日本の製造業

ここしばらく、日本の製造業の不正が幾つも明るみになっている様子です。エアバッグ・メーカーだったり、自動車メーカーだったり、製鉄系だったり。
自分は学生時代から半分社会人だったので、この三十年で世の中変わったなぁと思えることが幾つかあったりです。
その一つが、外資系メーカー的な考え方です。特に経営陣に要求される短期間の成果です。

外資系メーカーと関わった機会が幾度かあったのですが、経営陣の一部は幾つもの大企業を渡り歩いてきたエリートで、その企業に所属してからは短期間の成果を求められがちで。
業績アップな対応の中には現実離れした(現場を知らない)改革も含まれ、コストダウンの中に現場の混乱や不正が招かれたり。見せかけの成果は出せるのでしょうけれど、長期的にはサービス内容も含めた品質低下がありがちで。
一時的な成果に喜ぶのは内情を知らない株主くらいなのかなぁと。
その経営陣も責任持って長居してくれれば良いのですが、いつの間にか全く関係ない他社に移っていたり。責任の所在が分からなくなり。

問題に気付いていたのに何の対策も出来ない体質に、なりがちかと思えてしまい。
そんな対応を事前にしたところで業績は一時的にでも下がりがちでしょうし、表沙汰になるまで放置で、その時の経営陣はババを掴まされた心境なんだろうなぁと。
最近のニュースを見ていると、会社の存続さえ危ういメーカーが幾つもあるようで。一兆円を超える負債とか、どうやって返済するのだか。
そんな流れが多そうで、外資系メーカーなやり方は日本にそもそも合わないのではないか?と思っています。

海外で鉄道や大きな橋を作るような事業では、入札段階で割高な日本企業が落とされるパターンも多いようです。
結果、割安で作られた大きなモノがまともに機能しなかったり、欠陥がバレだ時にはそれを作った企業は既に消えていたとかもあるようで。
上記の流れが進むと、日本も明日は我が身なのかなぁと。

昨夜たまたま読んだ記事の中に、本来の日本の製造業を感じるメーカーがありました。
アキュフェーズという高級オーディオメーカーです。そこの創業者はケンウッド(当時はトリオ)の創業者でもあったのですが、銀行系から招いた経営陣のクーデターでケンウッドを追われたそうで。
新たに起業したアキュフェーズでは、コストを度外視した製品作りに励んだそうで、厳しいオーディオ業界の中でいまでも生き抜いているそうです。(実際、当時元気だった大手のオーディオメーカーはほとんど消えてしまいました)
また、製造終了から何十年も経った製品の修理も基本的に門前払いせず、補修パーツの管理も徹底しているそうで。買い替え前提の製品作りとはスタンスが根本的に違うようです。
アキュフェーズさんの製品はどれも高価ですが、いつかは触れてみたいなぁと思ったりでした。
アキュフェーズさんの紹介記事はコチラが詳しいです。

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