映像の世紀

Twitterの深夜のトレンドに「映像の世紀」が。
95年に放映された再放送、今夜は第二次世界大戦がテーマで観てみることに。
ヨーロッパの戦線と太平洋戦争が並行して進む番組、なかなか考えさせられました。

当時も観ていたと思うのですが、今回の方が響いた感です。
たぶん、その間に自分が幾度かヨーロッパに渡った影響もあると思います。
搾乳ロボットのエンジニアで、オランダを拠点にベルギーやドイツの地方都市を渡り歩いていて。

ヨーロッパの戦線は先ずオランダが一方的にドイツに占領され、ベルギーやフランスも。
あのとてつもない広さの西ヨーロッパを敗戦国だったドイツがほとんど独り占めしてしまう勢い。
海を渡ったイギリスについては必至な抵抗で阻止、ロシアは冬将軍が味方につき苦戦。
まぁ世界史で習ったことなのですが、映像で観るとこれがなかなかリアルで。

ロシアで冬の撤退の後、チャンスを待って再度攻撃を加えたドイツ。今度は一時的に形勢有利となったものの、一般市民をはじめとした反乱軍の抵抗によりロシアの勝利。
祖国で街や家族を失った人々の逆襲は、少数のゲリラ攻撃だったものの大きな打撃を加えた様です。戦争を仕掛けた側の兵士は相手に対して恨みなど無さそうなのですが、それでやられた側の市民の恨みは恐るべきエネルギーを持ち合わせていた感で。

次に、アメリカを筆頭とした連合軍の逆襲がドイツの形勢を一気にひるがえし。
ノルマンディーの上陸からフランスを解放した連合軍、捕虜になったドイツ兵達の姿が哀れだったものの、更に悲惨だったのはそのドイツ兵に身体を売っていた若い女性達。
女性達は非国民として街中に晒され、髪を刈られて丸坊主に。それを見守る市民たちがとても嬉しそうな笑顔。気持ちは分からなくも無いのですが、何とも恐ろしく。
これが戦争なんだなぁと。

アウシュビッツ関連の映像も流れていました。
これについては、説明の必要も無いくらい現代に引き継がれていて。

太平洋戦争については、日本がドイツに近い立場で描かれていました。
東南アジアの国々に攻撃を加えて次々と支配下に。真珠湾攻撃から始まったアメリカとの戦いも。
また、占領下に置いた東南アジアの国々では日本語の矯正的な映像も。インドネシアだったかの少年が流暢な日本語で弁論大会に挑んでいる場面も。

文化さえ服従させるとも思える映像だったのですが、これは解釈にもよるかと。
それまで植民地として搾取してきたヨーロッパの国々を日本は追い出したのですから。こき使うだけでインフラも整備せず、教育の機会も与えなかった植民地扱いとは異質かと。
植民地化していたヨーロッパの人々が収容所まで数10km歩かされる様子も映像に残っていました。
一般市民を巻き込んだ戦争を仕掛けた以上はドイツも日本も似たようなものなんだろうなぁと番組で思えたり。
日本も無差別攻撃をしていたのかは自分も知りません。ちょっと調べる必要がありそうです。
知る範囲では、そんなことしていないと思うのですが。無知なだけなのかな。
その後の日本敗戦までの経緯は自分も知っていたので、特に新しい発見も無く。

仕事でオランダに渡る前に、オランダと日本の過去を調べていました。
インドネシアを植民地にしていたオランダは、第二次世界大戦で日本とやりあったそうで。当時捕虜になったオランダ人はまだ存命中で、日本に対しての怒りは消えていなかったそうで。
自分がオランダで拠点にしていた宿泊先のオーナーは親切な文化人でした。幾度か一緒に呑んだのですが、そのタブーな話題を片言英語で一度出してみました。
しかし、オーナー曰く「私達もコロニー(植民地)にしていたのだから、一緒だよ」と。
ちょっとホッとした感です。

敗戦国だった日本ではありますが、戦後の復旧は早く、運よくG7にも加入出来ていて。唯一のアジアの国です。
しかし、現状はどうかというと日本より成長中のアジアの国は幾つもあります。GDPでは世界三位とまだ強いですけれど、勢いについては落ちる一方で。先進国という枠組みでは、規模を取っ払えばもっと凄い国が幾らでもありそうです。
ともかく、当時だったから加入出来た面はありそうで。

最近見掛けた記事で、アメリカと中国の関係が益々悪化しているらしく。
朝鮮戦争やベトナム戦争といった代理戦争的に、台湾が舞台になり得るかもな状況らしく。
アメリカと中国は軍事面での衝突がまだ無いものの、経済面の制裁で中国をかなり凹ませています。
台湾については軍事面でアメリカから仕掛けるとは考え難く、中国が仕掛けてからかと。
もしそうなった場合、地理的にも近い日本が関わらないワケありません。
最悪そうなったとしても、一般市民が巻き込まれる陸上ではなく海の上だけで片付いてほしいものです。

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