学生時代の選挙

北海道から上京したばかりの大学時代、東京は何だか凄いなぁと思える場面が幾つもありました。
その一つが選挙関連でした。

有楽町の一角でよく見掛けた赤尾敏さんであったり、都知事選ではドクター中松が街宣車の上でピョンピョン跳ねていたり。
赤尾敏さんについては大学で社会学を担当していた先生も知り合いだったそうで、昔から独特のオーラがあったそう。
その後に解散した某新興宗教団体の選挙活動もインパクトありました。街頭演説には遭遇出来なかったものの、各地区の選挙のポスターは異彩を放っていて。
なんじゃこりゃ?な風景が都内の至る場面に溢れていました。

当時は政見放送も凄かったです。内田裕也さんが突然歌い出して、収録スタッフが止めに入る場面まで放映されていたり。
そして一般人らしきお婆ちゃんの理解に苦しむ訴えが個人的に一番インパクトありました。
その名は三井理峯さん。

三井さんの政見放送を初めて観たのは深夜でした。週末でお酒が入っていたタイミングだったと思うのですが、転寝していたところで政見放送が始まっていました。
半分寝ていたので、普通に喋っていたとしても耳に届かなかったと思うのですが、最後の「熊の山!!」が妙に響きました。あれは何だったのか?としばらく気になっていました。

その後、普通に起きている時間帯に三井さんの政見放送を観たのですが、何を言っているのか半分以上聴き取れず。地方の温泉街で酷い思いをしたらしき訴えなんだろうなぁと。
英語の歌を聴き取ることが自分は今でも苦手です。所々聞き取れるフレーズで、だいたいこんな事を言っているのかなぁと。それに近い感覚でした。
しかし、政見放送で訴えるべき内容では無いよなぁと。結果は当然ながらほとんど票を取れていませんでした。
あのお婆ちゃんはいったい何者だったのかも謎のまま、点取占いレベルのシュールさを残していました。

それから15年ほど経ち、mixiのトンデモ系コミュニティー「政見放送」で三井理峯さんを発見してしまい。
やはり特異な存在だった様子で、当時の関東圏の人々にはインパクトを残していた様子。
以下の動画については字幕も付いていますので、言葉は伝わりやすいと思います。

何らかの被害妄想が入っていたんだろうなぁと。
自分は湯治場とか、ひなびた温泉とかも好きでして、それがお気に召さなかったのかなぁと。
ただ、これが詩としての作品なら、ありなのかなぁとも。

検索したところ、その温泉へ実際に伺った方の検証記事に説得力を感じました。
あのお婆ちゃんの印象は悪かったのかも知れませんが、観たモノの描画はけっこう正確で。ゴッホが描いた向日葵に近いモノを感じたり。
メンタルが壊れた人ほど、一般論のフィルターを通過していないストレートな表現が出来たり。これはどんな芸術系でも成立している感です。
間違いであっても、自分はそう思ったとかそう感じたとかの誰にも似ていない表現。
それが理解されるのはずっと後の話であったり。ゴッホにしても、存命中はほとんど評価されていなかった様ですし。
一種の現代アートとして捉えたら、梶井基次郎に負けない眼力だったかもしれず。

三井さんの政見放送については、他にもあった記憶です。
側近らしき女性が傍に居たりで。横に居た女性達はどんな思いで収録に挑んだんだろう?と。
以前にお世話になったお婆ちゃんがここまで熱心に出馬を望んでいるのだから、といった感覚だったのかなぁと。
その後に三井さんの取材も色々とあったそうですが、地元地域の方々もあまり語りたがらなかったそうです。

そもそも、政治家というのは何か抜けたり欠けたりしていないと務まらない職業とも思えています。
目立つが故に様々なバッシングが多いでしょうし、批判や過去に一々打たれている様でしたら務まらないかと。
誰からも愛される単純明快な政治家が居るのか謎ですが、もうちょっと表に出てきてほしいなぁと思うこの頃です。

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