脇役

ドラマ等で時々見掛ける俳優さんの中には、脇役なのにオンリーワンな存在感で気になる方が稀に居ました。
ここ十年ですと龍馬伝に登場した香川照之さん。あれは主役を喰っていましたし、岩崎弥太郎を初回から最終回まで見事に演じ切っていました。最近では半沢直樹でも大活躍中の脇役で。

数十年前から気になる脇役の一人に矢崎滋さんが居ます。個性的な顔立ちで、昔のドラマでは悪役が多かった記憶です。
二十年くらい前のトーク番組で御本人が語っていたのですが、デビュー当初だったかに奥方向けの昼ドラマで悪役をやっていた頃、その不愉快な演技から「こんな気持ち悪い奴、出演させるな!」との苦情が殺到したそうです。
主人公の綺麗な女性を虐める役か何かだったそうですが、視聴率は悪くなかったそうで、主役を立てるには重要な悪役だったのかも知れません。

その数年後だったかには、本田宗一郎の一生を描いたドラマで矢崎滋さんが主人公を演じていました。浜松の小さな修理工場の社長は怒りっぽく、つまらないミスをやらかした工員を工具を持って追い掛けたり。
最期は立派な病院のベッドに横たわるお爺さんの演技まで。「クルマの音を聴くだけで、うち(HONDA)のかどうか俺は分かるんだよ」と。外には当時新車だった四輪のNSXや二輪のNR750が駆け抜けて。どちらもHONDAの歴史で重要な車種でした。

去年だったか、Youtubeで見掛けた映画「夜叉が池」でも見事な悪役を演じていました。大正当時のど田舎では珍しい教養のあるインテリ野郎だったか。
Wikiで知ったのですが、矢崎滋さんも実際に相当な高学歴で東大を中退しているそうです。東大にまで行って中退というのが凄まじく。探偵物語等で名脇役だった成田三樹夫さんも東大中退ですし、どうして?
香川照之さんも偶然ですが、東大出身で。
脇役とか悪役ながらも何方もその作品の役に徹して、それを楽しんでいるのは共通していそうです。

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