以前にも幾度か似たような記事を綴っていますが、最近あった芸能人さんの事故で再び思い返したりです。
この芸能人さんの事故はニュースで知りました。四輪で急なUターンをしたところ、二人乗りの単車と接触し、ぶつけられた二人は重軽症だったそうで。
ほとんどの人は「轢き逃げ」や「社会的制裁」に注目している様子ですが、四輪に比べると事故発生時の単車乗りはダメージが大きく、単車乗りの危険回避な点が気になりました。
単車に三十年以上乗っていた立場からすると、十分にあり得る事故だよなぁと。それでいて、一番恐れる場面の組合せだよなぁと。
まず、特にタクシーはお客さんを拾うのに急なUターンをしがちです。それで事故を起こす場合は単車が巻き込まれるパターンが多く。過去に観た事故ですと、暗い時刻が多かった記憶です。相手との距離感やスピード感が分かり難かったのかも知れません。
次に、二人乗りの単車の運転は一人乗りに比べると三倍以上疲れます。発進も停止も曲がるのも普段より気を遣い、全ての動作が邪魔される様な感覚で。そして、事故った時のダメージは後席に乗る人の方が遥かに大きく。
なので、自分は単車での二人乗りを極力避けています。二人乗りの単車は面倒臭い別の乗り物くらいに思っています。
あと、事故が恐ろしいので四輪の運転中に路上でUターンをした経験がほとんどありません。想像以上に死角は多そうで。
今回の事故、仮に単車側が二人乗りで無ければ、Uターンの四輪を避けられたかも知れませんし、転倒したにしても最小限のダメージで済んだのかも知れず。
事故は、一番悪い組み合わせとかタイミングで発生しがちで。こちら側に落ち度が無かったとしても。
怪我しない、死なない運転が単車では特に重要そうです。スキーにしても、最初に習うのは安全なコケ方だったりで。
三十年以上単車に乗り続けていると、事故現場を目撃する度に「明日は我が身」と慎重になりがちでした。下手な講習会よりよほど説得力があって。
あと、身体の衰えもあるのか、過去に普通に出来ていたことがそうも行かなくなったり。加齢は本来鈍感になりそうなイメージでしたが「怖い」と思える場面が増えたり。
ベテランライダーの方でも、貰い事故の内容によってはあっけなく他界してしまうパターンもあったりですが、単車の運転自体に不慣れな方がいきなり高性能車に乗るのは危険だと思っています。
中型免許の範囲でも初めての単車が高性能車で、納車から二週間で廃車な知人が何人も居ました。自分の場合は高校時代のマニュアルな50ccから順番にステップアップしています。結果的にそれで助かった部分も多かったかと。
特に、限定解除の免許が教習所で取得出来るようになってから、初めて所有する単車が大型車という方も多い様で。個人的には、距離や年数に応じたステップアップをされていった方が、安心出来る感です。航空機の操縦資格は、それに近い運用だったハズで。
パワーのある乗り物ほどスピードは出せますし、大きく重いモノほど慣性の法則で急なコントロールが困難で。最初は軽めで小ぶりでパワーもソコソコな車体で身体を慣らすのが良いかなぁと。
いきなり重量級ですと、取り回しだけでも面倒でコケてカウルを破損とかよくある話で。駐車場からの出し入れが面倒で結局乗らなくなるパターンもあったりです。
大排気量の高性能車が威力を発揮するのはひょっとすると長距離ツーリングくらいかも知れません。逆に街中では扱い難く、性能の極一部しか使えず。
個人的には100ccのかなり小さなVespaが街中で一番扱い易く、乗る機会も多かったです。
自分も、若い頃は高性能車に乗るとその車両の限界を試してみたくなる衝動に駆られがちでした。その気持ちは分かるのですが、経験を積むと「これ以上は無謀」な限界が観えてきたり、その限界が下にジワジワ下がってきたり。
ともかく、経験が想定の範囲を広げることはどんなジャンルでも多いかと思います。
あと、この三十年で四輪の安全性は格段に上がったと思います。自動的に危険回避してくれたり、衝突しても車体構造が守ってくれたり、エアバッグが守ってくれたり。
それに対して、単車はABSが着いた程度でほとんど変化が無く。騒音、排ガス、燃費といった環境性能は四輪同様に進化していますが、むしろ車体が重くなったり構造が複雑になるばかりで。
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