ドラマ「ムー」

BSでドラマ「ムー」の再放送が続いており、途中から毎度楽しみにしています。
自分が小学三年生時代の作品なのですが、いま観ても面白く。まぁドタバタな展開ばかりなのですけれど、所々に人間味を感じさせる場面があったりで。
四十年前の作品ですので、出演者も若いし故人も多く。そして、最近話題な昭和レトロがそのままなんですよネ。
黒電話とか、エアコンも無い部屋とか、小さなブラウン管のテレビとか、部屋の内装やポスターとか。
古い雑誌とかを読み返したら、広告の方が面白かったり、古い録画を観てみたらCMの方が懐かしかったりとか、それに近い感覚。

その「ムー」も来週で終了だそうで。Twitterで検索すると、多くの方々は続編の「ムー一族」を続けて観たがっていました。勿論自分もです。
ハチャメチャ度は更にパワーアップしていた記憶です。たこ八郎さんも出演されていて。
実は自分、たこ八郎さんのファンでもありまして。

たこ八郎さんの自伝「たこでーす。―オレが主役でいいのかなぁー」がなかなか面白かったもので。バックボーンを知らないと、単なる怪しいオッサンだとは思います。
この作品、自分の通っていた図書館の新書コーナーにあったんです。誰がこの作品を最初に読んだのか?閲覧者の一覧を確認したところ、真面目そうな若手の国語教師でした。(自分は二人目の閲覧者)
試しに読んでみると、なかなか面白く。プロボクサー時代は王者まで輝いたのですが、無茶な戦法でパンチドランカー。
その後は喜劇役者に弟子入りしたものの、壊れた身体では色々と不自由な場面に苦しめられたり。(大部屋で布団を汚してしまうことも多かったそう)
ただ、付き人としては頼りになる場面もあったらしく。車の運転中にチンピラに絡まれた際、やむを得ない状況では相手をコテンパンに叩きのめしてしまったり。
また、演技力の無さは自覚していたらしく、身体を張った演技をあえて試みていたそうで。「幸せの黄色いハンカチ」でチンピラ役をした際は、車のボンネットに頭を叩き付けられる場面があったのですが、本人から進んで頭を手加減なしにぶつけていたそうで。叩き付ける側だった高倉健さんも驚いたとか。
一般的な社会人としてはダメダメだったのだと思います。ただ、不器用そうでいても手土産は忘れない律義さがあり、それも置き忘れたように帰る恥ずかしがり屋でもあったそうで。
計算していたのか天然なのか分かりませんが、知っている人からは慕われたようで、たこさんの死はタモリさんとか赤塚不二夫さんもかなり悲しませたそうでした。

あと、プロデューサーの久世光彦さんも凄くて。作品のメリハリとか、当時の流行を上手く取り入れていたりとか、単なる軽薄な作品に仕上げていない奥深さとか。
人間的には不倫騒動等でちと問題もあったそうですが、残した作品上では凄い仕事をしたんだなぁと。
北の国からの倉本聰さんとか山田洋次監督に通じる部分があるんですよネ。
北の国からも当時の流行歌がキーワードになっていたり、男はつらいよも作品のオープニングな寸劇で当時の流行をパロっていたり。
ちなみに、この御三方は皆さん東大出身。関連性があるのか分かりませんが、優秀な大学卒ですと大衆演芸への貢献度も高いのか。
まぁ、どの作品も凄く計算されていると思いますし、時が経つと別の意味を持つような見事な時代背景を残している感です。文学も音楽も映画も、凄いなぁって思えるのは見事な設計で成り立っていたりで。
司馬遼太郎さんの作品もそうなのですが、ストーリーから脱線した話題とかの方が面白かったりするんですよネ。集約された展開のままですと、飽きやすいですし、インターネットの黎明期も文章中のリンクが更に面白くさせて着地点を見失ったりで。
悪く言ってしまうと、酔っぱらって熱く語っていたら、前置きが長過ぎて何を言おうとしたのか忘れてしまう流れに近くもあるのですが。(昔に比べて自分も増えています)

話が途中に戻りますが「ムー一族」は最初から観てみたいです。
ただ、当時の大物タレントもドサクサに紛れて出演していたり歌ったり。著作権関連で再放送は難しいとの噂もあります。
さて、どうなるでしょう。

コメント

  1. ルノワールS より:

    放送を教えてもらって以来、私も毎回楽しみにしております。
    俺で観ているとたまに、ウチの娘が居合わせることがあるけど、現在のテレビ番組には無いアバンギャルドさに「???」となっているのが可笑しい。
    続編もぜひ観たい!
    OP曲の「暗闇のレオ」、最高!

    • SUKIYAKI より:

      時代背景とか当時の流行を知らないと、娘さんには謎多いかも知れず。
      漫画の「マカロニほうれん荘」は実写化難しいだろうなぁと思っていたんだけど、ムーを観ていたら案外出来ちゃうかも?って飛び具合というか。
      「暗闇のレオ」は自分も好きで大昔に耳コピーしてたり。ただ、当時はYoutubeとか無かったので、今聴くと間違いだらけで。