シンドラーのリスト

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スピルバーグの有名な映画「シンドラーのリスト」は、まだ自分も観たことがなく、気になったままの存在でした。
最近あった事故のエレベーターが「シンドラー」という名前で、ちょっと思い出したりでした。
自分、過去の仕事でセキュリティ関係の研究開発部門に数年間在籍していました。
セキュリティというと、監視システムがそれまで主でしたが、設備制御も関わるシステムの開発に関わっていたんです。
監視システムの場合、誤報といって、センサーが何らかのノイズを泥棒と勘違いしてしまうような場面も実際ありました。
誤報の逆で失報というのもありました。これは、センサーが泥棒を見逃してしまう内容で、許されない内容でした。
誤報を減らす方向でシステムを設計すると、失報の危険性も上がる傾向が強いため、その辺のしきい値の考え方には神経を尖らせました。
設備制御の場合ですと、シャッターの開閉等、機械が勝手に動作するわけですから、絶対に人を怪我させないという考えが基本にありました。
「フェイルセーフ」という言葉がありまして、日本語にすると「安全側に倒す」というものです。機械が壊れても、安全な方向に持ってゆくような内容です。一般的には停止させる方向が強いです。
例えば、スキーで転ぶにしても、山足側に倒れれば起き上がりも楽ですが、谷足側に倒れたら怪我の危険性も高いですし、起き上がるのも大変です。


日本の製品がある程度信頼できるのは、その辺で開発者のモラルや知識・経験が機能しているからかと思っています。
一番表に出てこない地味な部分なのですけれど、これが長い時間を掛けて信頼を生んでいる気がします。
最近話題になっているシンドラーさん、それでは日本じゃ通用しないと思える場面が事後も多いようです。
ガァ

コメント

  1. SUKIYAKI より:

    >くみこさん
    くみこさんの日記で拝見しておりました。他人事じゃないのですよネ..。
    冗談抜きに前触れってあったりします。
    自分も最近知ったのですが、新しいエレベーターはけっこう多機能みたいなのですよ。
    誤って押してしまった停止階ボタンのキャンセルとか、隠し機能のボタン操作とか。
    コンピューター仕掛けで複雑なことをさせると、それだけバグも生まれやすいので、程々に進化してほしい分野だったりします。

  2. SUKIYAKI より:

    ちと、ブックマークがわりに残しておきます。
    mixiに入会してみると、面白い記事が読めるようです。
    某大学のエレベーターについてのトピックです。(昨年の十月から日記風に進んでいます)
    http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=2307335&comm_id=341668&page=all
    2006年04月24日のコメントが画期的でした。(以下一部引用)
    >【速報】
    >現在オルテガ,1Fのドアが外れています。
    >ついさっきシンドラーのサービスの人が扉を揺さぶって
    >「だめだ完全に終わってる・・・」
    >と言って帰っていきました。かなり素敵です。

  3. くみこ より:

    このニュースは字で見ただけで戦慄を覚えました。最近エレベーターに閉じ込められたところだったので余計に恐ろしいです。
    設備制御にもお国柄が反映するというかモラルが重要なのですね。機械に身をゆだねるしかない生活場面が多い毎日でぞっとするご指摘です。