分には珍しい出来事です。
ちなみに奴も現在無職なので、江戸川の河川敷で昼間っから飲もうという流れになっています。

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